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ia19200102
『忘年怪異』 #毎週ショートショートnote【ただの積立金編】
「久しぶりやな。今年からか?」
「おぉ」
炊き出しのように配られるしっぽくうどんやひゃっかの雪花といった郷土料理、おでんや稲荷寿司などの値段と手元の小銭を見比べ、首を傾げている顔見知りに声をかける。
「これはどういう仕組みなんや?」
「そのまんまや。手元にある小銭と交換したら飯が食える。ちなみに新年には餡餅雑煮が食えるぞ。でも絶対に最後の分は残しておけよ」
俺の真意がどこまで伝わったのかはわからんが、すぐさましっぽくうどんの列に向かっていった。
また別の知人を見かける。
「ここに来たんか。長患いしとるとは聞いとったけど」
「誰かと思えば聡さんか。えらい若返っとんな」
「あんたもな」
「これは何が起きてるんや?」
「こっちの世界の忘年怪異や」
「何じゃ、それは」
「あんたも小銭は持っとるやろ?」
「あぁ」
「ここにいるやつらもみんなそうや。生きた年齢分の小銭で祭りが楽しめるんや。でも気ぃつけや。使い切ったら…」
俺のように川を渡れなくなるぞ。
もうひとつのお題が気になりすぎて、何やらどこかで読んだようなお話に……😑ちなみに若返って見えるのは遺影の頃に戻るからという盛り込めなかった裏設定です🫡その分、ローカルメニューを方言で再現してみたのだけれど、男性口調は難しいネ🥸
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