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nemuineko_note
『外道一組』 #毎週ショートショートnote②【念願編】
こちらのつづきの作品となります。
「道介、ちょっといいか?」
高架下の小屋で日暮れと共に微睡んでいると珍しく慌てた様子の一雄が俺を揺り起こす。
「何だよ、急に」
「スーさんの調子が良くねぇんだ。見に来てくれ」
そう言われ俺はスーさんの小屋に向かう。
「スーさん大丈夫か?」
薄汚れた毛布にくるまったスーさんは俺に気づいて息も切れ切れに訴える。
「あぁ、道介か…ちょうど良かった。お前に頼みがあるんだ」
「なんだ?金はねぇけど薬くらいなら…」
「いや、それよりこないだ話してたウォーターサーバーのある所に連れてってくれねぇか?」
まさかの頼みに俺と一雄は顔を見合わせる。
「駅前のショッピングモールで実演販売してるはずだ」
一雄はあの後実際に見に行っていたようだ。
「お願いだ、そこへ連れてってくれ…」
今にも死にそうな年寄りの願いに俺達は無言で頷きスーさんを両脇から抱えた。
「ったくあの時はヒヤヒヤさせられたもんだぜ」
とぼやく俺に
「すまんな、白湯で」
スーさんは駄洒落を言って笑った。
もはや「『外道一組』どこ行ってーん!」って感じではあるけれど、ちょっとお気に入りなお話。どうやらスーさん、念願のウォーターサーバーの白湯を飲んで無事に復活したようです。(なんだかんだ言いつつ、ウォーターサーバーの在りかをチェック済みの一雄も愛おしきかな。)
よかったよかった! めでたしめでたし!
どうか今日という日がみなさんにとって
穏やかな日となりますように🥺✨
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