【読書】希望の一滴 中村哲~アフガン最期の言葉
入社面接などで「あなたたの座右の銘はなんですか?」と聞かれることもあるのではないだろうか。今までこれだと思うものも特になかった。だが私には、大切にしている座右の銘ができた。「一隅を照らす」だ。
以前、中村哲医師(脳神経内科)がテレビ番組で取り上げられていた。その姿に感動した私は「希望の一滴」を読んだ。希望とは光であり、一滴とは水である。この本の題名も好きになった。
中村医師は、治療よりも水と食料が必要だとアフガニスタンに用水路を1、600本建設した。65万人の命を支えたという。命懸けの偉業を成し遂げた日本人の存在を知り感銘を受けた。
中村医師の好きだった言葉が最澄の一隅を照らすだ。「一隅を照らす人、何とかしようと行動する人こそ国の宝である」と言っている。中村医師はこの言葉を実践した人だ。”一隅”とは誰もが気づいていないほんの片隅のことだ。
本当は直視しないといけないのに目をそむけているものという意味があるようだ。子供の虐待やいじめ、大人のDVや性差別など自分と関わりがなくても、片隅では色々な問題が起こっている。その片隅で、賞賛を浴びなくとも、行動を尽くしている人は大勢いる。
1069年年より一隅を照らす運動が始まった。私の置かれている場所や立場で、ベストを尽くす。私が光れば、私の隣も光る。町や社会が光る。小さな光が集まって日本を世界をやがて地球を照らすというのが運動の主旨だ。
私は、何も大きな事を成し遂げなければならないとは思っていない。ただ、中村医師と同じようにはいかないと思うが、置かれた場所で自分のできることをやっていきたい。
コロナ禍や戦争で、なにか落ち着かない不安な毎日を過ごしている。今こそ、「一隅を照らす」を強く思い生きたい。