筋トレとスイムトレのバランス②
前回の①では、筋トレは「生活環境」「レースまでの期間」「身体的特徴」によって実施内容が大きく異なることをご紹介しました。今回はその中でも「個々の身体的特徴」について留意した筋トレの方法を私のケースを用いてご紹介します。
私の身体的特徴
・足首の可動性が大きく不安定(特に左は外反母趾)
・胸椎の可動性を腰椎がカバーするクセあり
・脊柱に軽度の側湾あり(右の背中が隆起)
・肩甲骨の可動性に対して肩関節の可動性がやや小さい
・身長に対して腕が長く手首の可動性が大きい
・身長に対して足のサイズが小さい174cmと25.5cm
関節の可動域が大きいことはスイムにとってパフォーマンスアップに寄与しますが、過度な場合は「不安定」というマイナス評価となります。実際に私は慢性的に足首に水が溜まりやすく走ることが苦手です。スイムでは低速・中速のキックトレーニングは得意ですが、水中ドルフィンキックを含めたスプリントは苦手です。関節の遊びが大きすぎるので、足裏をギュッと締めて関節をロックするように心がけています。中速で量が多い練習は強いけど、高速で1本だけが必要とされるレースでは弱いという選手は、これが当てはまるかもしれませんね。ジムトレーニングではカーフレイズで足裏やふくらはぎの筋肉を刺激。ランジスクワットで足首関節の中間位を意識するなどしています。
胸椎と腰椎の可動バランスの修正は、現在のジムトレーニングの上位優先項目です。シットアップ・バックエクステンション・ハンギングレッグレイズ・ベントオーバーロウで腰椎周辺の筋肉のコルセットを分厚くする(可動性がある程度損なわれてもOK)。そして、ミリターリプレス・プルオーバー・オーバーヘッドプレスで胸椎の可動性を向上。特にミリタリープレスは今の自分のカラダにハマっている感覚があります。
側弯症については一番気をつけています。右の仙腸関節を痛めやすいクセがあるので、下半身を鍛えたいときはバーベルでのスクワットではなくマシンでのレッグプレスを選択しています。
ジュニアの頃は可動性の大きさがパフォーマンスにプラスに寄与していても、発達とともに関節が安定していくと前と同じ動作ができなくなります。これをスプリントに利用して30歳を超えてからベストを出す人は多いです。中学生以来ベストタイムを更新できないという女子選手は多いですが、体組成や関節の構造が変化しているので、前と同じようには泳げないことを前提に、そのときに合った泳ぎを模索したほうが良いです。
・関節の可動性が大きく多くの水を捉えることで、体重が軽くパワーが少ないことをカバーし、トータルでプラスに働いている時期
・発達に伴い関節の可動域が小さくなっても、体重やパワーの向上によってトータルでプラスに働いている時期
・長い距離や後半型は前者、短い距離や前半型は後者が有利になりやすい
私の場合は胸椎の可動性を向上する以外は、関節の安定性を向上させることが課題です。これは水中よりも陸上でのトレーニングのほうが効率が良く、私にとってジムトレーニングはストレングスよりもコンディショニングの側面が大きいです。
次回の筋トレとスイムトレのバランス③(最終回)は「筋肉痛・疲労との付き合い方」です。なんでもとにかくたくさんやれば良いというわけではありません。真面目な人ほどやり過ぎ注意です。今回も最後まで読んでいただきありがとうございました。
四国・高知で水泳の個別指導なら
FLOW STYLE 藤澤ヨシノブ
レッスン随時受付中 多人数でのイベントレッスンもあり↓
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?