セルフ・メンタルコーチング(その8) 継続の秘訣:アクション・トリガー
取り組んでいることがある程度継続できても、「今日はちょっと面倒くさいな」とか、「腰を上げるのが億劫だな」と思うことがあります。やったほうがよいと思ってはいるものの、動き始めることができないということはよくあります。
これは、人間が理性と感情の生き物だということです。
行動につなげるエネルギーは、理性より感情の方が大きいのです。ですから、理性で「やらなければならない」と考えるより、「やりたい」という感情の方が、行動のきっかけになりやすいのです。
逆に、感情は行動を止めてしまう力も強いのです。頭ではわかっていても気持ちが動かないということは誰にでもあることです。「やらなければ」という理性と「やりたい」という感情が揃っていても、「面倒くさい」とか「今日くらいは休みたい」という感情の方が強くなると、行動は抑制されてしまいます。
これを補うのが「アクション・トリガー」です。
「アクション」は行動、「トリガー」は引き金ですから、「行動のためのきっかけ」という意味ですね。
つまり、継続したい行動を始めるためのきっかけを、他の行動や出来事と組み合わせて自動化してしまうという方法です。
たとえば、私の場合は英語の勉強を継続できていますが、取り組んでいるのは「移動中は英語を聴く」という手法です。家から出て駅に着くまでの歩行時間、電車の中、出張のための移動中などなど、スマホとBluetoothイヤホンでずっと英語を聴くようにしています。そうすると、毎日1〜2時間は必ず勉強できることになります。
ランニングについては、たとえば翌朝に走ろうと決めたときにはランニングウェアを枕元に置いて寝るとか、予めランニングウェアを着て寝るといったことをしています。そうすると、「起きる」という行動の後に「走る」を自動的に行えるようになります。
ついでに言えば、ランニング中も英語を聴いているので、二つの習慣を組み合わせて一体化させてしまっています。
他にも、このような例があります。
ポジティブ心理学で、「感謝」の大切さが言われています。
人や物ごとに感謝することは心にプラスの効果をもたらし、行動がポジティブになります。また、感謝は怒りや悲しみを鎮め、平和な心を維持することにも役立ちます。
なので、一日に何度も感謝することが大切なのですが、日常生活の中でついつい忘れてしまい、イライラや怒りに支配された生活を送ってしまうことになりがちです。
これを防止するため、たとえば以下のような方法が提唱されています。
感謝の日記
一日の終わりに、「今日の感謝」と題して日記を書いたりSNSに投稿したりする。
感謝スイッチ
ポケットに小さな石ころを入れておいて、その石に触ったら必ず何かに感謝する。ブレスレットをつけておいて、自分が触れたと気付いたら何かに感謝する。などなど。
これらは全て、「行動の自動化」に繋がります。
行動を自動化できれば、継続することが苦ではなくなります。
やがてそれは習慣として定着してしまうのです。
いかがでしたでしょうか?
次回は「ご褒美を用意する」について書いてみたいと思います。
どうぞお楽しみに!
株式会社F&Lアソシエイツ
代表取締役 大竹哲郎
https://www.fl-a.co.jp/
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