9月24日(日):紹介営業とサティスファクション②
このところは「紹介」に付随する話を続けていますが、本日も関連した内容をもう少しばかり。
私たちはスクール制の小型フィットネスクラブ運営を主たる事業にしていますが、お客様の継続と密接に関係する「CLV(Customer Lifetime Value:カスタマー・ライフタイム・バリュー)」に加えて「CRV(Customer Recommendation & Referral Value:カスタマー・リコメンデーション&リファラル・バリュー)」の観点での取り組みへとアップデートを進めています。
関連して先般には書籍「経営戦略としての紹介営業」で紹介を引き上げるために示唆している4つの「S」のことに触れました。
・セグメンテーション(Segmentation=分類)
・サティスファクション(Satisfaction=満足)
・セールス(Sales=営業)
・システム(System=仕組み)
そのうえで一昨日はセグメンテーションのこと、昨日にはサティスファクションのことを事例を挙げながら説明をしましたが、本日はこのサティスファクションに付随した補足です。
プロダクトとしてのモノであれば、昨日に触れたような機能的価値を満たしていくなかで満足度を引き上げていくことができますが、私たちフィットネスクラブのような人を介したサービス(コト)の場合は、どうしたって人の面を切り離すことができません。
施設や料金に一定の納得感があっても、サービスを提供する人に問題があって不満足要因になっていれば、これはクラブを推奨することも、紹介をしてもらうこともできないでしょう。
前述した書籍「経営戦略としての紹介営業」でも「紹介をしてもらえる人になる」という観点で「好感形成」と「心頼形成」に言及し、以下のように定義されています。
「好感形成」
お客様の警戒心が解かれ、双方向での自然な会話をすることができる状態。まずは良好な人間関係を築き、話を聞いてもらえる関係性をつくることが第一ステップになる。
「心頼形成」
プロフェッショナルとしてのポジションを確保して、心から信頼してもらえる状態。この人に相談したいと感じてもらい、本音で語ってくれる関係性をつくることがゴールになる。
これらの要素と営業成績、紹介実績の関係性も示されていますが、「心頼形成」ができている人は営業成績(新規顧客創造)も紹介実績も高くなる旨が記されています。
一方で「好感形成」のみの場合はストレートに紹介実績は伸びにくく、営業成績を伸ばして顧客数が増えていくなかで、結果的に紹介をしてくれる方が出てくるような展開になります。
この観点で自社を振り返ったときに各クラブのマネージャーはお世辞抜きに「心頼形成」に至っていると思います。
しかしながらそうでないトレーナー達はプロフェッショナルとしてのポジションが確保できているとは言い難く、なかには「好感形成」の途上にある若手トレーナーもいます。
望ましいのは「心頼形成」に至ることですが、当然ながら一足飛びにそこへ到達することはできないので、まずは「好感形成」をしていくのが先決であり、最低限のラインです。
私たちは人を介してサービスを提供する事業者だから、自身も商品の一環であることへの自覚は必須で、それをふまえて全員が「好感形成」まで至ることが当面のステップだと思っています。