からだあそびをしませんか?
ボディメイクという言葉が一般に流行りだして10年くらいでしょうか。(厳密にはもっと以前からあったのでしょうが)
どうもこの言葉と実際に違和感を感じてなりません。
直訳すれば「からだづくり」になります。
からだづくりと言えば決して体型だけを指す言葉ではなく昔から動ける身体、体力、目的をクリアするための身体にするような意味合いだったように思えます。
しかし世の中の動きはそうではないように思えます。
「足が細くなりたい」や「O脚を直したい」「痩せたい」「筋肉をつけたい」
など、体型のみを指し示す割合が多いとワタシ個人は感じています。
それが悪いわけではなく個人個人の考え方や生き方もあるので
からだづくりの目的は体型のみを指し示すことでも良いのですが
さて。前置きはここまでにしてもう一つちょっと難しいお話を。
ワタシのからだ作りの考え方のベースとして(室伏広治さん文献引用)
①anatomy(筋骨格系)
②functional(機能)
③movement(脳神経系)
の3つをベースに
「基礎動作(36動作)の質」と
「発達運動の考え方をベースとした基礎動作の質」
「タスクと多種多様の運動のバリエーション」
が運動がうまくなるための土台となってると考えています。
土台は幅広くいくつにも重なっていて、その高さと厚みがあるほどスポーツ動作がうまくなっていくと信じています。
つまりスポーツ動作能力は基礎動作能力の土台の上にあるわけです。(ちなみにその上には武術や格闘技が来ると思っています。)
分かりやすく言えばハイハイできないのにちゃんと歩けませんし、歩けないと走れないわけです。
走れないのであればスポーツはできませんし、ケンケンパができなければステップがうまくなれないですからダンスは上達しませんよね。
このように運動は下のレベルから成り立っていてクリアすれば上のレベルができるようになります。
たまに下のレベルができないのに上のレベルができてしまう方がいます。
基礎をごまかしているのにレベルの高いことをやってしまうとスポーツ中に大きな怪我をしてしまったり、怪我をして治ってはまた怪我を繰り返してなど繰り返す急性痛(慢性痛の1分類)になってしまうのです。
このように運動の成り立ちは細かく複雑で奥が深いものです。
私たちベテランの理学療法士でも簡単に見抜くことはできないので、長い年月付き合っていくことで後で解ったりすることも少なくありません。
ここまでお話した上でボディメイクの話に戻りますが、体型のみに特化してトレーニングをしてしまうといわゆるanatomy(筋骨格系)のみのトレーニングになってしまい、非常に偏った身体になります。
見た目は凄くいい身体なのに、ボールを取る能力は低くてドッジボールをしたら最初に当てられるのではちょっとカッコ悪くないでしょうか?笑
ワタシの体感と経験でエビデンスはありませんが身体の機能がこれだけ鍛える部分があるのであれば、逆に他の要素もしっかり鍛えて動けるからだを作っていこうとした方がスタイルも良くなっていってると思います。(ちなみに筋肉だけ付いたとしても機能が良くなっているとは限らないので急にスイスイ動けるようになったりはしません)
anatomyだけのアプローチって結構しんどいんですよね。
評価が鏡で見た自分の姿だけですから本来の運動、トレーニング…というか「からだを動かすこと」ってもっと純粋に楽しいはずなんですよ。
例えば子どもたちって公園に行けば「キャー!」って大きい声を出しながらとにかく走って、登って、転がって、捕まって、引っ張って、ぶら下がって、滑ってetc…って何も気にせず動き回りますよね。
あれは動くことが楽しいからだと思いますよ。
うちのスタジオBlueBirdは、からだを動かしてあそぶことってとっても楽しいということを伝えるお店です。
アスリートであろうと一般人であろうと、身体を隅々まで動かして鍛えることは楽しいはずなんです。
改めて、ボディメイクで「足が細くなりたい」や「O脚を直したい」「痩せたい」「筋肉をつけたい」という願いを持っていていいし、体型のみを気にしていてもいいけれども、
苦しい思いだけで運動を続けるのではなくて
やっぱりからだを動かして遊んでみるのは、おもしろいなって思いません?