カロリーって何?思い込み(間違い・勘違い)も失敗の要因
「脂肪を落とす=カロリー制限」と思っていませんか?
前回の記事に記載したように
「摂取カロリー < 消費カロリー」は、痩せる大原則ですが、
カロリーさえ制限すればOKと思っていませんか?
そもそも「カロリー」って何なのでしょうか?
**カロリーの正体
「カロリー」とは、生きてカラダを動かすためのエネルギーのこと。
エネルギーになるのは、
糖質、脂質、たんぱく質の3つの栄養素。
なかでもエネルギー源として使われやすいのが糖質です。
〈たんぱく質の役割〉
筋肉や臓器、皮膚、骨などの材料や、ホルモンや抗体などの成分となって
カラダの正常な機能を支えます。
糖質や脂質の摂取量が少ないときには、エネルギー源としても利用されます。
〈糖質の役割〉
消化・吸収されてカラダを動かすエネルギー源となります。
〈脂質の役割〉
糖質と並んで主要なエネルギー源となります。
そのほか、細胞膜を構成する成分となったり、ホルモンの原料となって様々な機能を発揮します。
カロリー摂取を控えても糖質オーバーになってしまうと
カラダに脂肪がたまってしまいます。
※ 「FUJIFILMサプリメント」のページが、とても大変参考になるのでご紹介します。
例えば下の2つのメニュー。
同じ600kcalでも、左のメニューは
一般的な女性の1食分の糖質目安量をオーバー(100g)しています。
一方、右のメニューは
糖質量を約半分(58g)に抑えながらも必要な栄養素はキープ。
食べる量も減らしていないので満足度も◎です。
カロリーだけに着目すると、実は糖質過多になっていたり、食事のバランスが偏りがちになったりします。
また、カロリーを制限する食事法は、
食べたいものを我慢しなければいけないことも多く、
続けにくいのが難点です。
**カロリーが高いと糖質も高め!?
糖質が多いのはどっちの料理でしょうか?
⇒ 答えはキャプション欄(写真下)に
※ 出典:FUJIFILMサプリメント
間違った認識(思い込み)もダイエット失敗の一因
上記の食品比較を見ても、自分のイメージとのギャップに驚きませんか?
例えば、
白米(茶碗1膳)150gに含まれる糖質量は約55g。
これは角砂糖(糖質5g)11個分に相当します。
一方、サーロインステーキ150gに含まれる糖質量は1gにも満たないのです。
実は、私たちの勝手な思い込みがとても多いので、
身の回りの食品の糖質量をいくつか列記してみました。
◆肉の糖質量
肉の糖質量はかなり低く、
・牛肉全般 100g :0~0.6g
・牛レバー 100g :3.7g
・豚肉全般 100g :0~0.3g
・豚レバー 100g: 2.5g
肉は低糖質である上、牛肉にはダイエットに必要な栄養素「タンパク質(筋肉を作る)、ビタミンB(代謝アップ)、L-カルニチン(脂肪燃焼効果)」が豊富です。
一時期「ステーキダイエット」が流行ったのも、このためです。
◆調味料・ドレッシングの糖質量
ノンオイルドレッシングは油が含まれていない分、塩分や糖分が多く含まれている(コクやまろやかさを補うため)デメリットがあります。
さっぱりしたイメージの和風ドレッシングも、糖質を多く含みます。
糖質が少なく、脂質、タンパク質が豊富なシーザーサラダドレッシング、フレンチドレッシングがおすすめです。
カロリーが高いからとこれまでダイエットの大敵とされてきた
「マヨネーズ」は、実は糖質量が少なく、
血糖の上昇を抑える脂質、タンパク質が豊富に含まれているため、
食後高血糖を起こしにくいダイエットには最適な調味料なのです。
実際に、ゴマドレッシング、マヨネーズ、青じそドレッシングをかけた
「べジタブルファースト」を行った実験によって、
マヨネーズが最も食後高血糖を抑えることが確認されています。
◆甘味料(砂糖・はちみつ)の糖質量
甘味料を同じ量(大さじ1杯)で比べると、
・砂糖 9g(大さじ1): 8.9g
・はちみつ 21g(大さじ1): 16.7g
・メープルシロップ 21g(大さじ1): 13.9g
・水あめ 21g(大さじ1): 17.9g
砂糖よりも液体の糖類のほうが糖質量は多くなっています。
◆乳製品の糖質量
・ヨーグルト全脂無糖 80g(小カップ1個):3.9g
・ヨーグルトドリンクタイプ 100g:12.2g
・普通牛乳 200g(コップ約1杯):9.6g
・低脂肪牛乳 200g(コップ約1杯):11.0g
※ 牛乳は低脂肪タイプの方が糖質が多くなります
・カマンベールチーズ 20g:0.2g
・クリームチーズ 20g:0.5g
・パルメザンチーズ 6g(大さじ1):0.1g
・プロセスチーズ 20g:0.3g
・鶏卵・全卵 50g(1個):0.2g
※ 卵・チーズは糖質が少ないため、糖質制限ダイエット中でも食べてよいおすすめの食材です。
◆魚・水産加工品の糖質量
・一般的生魚 100g(1切れ程度):0~0.5g
・焼き竹輪 30g(1本):4.1g
・さつま揚げ 80g(1枚):11.1g
※ 生の魚介類は糖質が少ないですが、加工食品は糖質量が多めです。
◆果物の糖質量
・日本なし 250g(1個):26.0g
・バナナ 100g(1本):21.4g
・ぶどう 75g(5粒):11.4g
・桃 170g(1個):15.1g
・りんご 250g(1個):35.3g
※ 果物は全般的に糖質量が多いため、食べすぎに注意です。
糖質制限と脂質制限どちらが効果的?
「脂質制限」ダイエットより「糖質制限」ダイエットが効果的です。
理由は、血糖値の上昇によるインスリンの分泌を抑えられるからです。
血糖値が上昇すると、体内ではインスリンが分泌されます。
このインスリンが体内のブドウ糖を脂肪に変えます。
対して、脂質は血糖値を上昇させる働きはなく、
多少摂り過ぎたとしても皮膚や髪の毛などの細胞を作ることに使われます。
つまり、
糖質は消費されないと確実に体脂肪になりますが、
脂質は別の使い道があるので必ずしも体脂肪になるわけではありません。
カロリーが高い脂質を制限するので、摂取カロリーは減りやすいですが、
糖質同様に過度に制限するのは良くありません。
適度に脂質を摂取しないと肌や髪の毛は乾燥し、ホルモンバランスの乱れを引き起こす可能性があります。
糖質制限と脂質制限の違い一覧
以下に、糖質制限と脂質制限の違いを簡単にまとめました。
糖質制限ダイエットが向いているのは次のような方です。
・運動する時間があまりない
・食べる量をあまり減らしたくない
・主食よりもおかずを沢山食べたい
脂質制限ダイエットが向いているのは次のような方です。
・「空腹感」に耐えられる
・炭水化物は欠かせない
・できるだけお金をかけたくない
「過ぎたるは及ばざるが如し」
糖質抜き、油抜き、〇〇だけ等、極端な食事制限は、逆効果になることが多いので注意が必要です。
⇒ 極端な我慢の「短期間痩せ」は高確率で「リバウンド」し、以前より太りやすい体質に…
⇒ 糖質も油も、体には必要なもの。摂取しないと、様々な悪影響(以下参照)が…
糖質制限ダイエットの注意点
糖質制限ダイエットとは、ご飯、パン、麵類など炭水化物を制限することです。
しかし、糖質の過剰摂取を恐れるあまり
糖質を不足させエネルギーが足りなくなると、
疲れやすくなったり仕事や勉強に集中できなくなったりする場合があります。
また、不足した糖質を補おうとして
体内のタンパク質が使われるため筋肉が落ち、
基礎代謝が悪くなる(痩せにくい体になる)リスクも生じます。
1日に摂るべき糖質量は250g~300gなので、
半分の130g以下を目安にしましょう。
糖質があまりにも少ないと以下のような悪影響がありますので、
最低でも70g以上は摂取するのがおすすめです。
※ 次回は、「太りにくい食習慣」について解説します。