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聴き合う教室づくりのために③
聴き合えるペア・グループにする
教室では、特定の誰かの話は聴くけれどそれ以外の友だちの話は聴かない子ども、自分の言いたいことは一方的に主張するけれど周りの友だちの話は聴かない子ども、相手の友だちがわかっていないにもかかわらず自分のペースで説明することに終始してしまう子どもなど様々な聴き方をする子どもの様子に出会う。
学び合いは、”双方向”の活動である。受け取る相手があって初めて成立する活動である。だから、上のような聴き方をしていたのでは学び“合い”にはならない。
私が、学び合いをはじめとした授業づくりの手本としてきた石井順治先生(「東海国語教育を学ぶ会」顧問)は、次のように語っておられる。
「先生の話を聞ける子どもにする」という意味ではない。ペアやグループで聴き合える子どもにする」(ということが大切)
その上で石井先生は、ペアやグループで聴き合える子どもを育てるために、いくつかの大事なことがあると指摘されているので次に紹介する。
聴き合えるペア・グループにするために
~その1~すべての人の話を聴くことが基本~
子どもが互いに学び合う場であっても、全員で一人の子どもの発表を聴く場面であっても、“どの子の話もしっかり聴く”ということができるように、日常の授業の中で子どもたちを意識して育てていくということである。
特に、教室の中の誰が話しても“すべての”子どもが聴くということができるようにしていかなければならない。
例えば、特定のオーラがある子どもの話は聴くけれど、その子以外の子どもが話している時はざわざわしているというような状況にしてはいけないということである。
誰の話であっても「何を言っているのだろう」「どうしてそういうことを言っているのだろう」「(今までの)誰の話とつながっているのだろう」という聴き方で”分け隔てなく””フラットな状態で“聴こうとする子ども、公正・公平な姿勢で聴く子どもを育てていくということだと考える。
そうしなければ、互いの考えを聴き、互いの考えのよさから学び、自分の考えとのつながりを考え、自分なりによりよい方向性を見出していこうとする探究的な学びは成立しないと思うからである。
【追記】
2024年はNOTEの執筆者、読者の皆様に大変お世話になりました。
2025年も「聴き合い・学び合い」のすばらしさを伝えて参ります。
どうぞよろしくお願いいたします。
よいお年をお迎えください。