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みんなのフツウが僕には難しくてできなくて


2024年11月17日(日)朝の6:00になりました。

我ながら、毎朝よく書いてんなと思います。

どうも、高倉大希です。




松葉杖をついている人が、うらやましい。

とても不謹慎な話ですが、こう思ったことがありました。


その人が抱える苦しみが、目に見えてわかるからです。

正確に言えば、苦しみは当人だけのものなので本当の意味ではわかりません。


ただ見た目に違いがあれば、自ずとまわりの人たちが想像してくれようとします。

苦しみを想像してもらえるというだけでも、幸せなことだよなと思うのです。


【わたしとあなたの間にある壁の名前】、それが私の考える発達障害です。ただ、この「双方モデル」は、この大人の成熟した当事者のみに言える話でしょう。子どもに「あなたはどんな特性か自己認知して、自分に合う環境を選びなさい」というのは無茶が過ぎるというものです。

横道誠、青山誠(2024)「ニューロマイノリティ 発達障害の子どもたちを内側から理解する」北大路書房


中学の国語の教科書に、『空中ブランコ乗りのキキ』という物語が載っています。

主人公のキキが、前代未聞の四回宙返りに挑戦するというお話です。


「四回宙返りなんて無理さ。人間にできることじゃないよ」

「人気なんて落ちたって死にやしない。ブランコから落ちたら死ぬんだよ」


まわりの人たちが止めようとするのに対して、キキはこう答えます。

「お客さんに拍手してもらえないくらいなら、私は死んだほうがいい」


人々のどよめきが、潮鳴りのように町中を揺るがして、その古い港町を久しぶりに活気づけました。人々はみんな思わず涙を流しながら、辺りにいる人々と、肩をたたき合いました。でもそのとき、誰も気づかなかったのですが、キキはもうどこにもいなかったのです。

別役実(2014)『空中ブランコ乗りのキキ』復刊ドットコム


同じものを見ているはずなのに、見えているものは違くて。

同じ場所にいるはずなのに、聞こえている音も違くて。


なにもかも、ぜんぶ違くて。

もしかしたら、ひとつだって同じじゃなくて。


以下の動画で流れる、GOMESSというラッパーのリリックです。

頻繁には観れませんが、定期的に視聴する動画のひとつになっています。



見た目ではわかりづらい分、甘えとして処理されてしまったり。

自意識が先行して、悲劇のヒロインを気取っているように見えてしまったり。


個々が抱える苦しみの表現というものは、難しいよなと思うばかりです。

そういう意味でも、彼のラップが刺さります。


僕とあなたの間にある、その障害は。

僕だけのものじゃない、と思うんだよ。






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高倉大希
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