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その人といるときの自分を好きでいられるか


2024年10月26日(土)朝の6:00になりました。

あっさり解決、シャワーは温かいに尽きます。

どうも、高倉大希です。




その人が嫌いなのではなく、その人といるときの自分が嫌い。

その人が好きなのではなく、その人といるときの自分が好き。


“ 愛とは、「その人といるときの自分の分人が好き」という状態のことである。”

小説家、平野啓一郎さんの言葉です。


この言葉をはじめて知ったとき、なんだかとても腑に落ちました。

思い当たる節が、そこかしこにあったからです。


愛とは、「その人といるときの自分の分人が好き」という状態のことである。つまり、前章の最後に述べた、他者を経由した自己肯定の状態である。(中略)愛とは、相手の存在が、あなた自身を愛させてくれることだ。そして同時に、あなたの存在によって、相手が自らを愛せるようになることだ。

平野啓一郎(2012)「私とは何か」講談社


“「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。”

全国子ども相談室に寄せられた質問に対する、永六輔さんの回答です。


質問の内容は、「好きな人に告白する言葉を教えて」というものでした。

回答を見てなんてことを言うんだと思いましたが、いまならすこしわかります。


自分と一緒にいるときのその人が、その人自身のことを好きでいられますように。

相手を想うというのは、きっとこういうことなのだろうと思います。


「きれいだな、おいしいな、うれしいな」ということが同時に感じあえる環境が一番大事。だから、「好きです、嫌いです」という言葉ではなく、いい言葉を使っている子は好きになれる。「あの人ならこの言葉は好きだろうな」と思った言葉を何気なく使っているときの方がドキンとします。「あなたが好きです」というのは最悪な言葉です。

永六輔「全国子ども相談室」TBS


その人といるときの、自分を好きでいられるか。

たとえ相手がおなじ人だったとしても、時と共に変化が生じることもあります。


当初は自分のことを好きでいられたけれど、最近の自分は好きになれない。

わりと、よくある話です。


相手も変わる、自分も変わる。

それぞれが自分を好きでいるためには、相応の努力が必要です。


あなたが撮る写真は、あなたが生きている間に見つめたもの、愛したもの、大切に思ったものだ、ということを再認識してください。言葉がすべて過去形になってしまうのは、シャッターを押した瞬間に写真はすべて過去の記録になるからです。その「時間の化石」をあとから見ることで、愛したものへの気持ちが甦ります。

ワタナベアニ(2024)「カメラは、撮る人を写しているんだ。」ダイヤモンド社


どこまでいっても、他者は他者です。

完全にわかり合えることもなければ、思い通りに操れるなんてこともありません。


認識することができるのは、自分自身の感情のみです。

その人といるときの自分を、好きでいることができました。


だから、どうか。

自分と一緒にいるときのその人が、その人自身のことを好きでいられますように。






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高倉大希
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