見出し画像

前を向くしかなかったんだ


2024年9月17日(火)朝の6:00になりました。

歩くの大好き、どんどん行こう。

どうも、高倉大希です。




キャラ芸人に、なるしかなかったんだ。

2019年M-1グランプリの、ぺこぱの漫才の台詞です。


このひと言に、ぐっと掴まれた記憶があります。

表からは見えないこれまでの試行錯誤が、垣間見えた瞬間でした。


隠すことが美徳なんだという考えも、わからなくはありません。

ただ、このひと言で漫才に厚みが生まれたことは、紛れもない事実でした。


読者は「なにが語られているのか」の向こうに、「この人は、どんな人なのか?」を読んでいる。(中略)「この人はおもしろい」や「この人の言うことは信用できる」があってこそ、個別具体の話も耳に届くのだ。

古賀史健(2021)「取材・執筆・推敲 書く人の教科書」ダイヤモンド社


自分が歳をとればとるほど、大人のすごさを思い知ります。

この歳まで生きている時点で、かなりすごいことだと思うからです。


きっと目に見えるその人の姿は、これまでに見出してきた生き方そのものです。

よくもわるくも、生きていくと決めたからにはそうなるしかなかったのです。


意識的かどうかは、またべつの話です。

生きのびるための工夫を積み重ねてきた結果が、いまのその人の姿です。


人間の感情というものは面白いものである。喜び、悲しみ、怒り、などの感情が生じてきて、人間はそれを抑えてみたり、外に表したりする。そして、そのような感情が生じてくるのは、それ相応のことが生じており、だいたいにおいて、それがどうして生じてきたのか説明できるものである。

河合隼雄(1998)「こころの処方箋」新潮社


だから、そこに存在している時点でリスペクトを送ります。

生きて会えているという事実に、十分な価値があるからです。


好きか嫌いか、合うか合わないかは、そのあとの話です。

嫌いで合わないというのなら、そっと離れればよいだけです。


きっとそんな人にだって、そうならざるをえない何かがあった。

たとえ理解できなかったとしても、そこには敬意を表します。


診療においては、「防御」の周波数合わせを行う患者は、すごくこちらの言っていることが伝わっているなぁみたいな、打てば響くような反応を感じることが多い。

尾久守侑(2022)「偽物論」金原出版


前向きな性格で、生まれたわけではありません。

前を向くしか、なかったのです。


生きていくと、決めたからには。

前を向くしか、なかったのです。


人と話すたびに、思います。

本当に、みんなよくやってるよ。






サポートしたあなたには幸せが訪れます。