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趣味も価値観も合わないさ


2024年10月22日(火)朝の6:00になりました。

こんな季節に、シャワーからお湯が出なくなりました。

どうも、高倉大希です。




さてはこの人、言うほど好きじゃないな?

さてはこの人、好きだと思っているポイントが全然違うな?


本当に好きなものの話ほど、まったくもって合いません。

好きなものほどこだわりが強くなるので、絶妙に噛み合わないのです。


誰かと話が合う「好き」は、きっと「なんとなく好き」なのだろうなと思います。

良くも悪くもぼんやりとしているからこそ、共感することができるわけです。


言葉と数を生み出すのに必要なのが、「複数のものをまとめて、一つのものとして扱う」という「抽象化」です。言い換えれば、抽象化を利用して人間が編み出したものの代表例が「数」と「言葉」です。

細谷巧(2014)「具体と抽象 世界がわかって見える知性の仕組み」dZERO


別の時間を過ごしてきた限り、ぴったりと趣味が合うなんてことはありません。

別の時間を過ごしてきた限り、ぴったりと価値観が合うなんてことはありません。


仮にまったく同じ時間を過ごしてきたとしても、きっと合うことはありません。

どこまでいっても、対象を見ているその目はそれぞれのものなのです。


近しい趣味も、近しい価値観も、きっかけとしては優秀です。

きっかけとしては優秀ですが、あくまでも出発点はわかり合えないことからです。


わかりあえないというところから歩きだそう。湿潤で美しい島国で育った私たちには、それを受け入れることはつらく寂しいことかもしれない。「柿くへば」を説明することは、とても虚しいことかもしれない。しかし、おそらく、そこから出発する以外に、私たちの進む道はない。

平田オリザ(2012)「わかりあえないことから」講談社


だから、趣味や価値観が合うことはそれほど重要ではありません。

どちらかというと、違うという前提に立ち、お互いに歩み寄れるかが大事です。


同じであることを前提に置いた瞬間から、摩擦が生まれます。

同じだと思っていたのに違うじゃん、とがっかりしなければならなくなります。


趣味も価値観も、合わないさ。

はじまりは、それでよいのです。


言語というのは、共通認識があることを前提としてコミュニケーションをするのですが、実は、そのコモングラウンドが成り立たないことはけっこうたくさんあります。お互いに経験がすごく違いすぎていたり、相手の経験を考えず、自分の頭にあることは相手もわかるはずみたいな思い込みがあったり……。

為末大、今井むつみ(2023)「言葉、身体、学び」扶桑社


むしろ、違うからこそ出会いに価値が生まれます。

ひとりでは考えもしなかった解に、たどり着くことができるわけです。


せっかくの、ふたり分の時間です。

違うものを違う視点で見てきた方が、集まったときの価値は大きくなります。


どうにも趣味や価値観が合うことが、重要視されすぎているような気がします。

趣味も価値観も、合ったことなどありません。






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