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言わせてあげる優しさ
2024年5月31日(金)朝の6:00になりました。
優しさのない人とは、相手ができないことを求める人です。
どうも、高倉大希です。
完璧な説明をして、聞き手の疑問点をゼロにする。
これが理想だと、思い込んでいる人がたくさんいます。
もちろん、時と場合にはよります。
ただ多くの場合において、疑問が生まれること自体は悪いことではありません。
むしろ、話し手が意図的に疑問の余地を残すことだってひとつの手段です。
ちゃんと質問してくれるだろうと、聞き手を信じて待つのです。
登壇者のなかに、事前に用意してきた話題しか話さない人がいるのです。ぼくが司会として合いの手を挟んだり、観客から質問をもらったりしても、自分が想定した質問でないとごまかしたり答えなかったりする。それではわざわざ来てもらった意味がないのですが、すごく「見えない攻撃」を恐れている。
聞き手は質問することを通して、その場に自ら参加します。
話し手とタッグを組んで、理解度を高めるわけです。
そりゃあ、話を一方的に聞くだけのときとはわけが違います。
質問したときの方が、自分ごととして捉えられるに決まっています。
話を聞いている途中で、疑問を抱いた場合も同様です。
「後でこれを質問しよう」と思っていた方が、集中して話を聞くことができます。
僕、この手の討論系の授業をすごくたくさんやっているので、得意なんですね。なので、テクニックがあります。どんなにヘボい質問が出ても、何事もなかったかのようにその質問を善意に解釈して、「グッド・クエスチョンですね」みたいな感じにして答える。
補足なんかも、よく似ているかもしれません。
担当者に任せたはいいものの、その隣にはうずうずしている人がいたりします。
話し手はついつい、補足させないように全部を話そうとしがちです。
補足したがっている人がいるのなら、補足させてあげればよいのです。
ひとりが全部を話そうとするせいで、むしろわかりづらくなってしまう。
こんなことも、わりとよくある話です。
正しいが満足できない説明。間違っていないが納得できない理由。割り切ることができないのが人間です。僕らの心はそこまで合理的にできていない。僕らの脳が、AIと同じくらい計算論的にきちんと構築されたものであるならば、適切なシステムにやって僕らは救われるのかもしれません。ですが、僕らの脳は進化の産物に過ぎないのです。
自分ひとりで全部をやり切る必要なんて、これっぽっちもありません。
他者の力を借りた方がうまくいくことなんて、この世にいくらでもあるはずです。
自分が困っていてどうしようもないから、力を借りるのではありません。
ひとり分の役割を担った上で、のこりは他者の力を借りるのです。
何も言わせないことが、ゴールではありません。
言わせてあげることも、ひとつの優しさです。
毎朝6時に更新します。読みましょう。 https://t.co/rAu7K1rUO8
— 高倉大希|インク (@firesign_ink) January 1, 2023
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