「なんでも聞いてね」は、相手がミスをしたときの保険
2023年9月1日(金)朝の6:00になりました。
そんなこともあるさと笑える、ぼくもきっと。
どうも、高倉大希です。
数年前までは、小学校で学級担任を務めていました。
職員室にいると、よく「アンテナを高く張りましょう」という言葉を耳にします。
職員会の最後に校長から言われたり、学年打ち合わせで主任から言われたり。
「子どもたちの機微を細かく観察しましょう」という意味であることはわかるのですが、一体なにをどうすればアンテナを高く張っていることになるのでしょうか。
ひとりの子どもとのコミュニケーションを1回から2回に増やせば、アンテナを高く張っていることになるのでしょうか。
はたまた、休み時間も運動場に出て子どもたちのようすを観察すれば、アンテナを高く張っていることになるのでしょうか。
子どもとのコミュニケーションの回数を増やすこと。
子どもを観察する時間をこれまで以上に長くすること。
きっと、この両方が「アンテナを高く張る」に含まれます。
ところが、校長は「ひとりの子どもとのコミュニケーションを1回から2回に増やしましょう」とは言いません。
主任も「休み時間も運動場に出て子どもたちを観察しましょう」とは言いません。
口をそろえて「アンテナを高く張りましょう」と言うのです。
「アンテナを高く張りましょう」と言っておけば、注意喚起をしたという事実をつくることができます。
仮によからぬことが起こったとしても、「あのときにちゃんとアンテナを高く張りましょうと言ったでしょ」というポジションをとることができるわけです。
「わからないことがあったら、なんでも聞いてね」という言葉もおなじです。
相手がミスをしたときに、「なんでも聞いてねと言ったのに」というポジションをとることができるのです。
なにかを言っているようで、なにも言っていない。
油断すると簡単に、このような便利な言葉が肥大化します。
サポートしたあなたには幸せが訪れます。