見出し画像

矛盾のないところに進化なんかないんだよ


2024年12月23日(月)朝の6:00になりました。

M-1グランプリ2024、いやはや圧巻でした。

どうも、高倉大希です。




細部には、徹底的にこだわります。

しかしその裏では、いかに楽をするかを考えます。


クオリティを上げるために、高い目標を掲げます。

しかしその裏では、最悪このくらいになるだろうという想定もしておきます。


矛盾しているように見えますが、これらは同時に成立します。

0か100かのいずれかで、語れるものではありません。


三澤くんを呼び出しては、数字に関する話を教えてもらっているのだが、その度に思い知らされることがある。それは「ロジックを重ねていくと、時に直感を超えた不思議に出会う」ということだ。たとえば、自然数を無限に足していくと答えがマイナスになるというのはまさにその象徴だろう。

石川善樹(2019)「問い続ける力」筑摩書房


科学者は、あたまが良くなくてはいけない。

それと同時に、あたまが悪くなくてはいけない。


寺田寅彦先生の『科学者とあたま』に、書かれている内容です。

すべてを論理立てて考ようとすると、多くのものを見逃してしまうと言うのです。


矛盾しているように見えるのは、1本の線の上でものごとを捉えているからです。

立ち位置を変えて見てみれば、意外と同時に成立します。


科学ばかりが学のように思い誤り思いあがるのは、その人が科学者であるには妨げないとしても、認識の人であるためには少なからざる障害となるであろう。これもわかりきったことのようであってしばしば忘られがちなことであり、そうして忘れてならないことの一つであろうと思われる。

寺田寅彦(1948)『寺田寅彦随筆集 第四巻』岩波書店


辻褄が合うものをみつけたら、そこに留まりたくなるのが人の性というものです。

ところがそのまま暮らしていると、世界はだんだん狭くなります。


このままじゃ、このままだと思った。

ほぼ日の、糸井重里さんの言葉です。


べつにきっとこのままでも、生きていくことは可能です。

でも、狭くなっていく世界に気づけないのは怖ろしいなと思うのです。


子どもは「一緒にいたい。このままがいい」って泣くわけですから。脚本家はすごくピュアなセリフだと思って書いているかもしれないけれど、保守的で、変化をおそれているから泣いて駄々をこねるんです。(中略)身体もちいさいし、弱い立場にいる。生存戦略として、保守的にならざるをえないのが子どもなんですよ。

糸井重里、古賀史健(2018)「古賀史健がまとめた糸井重里のこと」ほぼ日


だから、わかったことやできるようになったことには注意しなければなりません。

自動的に、わかったことやできるようになったことに頼りたくなるからです。


わかったことは、もういい。

できるようになったことは、もういい。


自ら矛盾の世界へと、踏み入れなければなりません。

矛盾のないところに、進化なんかないんだよ。






いいなと思ったら応援しよう!

高倉大希
サポートしたあなたには幸せが訪れます。