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フィレンツェからオルヴィエートへ日帰り旅行

オルヴィエートは、フィレンツェから南へ165キロほどのところにある街。大きく美しいドゥオモがあることで知られています。白ワイン「オルヴィエート」の産地としても有名です。

秋が深まり、トリュフがおいしい季節になりました。そこで、美しいドゥオモと白ワインとトリュフを求めて、フィレンツェからオルヴィエートに日帰りで行ってきました。


オルヴィエートへ

フィレンツェからオルヴィエートは電車で約2時間半。ローカル線なので時間がかかりますが、座って景色を眺めながらゆっくりと電車の旅も悪くありません。

電車から見えるブドウ畑。紅葉はすでに終わっていました

オルヴィエートは、世界一美しい「丘の上にある街」ともいわれています。

オルヴィエートの駅に着くと、ケーブルカーに乗り、その「丘」にのぼっていきます。

緑の中を走るケーブルカー。いっきに上にのぼっていきます

ケーブルカーを降りると、空の上から見下ろすような絶景。

紀元前9世紀ごろにエトルリア人によって丘の上に築かれたオルヴィエート。丘の上からの景色を見ると、そんな歴史を感じざるをえません。

オルヴィエートの街を散策

オルヴィエートの街は、端から端まで歩いても1.8キロくらいなので、徒歩で散策できます。ケーブルカーを降りたらさっそく歩いて散策開始。めざすのはドゥオモ。

歩くのが苦手な人は、ドゥオモ広場までのバスを利用すると便利です。

ドゥオモまでの街並み

雰囲気のある街並みを写真におさめながら、ぶらぶらするのも小さな街の散策の楽しみ。

道の両側に並ぶショップを見ながら「ここのお店かわいい」とのぞいてみたり、「ここのお店あとで寄ってみよう」と吟味したり。

そうこうしているうちに、あっという間にドゥオモに着きました。

小さな街のサイズに見合わないような大きななドゥオモ。華やかで本当に美しい!

調べてみたら、オルヴィエートのドゥオモの高さは53メートル。ピサの斜塔が57メートルですから、ピサの斜塔くらいの高さがあるということになります。

色鮮やかで輝くようなドゥオモ。外観だけでもしばらく見入ってしまいます。

外観だけでなく、内部も荘厳。広々とした聖堂内にはたっぷり自然光が入ってきて、心が洗われる神聖な空気が流れています。

広々とした聖堂内

特に、右奥にあるサン・ブリツィオ礼拝堂のルカ・シニョレッリによるフレスコ画は絢爛で、ずっと見ていたい美しさ。

サン・ブリツィオ礼拝堂

トリュフのパスタとオルヴィエートのワイン

今回の目的のひとつであるトリュフ。オルヴィエートのあるウンブリア州では黒トリュフが有名です。
トリュフを楽しむにはやっぱりパスタ。ウンブリア州では、ウンブリケッリという手打ちうどんのようなパスタが名物。

というわけで、ランチに黒トリュフのウンブリケッリを注文。黒トリュフをその場で削ってくれました。

その場で削ってくれるとテンションがあがります

白トリュフではなく黒トリュフだということ、スライスではなく削ってあるということもあったのか、トリュフの香りが部屋中に広がるという感じではありませんでしたが、とろっとしたソースともちもちしたパスタと融合した森の味を楽しむことができました。

名産の白ワイン「オルヴィエート」は、DOC(統制原産地呼称)で、オルヴィエート周辺で造られます。トレッビアーノ・トスカーノやグレケットが主要な品種です。

お味はというと、グレープフルーツのような香りで、いきいきとした酸が感じられるさわやかな味わいでした。

ワインがさわやかすぎてトリュフに合わないかなと少し不安だったのですが、いい意味で田舎風のとろりとした食感のパスタに合いました。

オルヴィエートのお土産

オリーブの木のグッズ

オルヴィエートのあるウンブリア州は「イタリアの緑の中心」と呼ばれる自然あふれる地。オリーブの栽培が盛んで、使われなくなったオリーブの木を使って作る小物がポピュラーです。

オリーブの木は丈夫で、耐水性に優れているため、キッチン用品によく使われます。カッティングボードやヘラ、器など、お土産にも最適です。

オリーブの木のキッチングッズは、ひとつひとつ木目が異なるので、温かみがあります。

ヘラがほしかったので、お店で
「どのように選んだらいいのですか?木の部分によって違いはあるのですか?」
と聞いたら、
「好みは人それぞれなので、模様の好みで選べば大丈夫です」
とのことでした。
「ヘラはトマトソースを混ぜても赤く染まることはありません」
とお店の人は付け加えました。

オリーブの木は、白っぽいものから濃い茶色のものまで、木目も少ないものから複雑なものまでさまざま。
濃い茶色のものは中心に近い赤身で、白っぽいものは外側の白太です。まな板のような大きなものだと、密度の高い赤身は重たく重厚感がありますが、ヘラのような小さなものだとそこまで違いはなさそうです。

色が濃く模様が複雑なものを選びました。
なんと菜箸もあったので、購入。(中華料理や和食も普及してきてイタリア人も箸を使うようになりましたが、これは食べるときに使う箸としては長くて太いし、イタリア人が調理するときに菜箸を使うとは思えないので、アジア人向けでしょうか??)

チーズ

イタリアでは、どこに行ってもご当地チーズがあり、チーズも旅の楽しみのひとつ。

ウンブリア州では「カチョトーネ・ディ・ノルチャ(カーチョはチーズのことでカチョトーネは大きなチーズの意、ノルチャは地名)」がIGP(地理表示保護)で、牛乳と羊乳を混ぜたチーズです。

街を歩いていると、チーズや食材のお店がたくさんあります。

少し熟成したカチョトーネ・ディ・ノルチャと、熟成が若い牛乳製のウンブリアチーズを購入しました。

左がカチョトーネ・ディ・ノルチャ、右が熟成が若いチーズ

カチョトーネ・ディ・ノルチャは弾力があり、発酵バターのような香りでうま味がありました。

熟成が若いウンブリアチーズは、ヨーグルトのようなフレッシュな香りで、おだやかな味わい。

超有名チーズはその土地に行かなくても購入することができますが、あまり有名でないチーズや生産が少ないチーズは地元に行かないと手に入らないので、最高のお土産だと思います。食べながら旅を思い返すことも楽しいですし、なんといってもおいしい。

真空パックにしてくれるので、日本へのお土産にもおすすめです。

ワイン

白ワインのオルヴィエートDOCは、オルヴィエートに行ったらぜひ買いたいお土産。

重いのでたくさんは持って帰ることができないですが、1本はやっぱり買いたい。

高級ワインではないので、リーズナブルなのもうれしい。

フィレンツェでは、大きなお店にいっても、オルヴィエートDOCは1種類程度しかありませんが、オルヴィエートでは何種類もありました。

どれにしようか迷っていると、店員さんが「これは軽やか、これはミネラル感があって、これはフルーティー」と教えてくれました。

白ワインのオルヴィエートDOCには、「オルヴィエート」と「オルヴィエート・クラシコ」があり、それぞれ「スペリオーレ」のカテゴリーがあります。いずれもエチケットに記載されています。

「オルヴィエート」が一番安く、「オルヴィエート・クラシコ・スペリオーレ」になると少し値段が上がりますが、それでも15ユーロくらいです。

デイリーにカジュアルな料理と合わせて楽しむことができます。パスタや鶏肉料理、キノコ料理、魚介料理、ハムやサラミ、フレッシュなチーズなど、合う料理は幅広くフードフレンドリーなワインです。

ワインは食事の間ずっとテーブルに置いてあるものなので、ワインを飲みながら、さらにボトルを見ながら、食事の最初から最後まで旅の思い出に浸ることができます。

まとめ

フィレンツェから日帰りで行くことができるオルヴィエート。

美しいドゥオモと街並み、そしておいしいものもある魅力的な街です。

時間のあるかたはぜひ行ってみてください。


同行サービスもおこなっていますので、同行をご希望のかたはサイトをご覧ください。


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