幸せな国は必ず作れる from Chiba & Sue

■Chiba(ちば):バンクミケルセン記念財団 理事長/NPO法人日本・デンマーク生活研究所 理事長■Sue(すー) :北欧教育プログラム研究開発・オルタナティブスクール「Finolykke(フィーノリッケ)」研究校 代表

幸せな国は必ず作れる from Chiba & Sue

■Chiba(ちば):バンクミケルセン記念財団 理事長/NPO法人日本・デンマーク生活研究所 理事長■Sue(すー) :北欧教育プログラム研究開発・オルタナティブスクール「Finolykke(フィーノリッケ)」研究校 代表

最近の記事

ジレンマは、ジレンマのままで。

2021年、夏。 今年の夏も、また異常な日々が続いていましたが、 皆さんいかがお過ごしでしたか? 今夏、ChibaとSueは、 コラムを書くたびに、 強い思いと変わらない現実のギャップに ジレンマを感じてきて、 デンマークと日本で毎週数時間、 ZOOMミーティングを開いては、 「なぜなぜ分析」を対話してきました。 伝えることと、伝わることの違い。 思うことと、行動することの違い。 共感することと、協同することの違い。 どこに問題があるのだろうと。 そこで、この1年

    • じぶんらしく夢をえがく

      Where there is a will, there is a way. 精神一到 何ごと か 成らざらん あなたは何のために今、頑張っているの?新規感染者数が記録的な伸びを見せている東京。 その東京で行われたオリンピックは、何年もの努力の成果を問う、アスリートたちには大切な場だったのだと思いますが、歴史上、他に類を見ない形での開催になりましたね。 一方、一般の社会では感染しないよう観戦を我慢しつつ、今年の夏も過ごしている中で「危機感の共有」がなされていない、とメディ

      • こどもに将来を託せる大人になるために。

        若木の下で笠(かさ)を脱げ  若い木は将来どんなにりっぱな大木になるやも知れないから、笠を脱いで敬意を表すべきだとの意。若者には将来があり、どんなに出世するかわからないのだから、ばかにしたりしないで敬うのがよいとのたとえ。 未知のものと共生するために、変化をし続ける人間 東京オリンピックが異例ずくめで始まって数日。 すでにその異常さに慣れてきているのも、私たち人間のすごいところです。 その中でも、連日記録・記憶に挑戦する人々を見て、 やはり勇気をもらいますよね。 今大会

        • 「失敗してもいい」という覚悟を持とう。

          仏造って魂入れず  仏像をせっかくつくっても、肝心な魂を入れないとの意。ほとんど完成しながら、もっともたいせつなことが抜け落ちていることのたとえ。 「あなたにとって、子育てのゴールはなんですか?」 いま、日本で子供を持つ家庭はすでに 「マイノリティー(少数派)」になりつつあります。 一人っ子が増えて、 LINEで周りの様子を探りながら、 我が子にとって、何が最善か、 を考えるプロジェクトに変化しています。 子どもひとり、ひとりに 大人の目があちこちから届くようになった

          「私は大丈夫だ」を手にいれよう。

          私たちはどんな心の育て方をしてきたの?あっという間に日が過ぎて、今年も残すところあと5ヶ月です。 今年の夏はどんなふうにお過ごしの予定ですか? さて、今日は、小さな頃の環境について一緒に話してみたいと思います。 大人の方は、ちょっと思い出してみてください。 日本で育った多くの人は、義務教育にプラスして高等教育までを入れると、6年・3年・3年という学びをしてきています。 思い出しても、いろいろとがんばりましたよね。本当に。 そして、この12年間を終え、人によってはさら

          「私は大丈夫だ」を手にいれよう。

          三つ子の魂百までをデンマーク教育で考える

          三つ子の魂百まで 幼い頃に表れている気質や特徴は、歳をとっても変わらない」ということ Chiba:日本ではこのことわざが、子育てを始めた家庭、 特に母親に向けて年長者が伝えることで、耳にしたことがあるのでは、と思います。 Sue:同じように海外でも、同様のことわざがありますよね。 The leopard cannot change his spots(ヒョウは斑点を変えることはできない)とか。 Chiba:Sue、あなたの性格や、物事の考え方はいつ頃培われた、 と思いま

          三つ子の魂百までをデンマーク教育で考える

          蒔(ま)かぬ種は生えぬ。

          蒔(ま)かぬ種は生えぬ。 種を蒔きもしないで芽の出ることを期待しても無理だとの意。 要因のないところに結果のないことや、なにもしないでよい報いを期待してもだめだとのたとえ。 いま、何か不安なことはありますか? それはやはり日々の生活に少なからず支障をきたしているからなのではありませんか? ましてや、「明日のご飯はどうしよう?」 という内容ならば、 生活の質や、人間関係の質などは、 二の次でしょう。 生活に不安がない、と言うことは、 未来の漠然とした不安がほぼない、 と

          おいつけ おいこせ デンマーク

          日本国からの出国を証する。 出国年月日APR。14.1967 出国港 YOKOHAMA 旅立ちの記録Sue:若かりし頃のChibaさんの世界への旅立ちの記録ですね。 Chiba:いろいろなところで、この記録をご紹介しました。 世界のどこかに住みよい国、幸せな国を探索し、 リュックサックを背負い片道切符でデンマークを目指した私でした。 あれから随分と時間が進んだようです。 過去50数年間で、 私はデンマークで学んだこと、 知り得た情報、様々な経験等を 全て日本の同胞に伝

          おいつけ おいこせ デンマーク

          「反抗期ではなく発展期である」というデンマークの教育を知る。

          魔の2歳、第1反抗期は親子の戦い? Sue:日本には「魔の2歳」とか「第1反抗期」なんて言葉があります。 この時に、「いうことを聞きなさい。」「がまんしなさい」という言葉で子育てをするということがなんとなく、当たり前?な感じで どんどん引き継いでいっている、今の世代がありますよね。 Chiba:そう、日本ではイヤイヤ期の対応や、 言うこと聞かない、言われた通りにしない、ことを 「反抗期」と言いますよね。 子育てにおいて「反抗期=大人への反抗」と捉えているでしょう?

          「反抗期ではなく発展期である」というデンマークの教育を知る。

          なんだか、しっくりこない、ジレンマ。

          閉塞感のあるコロナ禍で、 ChibaとSueはまずは伝えることからやってみよう、 と、思い立って約1年。 実は、私たちはここにきて、 あるジレンマにぶつかっています。 それは 一体何で、 何が原因なのか、 しばらく、対話をしながら、探ってみたのです。 すると、こんな話になりました。 我々が語っている 「デンマークが考動している様々なこと」に 納得できる! 共感する! それが日本にもあったら良い! と多くの方はおっしゃってくださいます。 しかし、 「では、変えて

          なんだか、しっくりこない、ジレンマ。

          【最終回】アンデルセンの目で見てみようー第8夕講

          フォルケホイスコーレが デンマークに生まれた頃、 時を同じくして、 ある一人の童話作家がそこに存在しました。 日本の多くの方がきっと 1度は触れたことがあるに違いありません。 その名は ハンス・クリスチャン・アンデルセン といいます。 彼は1800年代の中頃、 物心両面において 貧しい農村社会であったデンマークを しっかりと見つめていた人です。 彼はただ見つめただけではなく 童話にして、 その世の有り様、在り方を 現実社会に訴え、 多くの人に深い感銘を与えたのでした

          【最終回】アンデルセンの目で見てみようー第8夕講

          アンデルセンの目で見てみようー第7夕講

          北欧デンマークが、 幸福な国に常に3位以内を キープできている理由の一つに、 「教育」が、確実にその土台になっていると言えます。 日本が戦後、考えずに暗記させる教育へと移っていき、 その後、時は過ぎて、、、、 「私、あなた、にとって教育とはなにか?」 を今一度、考える時期に来ているのだと思います。 今、デンマークではコロナを管理下に置き、 今年の夏までには 16歳以上のワクチン接種が完了する計画とのこと。 なんとまぁ、この違いはどこから来るのでしょうか。 「コロナ・

          アンデルセンの目で見てみようー第7夕講

          アンデルセンの目でみてみよう。-第6夕講

          お話は早い展開で進みます笑。 はるとがデンマークにやってきて、 早6年。 なかなか新しい生活、文化に 慣れない日々もありましたが、 はるとは確実に成長しています。 進級報告がてら、 Chibaさんのところにはるとが やってきたようですよ。 第6夕講 「教育格差はありえない」学校教育 高等部(7、8,9年生)に 上がってきたはると君の学校生活。 幼稚園、小学校、そして、中学校、高校ともなると 入学試験勉強が主体になる日本と違って デンマークでは教育の義務期間中に入学試

          アンデルセンの目でみてみよう。-第6夕講

          アンデルセンの目でみてみよう。-第5夕講

          日本の教育は生まれ年に沿って、 1年ずつクラスが上がって行きますよね。 今日はデンマークの教育の考え方について 眺めてみることにいたしましょう。 「教育の義務」なら学び方の可能性がひろがる?日本の「義務教育」という言葉がありますが、 デンマークでは「教育の義務」と呼ばれてます。 「義務教育」はなんらか学校へ行くことが 義務とされてますが、 教育の義務はいわゆる学校へ行かなくても 教育を受ければ義務が守られます。 イメージとしては、エジソンが母親に教育を受けて育った、

          アンデルセンの目でみてみよう。-第5夕講

          アンデルセンの目でみてみよう。-第4夕講

          昔々のデンマークに ある一人の童話作家がそこに存在しました。 日本の多くの方がきっと 1度は読んだことがあるに違いありません。 その人の名は ハンス・クリスチャン・アンデルセン といいます。 アンデルセンの目で見てみよう。 彼の作品に宿る思いが、 のちに、 デンマークを住みよい国に導き、 デンマーク国民の心を豊かに育ててくれた。 そう、私たちは思うに至っています。 「いじめ」については「みにくいアヒルの子」 「貧困と幸せ」については「マッチ売りの少女」 「自己

          アンデルセンの目でみてみよう。-第4夕講

          アンデルセンの目でみてみよう。-第3夕講

          昔々のデンマークに ある一人の童話作家がそこに存在しました。 日本の多くの方がきっと 1度は読んだことがあるに違いありません。 その人の名は ハンス・クリスチャン・アンデルセン といいます。 アンデルセンの目で見てみよう。 彼は1800年代の中頃、 物心両面において 貧しい農村社会であったデンマークを しっかりと見つめていた人です。 彼はただ見つめただけではなく 童話にして、 その世の有り様、在り方を 現実社会に訴え、 多くの人に深い感銘を与えたのでした。 彼の作

          アンデルセンの目でみてみよう。-第3夕講