乱れ咲き
春風に
何回も揺さぶられ
あああ
と伸びをするように
赤紫の蕾が
翼をひろげる
ピイッ キイッ
甲高い声を張り上げ
パタパタパタパタ
ヒヨドリが2羽
まだ緑のない
空の透ける
モクレンから
飛び立った
びよんと
枝が弾かれる
硬い蕾のうちから
つつかれまくり
肉厚の花びらがいくつも
食い千切られて
ぼろぼろになっている
寒風に耐えて
やっと開花を迎えたというのに
痛々しい
美しく咲き誇りたいと願っただろうに
などというのは
自然を囲い込んで庭としている
私の思いだ
晩秋に近所の熟柿をヒヨドリが啄むのを
野鳥はたくましいなあとか呟いて
おもしろがっていたのは誰だったか
ヒヨドリ憎しと思う私
モクレンの方はどうか
ヒヨドリに蜜を与えるかわりに
花粉を運んでもらっている
喜んでいるはずだ
ふかふかの花びらも
いかにも美味そうだ
モクレンとヒヨドリとは
共生関係にあるといえる
ヒヨドリからモクレンの花を守るために
きらきらテープをひらひらさせたり
大きな網ですっぽり覆ったり
ヒヨドリが寄りつかないような手立てを取れば
ヒヨドリへの悪感情を抱かなくても済むかもしれない
でも
咲き乱れる奔放な姿を愛でるには邪魔だ
庭の花に青虫がつくのは嫌
蝶がゆらゆら舞うのはうれしい
殺虫剤を噴きかけるヒト
負けないムシ
ヒトとクマの関係ほどには
切実でないが
人間と自然との共生の難題が
わが家の狭い庭にも存在している
何はともあれ
今年の春も
日を追って
モクレンの花は開き
開き
開き
こんもり小宇宙を形成しつつある
△▼△ ▲▽▲ △▼△ ▲▽▲ △▼△
上着が不要なほど暖かくなったり、冷え込んだり、
雨が降ったり、強風が吹いたり、
変化の激しいこの頃です。
私の方も、腰が痛んだり、腕が上げにくくなったり、
声がかすれたり、胃腸が不調になったり、
体調が日々変化しています。
みなさんは、いかがお過ごしでしょうか。
今回は、庭のモクレンの様子を題材にしました。
1本の樹木ですが、毎年異なる展開をするので、
興味深いです。
来週も水曜日か木曜日に更新する予定です。
また見に来てください。
私もみなさんのページを訪ねます。
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