飯を喰らひて華と告ぐ。勘違い万歳❗️と思えた理由🙌
毎週火曜日23:45から、TOKYO MXで放送されているドラマ「飯を喰らひて華と告ぐ」がなんだか面白い。初めは、舞台になっている中華料理屋さんが、以前近所にあった中華屋さんに似ていて懐かしいなぁと思って見た。でもこれは美味しい料理を見て楽しむだけのドラマではなかった。
何しろ、仲村トオルさん演じる店主が、ことごとく勘違いをする。その勘違いっぶりが小気味良い。
例えば、第1話では、お昼休みに訪れた経理社員のお客さんを営業社員だと思い込んで、励まして、勝手に感動していた。その励まし方がまた尋常ではない。意味のわからない諺だか格言だかまで飛び出して、とてもとても熱い。
この店には何でもある。中華料理店にはないはずのメニューもちゃんとある。そして、お客さんがその時まさに食べたいもの、食べると元気が出るものをちゃんと作ってくれる。それは、とっても美味しい。
美味しくて癒されて、ホッとしている時に、勘違い攻めになる。でも、それを見て正直少しイラっとした後に、なんだか拍子抜けしたみたいにこちらも驚くほど元気になる。
自分はこういう人間で、当然周りからもそう見えてるに違いないと思い込んでいても、案外、周りからはそう見えていないんだな、ということが、何か肩の力が抜けたような気分にさせるのだろう。
他の話では、専業主婦や、ラッパーが、全く違う職業の人だと思われていた。、年齢や、悩んでることまで勘違いされまくって、店を出る時には、プンプン怒っているお客さんもいた。
だけど、何故か皆んな、店を出た後で、それまでと違う充実感を味わう。そして、新しい何かを見つけたりする。
他人は案外、自分のことをわかってないのだという気持ちには妙な安堵感があることに気づいた。
私はよく、自分のことを必死でわかってもらおうとしてもわかってもらえなくてがっかりすることがある。それで、口下手のせいだと自己嫌悪に陥る。
でも、このドラマを見たら、まあ、別にわかってもらえてなくてもいいのかな。と思えた。
それから、良かれと思ってしたことが、相手にとったらそうではなかったと後で知ることもとても多く、それもまた心を弱らせる。
でも、このドラマを見たら、まあ、そんなのも仕方ないんだな。と思えた。
だって、自分で自分の気持ちさえわからないことが多いのに、相手ことがそんなにピタッとわかるわけないじゃないか。
肝心なのは、そこではないんだ。
このドラマの店主は、ことごとく勘違いしながらも、何かお客さんの心の大事なところを救ってくれる。お客さんは、絶妙に美味しい料理と、店主の謎の一生懸命さに、戸惑いながらもいつのまにか癒されている。
もちろん、現実の社会では、勘違いされたことを全力で否定しなくてはならないこともある。
どうしても正しく理解されなくてはならないものもある。
でも、この中華料理店は、存在そのものが夢の中みたいで、そこで起こる出来事も夢の中のような感じなので、ああこんな勘違いならまあ良いかなんてポーッと思ってしまう。
それで、ふっと気持ちが緩む。その緩みに、さあ〜っと風が吹くみたいな感覚になる。
私は、店主役の仲村トオルさんと同年代。トオルさんはお若い頃は、涼しげで純粋な眼差しがとても素敵な青年だった。でも、歳を重ねて、多くの経験を経て、不思議な説得力と温かさに溢れる魅力的な大人になられたんだなと思う。
この店主は、トンチンカンだけど、包容力と本気の優しさが滲み出ている。強引なのに、ふわふわしてて、憎めない感じが、その昔、新人類と言われた世代特有の何かに通じる懐かしさもある。
こんな大人もいいなぁ。こんな人が、何かしら世の中を救うことになればいいなぁと思う。
と、私が勝手にあれこれ考えるのも、このドラマの原作や、制作側の意図からしたら、全くの勘違いそのものなのかもしれない。だったら、なんだかごめんなさい。
だけど、
今日の私のやってること、言ってること、全部、全部、勘違いだったとしても、
肝心なのは、そこではない。
そう思えた、このドラマがすごく嬉しいのだ。
この後も、たくさんの勘違いを楽しみに見ていきたいと思っている。🙌🙌🙌