釣りバカ日誌🐟ハマちゃんよ永遠に‼️
西田敏行さんの訃報をとても寂しく感じています。
私は「池中玄太80キロ」が大好きで「もしもピアノが弾けたなら」のレコードもよく聴いていました。歌っている西田さんもいつも素敵でした。子供の頃、「見ごろ食べごろ笑いごろ」という番組で、木の実ナナさんや武田鉄矢さんと歌ったり踊ったりする姿がカッコよくて、こんなに面白くて何でも出来る人がいるんだとびっくりしたのも覚えています。
最近では、「俺の家の話」で、介護される高齢者を演じておられました。大笑いしたり、驚かされたりしながら、いつのまにか泣かされていて、すごく色んなことを考えさせられて、これもまた、西田敏行さんにしか出来ない役どころだと感動しました。コロナ禍の重苦しい雰囲気に、優しい風を吹かせてくれました。
少し前に、マチャアキ(堺正章さん)とサリー(岸部一徳さん)と、「ボクらの時代」に出られていて、とっても良いお話をいっぱいされていて、また三人で出たいと言っていらしたのに‥。本当に残念でたまりません。
そして、私は「釣りバカ日誌」のハマちゃんの大ファンでした。
当時、「男はつらいよ」との二本立てというものすごい贅沢な上映のされ方をしていました。
寅さんファンでもある私にとっては、夢のような時間で、会社帰りに映画館に同僚達と見に行くのが、毎年の楽しみでした。マリオンの上の映画館。
その当時、仕事の後に映画を見る会社員らしき人がとても大勢いました。皆んな仕事を終えて、映画館に笑いに来ていたのです。一人で来ている人も、寅さんやハマちゃんに大笑いして、お決まりのセリフに拍手したり、お約束のシーンにワッと沸いたり、ええ〜っとびっくりしたりして、本当にリラックスして楽しんでいて、客席の皆んなで楽しんでるみたいな独特の雰囲気がありました。
ハマちゃんは釣り好きの会社員。会社が、私達の職場の雰囲気ととても似ていて、ロケ地も近かったので、とても親近感がありました。優しくて情にもろくて、おじさんなのに可愛いハマちゃんが、皆んな大好きでした。
数年前に、濱田岳さん主演でドラマ化された時には、西田さんはスーさんを演じていらっしゃいました。不思議な品格があって何をしても憎めなくて、何よりもハマちゃんを大好きなダンディーなスーさんをとてもチャーミングに魅せてくれて、西田さんは「釣りバカ」を本当に愛しておられるんだなと思いました。
そんなわけで、Netflixで、「釣りバカ日誌」を見ました。「釣りバカ日誌7」です。「団地のふたり」では今も素敵なあの名取裕子さんが、歯医者さんをしている回です。
若狭と真鶴の海の美しさに目を奪われました。そして、魚が釣れた時の興奮、活のいい魚を調理して食べる時の喜び。釣り堀の釣りしかしたことのない私が、そういう海釣りの醍醐味を知ってる気がしてしまうのは、この映画を見ていたおかげでしょう。
名取裕子さん演じるヒロインも、釣りの楽しさを知って、それまでの行き詰まっていた気持ちが開放されてゆきます。それは、周りの人にも自然に伝わって運命が動いていきます。
ハマちゃんは、ふとしたことからスーさんに裏切られたと感じて、二人は絶交状態になります。それが釣りをやめる決心になり、生きがいを無くしたハマちゃんは、抜け殻になって、会社に辞表を出すのでした。そこで、二人はフィーリングの合うかけがえのない親友であったことに気づくのです。
ハマちゃんの会社の社長でありながら、釣りの弟子でもあるスーさんは、何かと寂しい毎日をハマちゃんの存在に救われているわけです。
ハマちゃんは、職場の女子社員にもとても優しくて、家事と育児で忙しい奥さんのために美智子さん感謝デーを設けたり、近所のお世話になっている仲間と家で宴会を開いて盛り上げたり‥。
ハマちゃんを大好きな人達は、皆んなとってもとっても幸せそう。
ハマちゃんは、会社の仕事は決して好きではなく、自分が辞めた方が会社の業績が上がるとさえ思っているくらいですが、釣りが大好きで、正義感が強くて、周りの皆んなが楽しいと思うことが大好きなハマちゃんを皆んな愛して止まないのです。それが、最高の笑顔になってキラキラ輝いていました。
そして、ハマちゃん大好きというフィルターを通して映画を見ていると、狡く立ち回る管理職達も、ヒロインが抱える悩みや、世の中のいざこざも、なんとなく愛おしく思えたり、なんとかなるんじゃないかなと思えたりしてしまいます。
久しぶりに「釣りバカ日誌」を見ながら、いつのまにか大声で笑っていました。ええー?とか、わー!とか、一人で叫んでいました。
理屈じゃなくて、生きてることの面白さをもっともっと感じていきたいと切実に思いました。
映画「釣りバカ日誌」は、毎回、趣向を凝らして、釣りの魅力を色んな角度から見せてくれて、その時代時代の憂いを突き飛ばす強烈なパンチみたいなものも必ず潜ませていました。私は、ヒロインの境遇やハマちゃんの頑張りからも、その度に色んなことを学んでいました。
楽しまなくちゃ、幸せでいなくちゃ、意味がないんだと、ハマちゃんの屈託のない笑顔を見ると、自然に思えてくるのです。
これから、「釣りバカ日誌」を順番に全部見ていこうと思います。
そして、いっぱいいっぱい笑って、何度も何度も、ハマちゃんから、元気と勇気をもらいたいと思います。
西田敏行さんの御冥福をお祈りいたします。
西田敏行さん、ありがとうございました。