かぞかぞ。最終話。この家族と笑い続けてやる!🌏
ドラマ「家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった」の最終話が放送された。
終わっちゃったんだなという寂しさと同時に、やっぱりこの家族はずっとずっと私のそばにいてくれるんだなとも思って嬉しさがじわじわ湧いてきた。
最終話では、家族みんなが亡くなったパパをそれぞれの心に甦らせていた。そして、パパの本当の気持ちがさりげなく、明らかになっていった。
私は、このドラマで、初めて「おとうさん」の気持ちがわかった気がする。
小さい頃から無意識に、母親や祖母をよく観察していた。自分もいつかそうなるかもしれないから見ておこうという思いがあったのだろう。
そして、世の中で言われている「おかあさん」像についても考えたり、友達と話題にしたりすることは多かったが、「おとうさん」のことを考えることはあんまりなかった。「おとうさん」は、家族のために頑張ってくれてる人というだけで、もう十分だった。
でも、「おとうさん」も、いつも必死なんだということに、この回で気がついて、正直びっくりした。
耕助パパは、両親に大切に育てられたひとみさんを幸せにすると誓ったから、いつも想いは家族と共にあった。俺が皆んなを笑顔にしてやる、皆んなの笑顔を守り続ける、この家族と笑い続けてやる、そう思って頑張って頑張ってきた。いつだって最高の笑顔だった。
だけど、どんなに笑った後でも、笑顔の直前でも、家族に見せていない顔は、疲れていて、不安もいっぱいだった。そのギャップに心底驚いた。
ほんの一瞬の耕助パパの表情に、「おとうさん」の真実を知って、胸が締めつけられた。
「おかあさん」がもともとは、みんな女の子だったように、「おとうさん」だって、少し前まで一人の男の子で、自分が生きていくのに精一杯だったはず。中身はちっとも変わらなくても、ある時、家庭を持って、この家族を自分が何としても守って行かなければならないと覚悟を決めたなら、不安も緊張もいっぱいなんだろう。仕事がどんなに大変でも、家族のために頑張らなくちゃと思うだろう。
そして、皆んなのためにそんな弱気な顔は見せてはいけないと思う。弱音は吐かないでいようと思う。
そんな「おとうさん」達の気持ちを私達はあんまり考えてこなかったんじゃないかなと思った。
私は、今思えば、父の仕事で大変なところも、本当は疲れているところも、たくさん見ていたはずだ。
だけど、お父さんは強いと思わないと、自分が不安になるから、それに目をつぶって、お父さんは大人だから大丈夫なんだと自分に言い聞かせていた。
そんなことに、今気づいても遅いんだけど、でも、
世の中の「おとうさん」の気持ちが、こんなに大人になってからでも、わかって良かったと思う。
そんな人が私だけではないのだとしたら、このドラマは色んなところで人を優しくしてくれるんじゃないのかな。
耕助パパは、ママの夢の中で、「私ら、頑張ったよな。」と言ってもらえて、ママのことも「ひとみは最高のパパやったしママやった。頑張った。」と言えた。お互いにねぎらい合えて本当に良かった。早死にしたことを「ごめん。」と言えて良かった。いつも見守っていることもママは知っていてくれた。
パパもママも、子育てに一生懸命すぎて、気づかないことがたくさんあったけど、二人の子供達が良い子に育っていることを同じ親として喜び合える時間が、夢でも幻でも、存在して、本当に良かったと思う。
七実とパパとの会話も素敵だった。
パパが、あの日七実が渡せなかったお土産のTシャツを気に入って着てくれていたのも、草太がお供えしたお菓子を嬉しそうに食べているのも、微笑ましかった。パパだって、決して完璧じゃなくて、少し前まで男の子だった一人の人なんだという空気感が、演じる錦戸さんから滲み出ていた。
七実は、瀬尾さんがよく言う「世の中には2種類の人間がいる。」という言葉をここで使った。
「大丈夫な人間と大丈夫じゃない人間がいて、おばあちゃんと草太は大丈夫な人間で、自分とママは大丈夫じゃない人間。だから、私頑張ってる。」
世の中にこういう人がいたら、必ず、そうでは
ない人もいる。
それが、わかっているということで、色々楽になることがある。
だから、私も、この瀬尾さんの言葉をずっと大切にしたいと思う。
そして、七実はもうちゃんと自分に合った頑張り方を選んでいけるのだろう。
パパの赤い車を取り戻してパパに褒められたいから頑張ってきた七実。褒められたい欲が天井知らずな七実。そのやり方は、きっとこの先も間違ってない。だって、七実を褒めたい大人は本当にいっぱいいるし、いつでも、パパは見ていてくれるから。
そして、
「パパ、よう頑張ったな。」
とパパの頭を撫でる七実。されるままになっている耕助パパから流れる涙。
もうこの世の人ではないパパの涙は、あまりにも悲しくて美しかった。
でも、この瞬間、耕助パパは苦しみから解き放たれて、七実はすっかり大人になれたのかもしれない。
パパの前では、いつも愛らしい子供の顔になる七実がこの時は、お母さんみたいだった。
七実の葛藤と奮闘を1話からずっと見てきたけれど、もうこんなふうに成長してるんだなと、感慨深かった。私達は、その成長から色んなことを教えてもらえた。
最後に、ママの運転する赤い車で走り出す家族。
ママは、間違えたり助けて欲しい時は、すぐに七実を呼ぶから大丈夫と言ってくれた。そう。そういうことなんだな。大丈夫じゃない人間同士の助け合いは、きっとすごく強い。草太もいる。おばあちゃんもいる。ずっとパパもそこにいる。
見とけよ。世界。この家族と笑い続けてやる。
なんて力強い終わり方だろう。
だから、寂しいけど、寂しくない。
ずっと走り続けている家族のことを思うと
自分も強くなれる。
かぞかぞ地上波版は、更に、軽やかでカラフルで、じんわりしてて、とても良かったです。
素晴らしいドラマをありがとうございました。
今年この季節に、この物語をまた見られて幸せでした。
携わった全ての方々に感謝いたします。🚗
河合優実さんのブログが素敵です。💓