かぞかぞ。第9話。間違ってないで。ずっとずっと合うてる💮

地上波版「家族だから愛したんじゃなくて愛したのが家族だった」も、もう第9話が放送されました。

第9話は、草太の独立。子離れの回。

ドラマの中で、岸本家のドキュメンタリーを制作する小野寺さん、斉藤さん、二階堂さんが、子離れについて話し合い、「子離れは文学」と言っていました。子離れは永遠のテーマということなのでしょう。
七実の本の大ヒット記念サイン会に訪れたファンは、七実のエッセイを読んで歳をとるのが怖くなくなりつつあると言っています。七実が綴る岸本家の日常や、岸本家の生の姿に、周りの人も、ファンもたくさんのヒントをもらって、毎日が回っているのだと思いました。

七実や岸本家をさりげなく見守ってきたコンビニの皆さんが、東京から来た小野寺さん達に神戸のご馳走を薦めて、岸本家について話す様子もなんだかとても嬉しかったです。このコンビニの皆さんは、草太の独立の場面でも、とても大切な役割を果たしていて、こういう温かい繋がりっていいなぁと思いました。

社会で働く者同士になった草太とママの穏やかな毎日は、優しくて静かで、見ている自分も、こんな日が永遠に続けば良いなと思っていました。でも、草太は、実は一人暮らしのノートを書いていて、一人暮らしを望んでいたのです。
ママは、すんなり受け入れることが出来ません。
ママがどれだけ細やかな愛情を注いで草太を育ててきたのか、草太がどれだけ愛おしい存在だったのかが、たくさんの場面から伝わりました。
草太が生まれた病院でのこと。パパとの会話。
「大丈夫、俺が守る」とパパが言ったこと。
それも本当にあったママの大切な記憶です。

しかし、入ることになったグループホームの体験の夜、草太は、ホームを抜け出します。
夜明け前の道をひたすら歩く草太。隣にはいつのまにかパパがいて一緒に歩いています。
「パパ、この道でええ?」
「この道でええで。」
そして、
「僕、合うてる?間違ってない?」
と尋ねる草太に、
「間違ってない。草太はずっと合うてる。そのままでずっと合うてる。これからも、ずっとずっと合うてる。」
と答えます。泣きながら、小さく頷きながらパパはそう言うのです。
ママや子供達の前で、いつも笑っていたパパが、とても悲しい寂しくてたまらない泣き顔で、歩いているのです。
「はい。」
「はい。」
そして、草太が、
「パパ。今までありがとう。」
と言うのを聞いて、パパは消えていきます。
ふっと力をなくして、二人で歩く道から、はずれていくその瞬間のパパのなんとも言えない寂しい佇まいが、子離れの一番辛いところを凝縮しているみたいで、涙が止まりませんでした。
そこに太陽が顔を出します。朝日が昇って、新しい日が始まっていくのです。

大九監督は、草太役のオーディションで多くの子供達が、「僕は間違えるから、間違わないように頑張っています。」と言うのを聞いて、「間違ってない。」という言葉をドラマの中で伝えたかったのだと、Xで書かれています。それを家族である耕助パパに託したのだそうです。
原作者の岸田奈美さんも、
「初めての放送以降、なにか迷うことがあるたびに『ずーっと合うてる』をたいせつに繰り返しています。」
と書かれています。
間違ってない。ずっとずっと間違ってない。ずっとずっと合っている。
そう誰かが言ってくれることが、どれほど大きな救いになるでしょう。
私も、昨年のBS版のこの場面で、そうだよね。そうだよね。と、自分自身の勇気をもらいました。
でも、この意味は、その時思っていたよりももっと深いのだと今回思いました。
自分の人生で、自分がしていることに、間違いなんてないからです。たとえ、少し思ってたことと違っても、それが行き着く先は、紛れもない自分の道でそこにはそこの幸せも喜びもあるからです。
そして、そうなんだろうなと思っていても、誰かにそれを言ってもらいたい。言われて安心したい。
誰かに言って欲しいこの言葉を耕助パパが、言ってくれたことは、私にとっても、大きな救いになりました。大九監督に、心から感謝いたします。

七実は、マルチをもうあだ名では呼ばす、環と呼び、環も自分の家族との関係に折り合いをつけました。
そうやって、二人も成長し、それがまた大人としてママ達を支えることにもなっています。

家族は、バラバラになったけど、ずっとずっと家族。集まる時には集まって、それぞれを思いやって助け合って、また元気に笑っている。そんな姿を最後に見せてくれました。
子離れは、悲しい別れではあるけれど、そこをしっかり乗り越えたら、その先には新しい楽しいことがいっぱいあるのだと、思わせてもらえました。

来週は、いよいよ最終話。耕助パパの想いも描かれる回。この家族に会えなくなるのは、とっても寂しいことです。でも、最後の最後には、岸本家のおかげで、もっともっと強くなれそうな気がしています。🍇



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