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「今頃どうしていらっしゃるかしら…」とSNS疲れ

カウンターで仕事をしていると
「あのお客様、今頃どうなさっているのかしら…」
とふと思うことがあります。
それからほどなくしてその方がご来店下さったりすると
「この前、ふと思い出していまして…」
「あら女将さん、私のこと好きでしょう(笑)」
「そうかも❤」

というやりとりがあったりするのですが、この
「今頃どうしていらっしゃるかしら?」
「お元気だといいけれど…」

とぼんやり思うのは、だから何だと言われればそれまでなのですが、悪くない時間だと思うのです。
その後お会いできるとしても、そうでないとしても、そこにあるのは何の見返りもない、ただその人を想う気持ち。
愛や恋という激しい感情ではない、吹けば飛ぶようなふわっと流れるひとときの思いだけれど、だからこその嘘が無い「お元気かしら…」

ところで、
SNSは一生やらなくていいや…
と思っていた私ですが、諸般の事情でアラフィフのSNSデビューをしまして(主に旅行のため)、ユーザー歴が約一年。
スマホは隙間時間にチラ見するくらいしかできないネット環境から遠い仕事(蕎麦屋)なので中毒になることはありませんし、また繋がっている人の数もごく限られているのですが、そんな私でも最近
SNS疲れ
という言葉の意味がうっすらと分かってきました。
他人(ひと)様の充実した賑やかなイベントや、美意識に溢れる日常を見て
「いいな~」
と思ってしまう。
よそ様のお仕事での業績や活躍に、これまた
「いいな~」
と思ってしまう。
みんなはこんなに楽しそうなのに、立派なのに、私は今日も厨房付近をうろうろするだけで終わってしまうのか…(笑)。
まあ普通にあることですよね。
もちろん同時に「私も行ってみたい!」とか「素敵、真似しよう☆」「私も頑張ろう!」という良い刺激も沢山頂くわけですが。

そして私が「いいな~」のほかにもう一つ、SNS疲れの原因ではないかと思うのが、先ほどの話
「今頃どうなさっているかしら…」
が減ること。激減すること。

だって大切な人達が今頃どうしているのか、どこにいて何を食べて、何に取り組んでいるのか、基本的にはすぐにわかるのです。
ぼんやりと思いを馳せる必要はなく、想像するより前に「事実」が目に飛び込んでくる…。

いやいや、そんな正しいかどうかも分からない妄想を膨らませるより、親しい人の日常がパパっと分かった方がいいじゃない?!
今何をして、何を思っているかすぐに分かって便利じゃない!?
というご意見もあるとは思いますが、私が約一年使った経験から言うと…

状況にもよるけど…
そんなに分からなくてもいいんじゃない?
逐一(ちくいち)克明に、知る必要はないんじゃない?


孫の手紙が楽しみなおばあちゃんも、毎日の詳細なレポートを求めているわけではなくて…(笑)。

もちろんSNSは使うけれど、そんなには使わないよ…
という適度なさじ加減の方も多く、ROM専の方も少なくなく、長年使っているうちに自分のちょうどいいあたりの塩梅にしているユーザーさんはよく見かけます。
アップはするけれど、おおよそのことしかアップしない…とか。ちょうどいい感じにチューニングしているんですね。
また私の周辺は50代が多く、中年になると体力は無い、老眼が進む、時間も無い。要はもろもろ面倒(笑)。
数十年SNSと付き合っている人も多いですし、皆さん適度に適当、カスタマイズが出来ています。
私の感想はビギナーだからこそ、なのかもしれません。

SNSはいざというときの連絡手段にもなるし、海外に行くときも便利だし、いろいろな意味でとても有難いツール。
これからも感謝しつつおつきあいしていこうと思います。
でも同時に、昔ながらの
「あの人、どうしていらっしゃるかしら…」
も時折行(おこな)って、じっとふっと一人のひとを想う…そんな時間を大事にしよう…そんなことをじっとふっと思うSNS一年生です。

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