<起業>Tシャツを作って売る
10ヶ月前に仕事を辞めて以降、小さく起業をしようと準備をして来ています。
独自のECショップでスリーブレスTの販売をする予定です。
オリジナルTシャツの販売なんて、世の中には数多とあるし、今更なぜそれを選んだのか?と思われるかもしれません。
第一に私自身、「欲しい」「いつも着たい」と思えるTシャツに出会えなかったからです。
①小ざっぱりとして着やすい日常着
②シンプルで襟元や袖口がタイトでプレーンなもの
③当然、日常着として少々ヘビーユースであってもよれたり色褪せなどの劣化が少ないクオリティ
④ボトムにダメージ・ジーンズでも、綺麗なスカートでも合わせられる
⑤スーツやジャケットの下に着られるきちんと感も兼ね備える
⑥そんなTシャツ(カットソー)が定番としていつでも補充、購入できる
ざっと上げましたが、それらの条件を同時に満たしてくれるTシャツを心底求めていました。
特に、探しても見つけにくかったのがスリーブレスTです。私は初夏の頃から秋口までスリーブレスTを着るので、1年のうちの1/3は着ていることになります。ネットで探してみても「これだ!」というのは少なく、やっと見つけて入手した場合でも次に買おうと思ったときにはもう取り扱いがない(デザインの切り替わりなどで)ということは多く、長いこと不便を感じていたのです。
そこで、学生時代から20代半ばにかけ、洋裁に凝った時期があり、原型を操作し自分好みのデザインのパターンを起こしてはミシンで縫っていた、ということを振り返り、いっそ自ら作ってしまおうと考えたわけです。
洋裁の基本は母から教わりました。
漠然とした事業イメージを、漠然と抱いたまま準備期間に突入したのですが、縫製工場や生地を探すのには一苦労しました。サンプルから第一弾の商品が手元に上がってくるまで約4ヶ月。その後販売をどういう形で行うか、販促をどうするか、広告を打つのか打たないのか、そして資金繰りをどうするかなどなど、これまでに随分と知らなかったことを学びつつ10ヶ月経った今に至っています。
商品のラインアップを潤沢に揃えようと考え、創業融資の申し込みにもトライしましたが、これは却下されました。先方曰く、実績がなく、ネットによる販売のみという点が非常に未知数である、ということでした。残念な結果ではありましたが、申請のために用意する書類(これが結構時間も掛かり大変)がとても勉強になりました。
よく事業計画書を作ることが大事だといわれますが、融資の申請という具体的で大きな課題があったからこそ細かい数字や計画を紙上に表現できたのです。ただ事業計画と言われても、そんなに大きなビジネスでもないし、まだ実際に売ってもいないのに数字の計画なんて立てられない、というのが当初の私の心中でした。この経験で<事業>を行うのだという認識が強くなりました。
たかだかTシャツを作って売ろう、という非常にタイトでシンプルな発想ですが、これを一事業としてやって行こうとなると様々な事柄が絡んでくるものだと、つくづく実感しています。
間もなく、いよいよECショップ開店となりますが、基本的に全て一人で行っているため引き続き学習すべきことは多岐にわたります。広告にお金を掛けない代わりに現代ならではのSNS関連を有効に活用する、商品画像や商品説明によるページの作り込み、顔の見えないネット販売ならではの接客の仕方、ブランディング、そして会計処理・・・。
ビジネスを成功させるぞ!とか、ビッグチャンスを!、といった若々しい情熱は無い代わりに取引先やお客様との信頼関係、商品を作る責任と売る責任(いわゆるSDGsや“ファッションリボルーション”などの概念)、きちんとしたクオリティと適正価格など、大人な年頃ならではの「商売とは何たるか?」を追求して行かれたらと思っています。もちろん、ビジネスですからそれらを勘案した上で黒字ベースとし、その後長く長く(細くてもいいから)継続して行くことが目標です。
その目標のためにも、特に今、どんなことからも学べることは学ぼうという気持ちが強くなっていて、はっきり言って<ハングリー>な状態です。殊更、自分の中で重要視しているのが<精神性>です。つい賛同や数字といったものを追いかけ、初心や大事なことをおざなりにしてしまうのがビジネスの落とし穴。これまでに一切読もうとしなかった稲森和夫氏や渋沢栄一氏による著書などにも目を通しました。<普遍的な精神>というものを常に頭に置いておきたいと思います。見失わないように。
僅かでも自費を投じていれば失敗はしたくありません。失敗をしないためにには小さなトライ&エラーを繰り返しながら続けて行くことです。当然のことながらこの蓄積には都度学ぶことが大前提です。
幸いタイトに始めているのでランニングコストに捕らわれることは避けられそうです。
自分の納得がいく形で長く持続していく心づもりです。