見出し画像

映画『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(1997)

こんばんわ、唐崎夜雨です。
日曜の夕べは映画のご案内、と称していましたが、これからは不定期に投稿してまいります。今後ともよろしく❗

さて、このところ『ひまわり』『日の名残り』と旅する映画をご案内しておりますが、今宵の作品も旅する映画です。
しかも一日や二日、いやいや一年や二年の旅じゃありません。これまで以上に歳月をかけた旅です。

これほどの旅になると人生観が大きく変わります。
そこが本作の見どころだと思います。ストーリーを楽しむばかりではなく、それによって変化してゆく主人公も見守ってみてください。

1997年の作品『セブン・イヤーズ・イン・チベット』(原題:Seven Years in Tibet)。監督は『薔薇の名前』のジャン・ジャック・アノー。

旅する主人公を演じるのはブラッド・ピット。彼はオーストリア人の登山家ハインリヒ・ハラ-を演じます。ハラ-は実在の人物で2006年に没。
1939年に国を出て1950年に帰国の途につきます。タイトルからみて、チベットには7年滞在したようですが、その前に捕虜収容所での生活があり足掛け10年以上の「旅」です。

あらすじ

1939年、ナチスドイツはヒマラヤ山脈のナンガ・パルバットへ遠征隊を派遣。ハインリヒ・ハラーは身重の妻が止めるのも聞かずこれに参加。
悪天候により遠征隊は登頂を断念し下山をはじめる。この間、イギリスとドイツが開戦。ハインリヒたち遠征隊はイギリス軍の捕虜となり収容所へ送られる。

彼は何度も単独での脱走を試みるが失敗。もともと独善的な人物のため遠征隊のメンバーとは打ち解けていない。
収容所で妻から離婚を要求される。
遠征隊の隊長ペーター・アウフシュナイターはじめ隊員たちに協力することで脱走に成功。これが1942年。

脱走した遠征隊でハインリヒとペーターの二人が残る。二人は長いを要してチベットのラサにたどり着く。
当時のチベットは外国人には鎖国状態であったが、無事に入国し居住することを認められる。ここで第二次世界大戦の終結を知る。1945年。

ペーターはチベット人女性と結婚。孤独なハインリヒは、まだ少年のダライ・ラマにお目通りすることになる。好奇心旺盛な少年はハインリヒに質問攻め。ハインリヒもまだ見ぬ我が子を少年ダライ・ラマに重ねていた。

しかし1950年になると中国共産党がチベットへの侵攻を始める。

雄大なチベットを堪能する

ハインリヒのチベット滞在期間中は仕事もあり住居もあるので、厳密には「旅」とは呼ばないかもしれませんが、もともとチベットに定住する意思がなく帰国を夢見ているようなところがあるので、旅とよんでも差し支えないと思う。

映画は実際にチベットでロケをしています。ラサのポタラ宮も登場します。内部はセットかもしれませんが、知らない者には雰囲気は充分あります。
チベットには行ってみたいと思いますが、おそらく行くことはないでしょう。映画で雰囲気を味わうことにします。

調べてみると、わりと南米でロケをしているようなので雄大な山岳地帯の景観はそっちかもしれません。
いづれにしてもある程度の高度までキャストおよびクルーが登らねばならない。しかも滞在期間もある程度長期にわたるでしょう。カメラに映っていないところでのご尽力により、観客は大自然を堪能できるのですから、キャストおよびクルーに感謝です。

キャスト

ブラッド・ピットがサラサラ金髪の登山家です。やんちゃで独りよがりな若者が、さまざまな経験により成長していきます。
ブラッド・ピットが演じるのでイヤミがなさすぎるくらいです。

遠征隊隊長のペーターは周囲に対して大人の対応をします。ハインリヒのように感情的になることはない。
この人物をデヴィッド・シューリスが演じています。彼はハリー・ポッターシリーズにも出演しているので名前は知らずとも顔を見ればピンとくるかも。レオナルド・ディカプリオが天才詩人ランボーを演じた『太陽と月に背いて』では、ヴェルレーヌを演じてました。

ダライ・ラマを演じた少年の利発そうな表情が素敵でした。ハインリヒになつく感じは普通の子どものようですが、しっかりと自分の立場や責任を自覚されている。


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集