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夜雨の名画座

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鑑賞した映画の記録。旧作多め。
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#映画感想

夜雨の名画座一覧

ご紹介をした映画の一覧を作ってみた。 公開年代(たぶん)順。映画史的なところから何かが見えてくると面白いかな。 2025/02/15 現在 57本 1951/昭和26年 ◯ 巴里のアメリカ人 … 🎬️ヴィンセント・ミネリ 1952/昭和27年 ◯ 次郎長三国志/次郎長売出す … 🎬マキノ雅弘 1953/昭和28年 ◯ 怪談佐賀屋敷 … 🎬荒井良平 ◯ 次郎長三国志/次郎長初旅 … 🎬マキノ雅弘 ◯ 次郎長三国志/第三部 次郎長と石松 … 🎬マキノ雅弘 1954

映画『八つ墓村』(1977)

今日も横溝正史原作の映画です。1977年野村芳太郎監督による『八つ墓村』は、金田一耕助を「寅さん」で知られる渥美清が演じています。松竹で撮るなら渥美清がいいといったのは原作者横溝正史だともいわれています。 ただし『八つ墓村』の主人公は探偵ではなく事件に巻き込まれる青年の寺田辰弥。映画では萩原健一が演じています。終戦後を舞台とした原作と異なり、時代設定は映画製作の70年代に置かれています。 新聞で自分を探している人がいることを知った辰弥は、そこに書かれている大阪の弁護士事務

映画『赤い影』(1973)

こんにちわ、唐崎夜雨です。 今日ご紹介する映画は、1973年のイギリスとイタリアの合作映画『赤い影』(英題:Don't Look Now)です。オカルト風味のサスペンス映画といった感じでしょうか。 『赤い影』は、日本では馴染が薄いような気もしますが、イギリスで2011年に選出された「100 best british films」では、キャロル・リード監督の『第三の男』を抑えて第一位に選ばれました。 『第三の男』は好きな映画のひとつです。その『第三の男』を超える映画『赤い影

映画『日の名残り』(1993)

こんばんわ、旅をしない旅人の唐崎夜雨です。 今宵は映画のご案内。主人公あるいは主たる登場人物が旅をする映画をご案内する企画の第2弾です。これ、結構な企画ぶっていますが劇中に主要人物が場の「移動」をすることを「旅」と捉えるとするならば、かなり範疇が広いことに気づきました。 第1弾は1970年の映画『ひまわり』で、イタリアの女性がソ連の地を訪れる作品でした。今回は初老の男性によるイギリス国内の自動車の旅です。そればかりか、過ぎ去りし日の思い出に耽ることも時間の、旅かもしれません

映画『ダンケルク』(2017)

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今年のアカデミー賞でクリストファー・ノーランが『オッペンハイマー』で監督賞を受賞。今夜は祝!というわけではなく、クリストファー・ノーラン監督作品の『ダンケルク』(原題:Dunkirk)を見る。 『ダンケルク』は、最近見ていた『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』、『空軍大戦略』、『鷲は舞いおりた』と同じく、英国チャーチル首相時代が舞台の作品です。 とりわけ、同じ2017年の映画『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救っ

映画『オリエント急行殺人事件』(1974)名探偵は悩まない

こんにちわ、唐崎夜雨です。 今日の映画は、ミステリーの女王ことアガサ・クリスティの代表作のひとつ『オリエント急行殺人事件』(原題:Murder on the Orient Express)です。 2017年にケネス・ブラナーが監督した作品もありますが、今回お話しするのは1974年シドニー・ルメット監督作品です。正直なところを申し上げると、シドニー・ルメット版のほうが好き、かなり。 ひとつにはキャスティングの豪華さ。 ケネス・ブラナー版も豪華な顔ぶれですが、シドニー・ルメッ

映画『日本橋』(1956)露地の細道、駒下駄で

こんちゃ、唐崎夜雨です。 今夜の映画は泉鏡花原作の『日本橋〔にほんばし〕』(1956)。とうに過ぎてしまいましたが、春、ひな祭りのころになると見たくなる映画。 監督は『犬神家の一族』などで知られる市川崑。脚本は市川崑監督夫人でもある和田夏十。カラー映画。 映画『日本橋』は、淡島千景、山本富士子、若尾文子と三女優が芸者となりて妍を競う逸品。古今東西の女優でいちばん好きな女優は、淡島千景〔あわしま ちかげ〕。 淡島千景は宝塚歌劇の出身。1950年松竹から『てんやわんや』で映画

映画『青べか物語』(1962)

こんにちわ、唐崎夜雨です。 今日は日本映画の旧作をご紹介。 昭和37年(1962)公開の川島雄三監督『青べか物語』。脚本は新藤兼人。 山本周五郎の同名小説が原作。浦粕の地に滞在した作家の先生が、土地の人々を描いた小説。随筆のような味わいがある。 タイトルの「青べか」とはDVDジャケットにもある小舟。色が青いべか船で、青べかと呼ばれる。 浦粕の人々はべか船で漁に出る。作家の先生は青いべか船を地元の爺さんに売りつけられる。 あらすじ作家の先生(森繁久彌)は都会を離れ、東京近

『鷲は舞いおりた』(1976)チャーチル拉致作戦

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今日の映画は『鷲は舞いおりた』。原題、The Eagle Has Landed。 1976年ジョン・スタージェス監督作品。 原作はジャック・ヒギンズの同名小説。細かいことですが、小説は『鷲は舞い降りた』で、映画は『鷲は舞いおりた』と表記が微妙に異なります。 先日『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』(2017年ジョー・ライト監督)を鑑賞したので、今度もチャーチルがらみです。とはいえ『鷲は舞いおりた』では、ほとんどチャーチル首相の

『ウィンストン・チャーチル / ヒトラーから世界を救った男』(2017)って、タイトルが長いわ

こんばんわ、唐崎夜雨です。 今夜の夜雨の名画座は『ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男』です。邦題、長いわ。2017年ジョー・ライト監督作品。 原題は『Darkest Hour』。直訳すると「最も暗い時間」。 夜の明ける前がいちばん暗いらしい。と、言うことは、やがて明るくなりはじめるという意味でもある。 本作は英国が国家存亡の危機を迎えた1940年5月の数週間が描かれています。チャーチル個人の伝記映画というわけではない。 本作品はアカデミー賞で6部門にノミ

『ドラキュラ』(1992)石岡瑛子の衣裳デザインを堪能する映画

こんばんわ、唐崎夜雨です。 先日、今年のアカデミー賞のノミネート作品が発表されました。今年は日本映画ならびに日本人のノミネートがあり、なかなか活躍が期待できそうな、予感。 3月11日(日本時間)の授賞式が楽しみです。 さて、今宵ご紹介する映画は1992年、フランシス・フォード・コッポラ監督の『ドラキュラ』。 原題は『Bram Stoker's Dracula』。 原題に“ブラム・ストーカーの”と原作者の名前を冠したのは、これまで映画スター・ドラキュラ伯爵は原作からかなり離