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◼︎子どもの貧困を知らない大人は50%近くに増加「子どもの教育格差に関するシンポジウム」に参加。

昨日1/22に、その志に強く共感し、
応援しているNPO法人キッズドアさんの
『子ども教育格差に関するシンポジウム』に参加してきました。



冒頭の東京都立大学の阿部彩教授の講演で驚いたのが、

①こどもの貧困に対する社会の関心が薄れてつつあること

 と

②こどもの貧困の認識ギャップが広がり社会が分断していること

でした。



2010年代前半は、日本の
相対的に貧困状態にあるこどもが6人に1人
というデータに社会が驚き、関心が高まっていたものが、
最近では7人に1人、8人に1人と減少してきている。



それは良いことながら、
とともに、社会の関心も下がってきているというのです。



セーブザチルドレンの調査では、
日本における子どもの貧困について「聞いたことがない」
という大人が2019年に28.8%だったものが、
2024年には48.9%にまで増えているのです。
子どもの貧困を知らない大人は50%近くに増加しているのです。





子どもの権利条約の認知度も「聞いたことがない」大人が
2019年に42.9%だったものが47.6%に増えています。



昨今では、政策も賃上げムードも高まるなかで
「貧困の子ども」への投資というより、
「よりユニバーサルな」子育て支援にシフトしつつある。



50歳時点での無子率(子どもを産んでいない女性の割合)も
1935年生まれでは10%以下だったものが、
1970年生まれでは20%台後半に。
世界の主要諸国のなかでも比較的低かったものが、
現代の日本は世界で突出して高くなっています。



その影響もあいまって、
貧困の子どもへの支援に関心がない、もしくは
貧困感が乏しい人と、
関心が強い人の分断が広がっているというのです。



また、貧困から脱却していくのは
貧困層の中でも「状況がよい層」からという
クリームスキミングも指摘されました。



つまり、取り残された「貧困層」はより深刻であるということ。





後半のパネルデッスカッションでは、
貧困状態にあった子どもの当事者も登壇。



そのプレゼンには深く考えさせられました。



普通高校に通っていた頃に母親が難病になり、
ヤングケアラーに。
とても勉強できる状態でなくなり、通信制高校へ転校。
経済的にも厳しく、それでも大学に行きたいと悩み
自ら役所に相談に行くもなんの解決もしてくれず。

奨学金について調べても、大学入学後のものばかり。
受験のための支援は見つからない。
途方に暮れていた時にキッズドアを知り、
ゴールドマン・サックス大学受験給付型奨学金で
無事に大学に行けたというのです。



「自己責任で支援情報を探さなければいけない状態はおかしい」

「子どもは自分が貧困状態にあることは
隠そうとするから見えにくい」

という言葉に問題の根深さを感じました。



その後、政治家や企業経営者や首長を含めて
パネルディスカッションが繰り広げられました。



登壇者はそれぞれ強い問題意識を持たれていて
「役所の縦割り」「仕事が増えるのを嫌がる」
「企業版ふるさと納税を柔軟にしてほしい」
「福祉は首長、教育は教育長」「学校はもっと開放すべき」と
政治や行政が機能していないことへの批判が強調されました。





キッズドアの渡辺由美子理事長の言葉も重かったです。



「相談窓口は増えてきたけど、ソリューションがない」



「住民税非課税世帯は、高齢者中心。年金があり
 所得は少なくとも1500万円以上の資産がある層も多い。
 貧困家庭は子どもを育てるために、非課税世帯になれない。
 うつを患い薬を飲みながら長時間働き続けている親もいる」



「貧困バッシングがひどい」



「物価高で、肉や魚が買えない。
 物価優等生だった卵や豆腐も高くなっている。
 親は1日1食で耐え、それでも子どもの3食を守れず、
2食になる家庭も」



子ども家庭庁長官や超党派議員連盟の政治家も
スピーチしましたが、後の予定があるとのことで早々に退席。
もっともらしいことは言うものの、
今この瞬間も孤立し悩む子どもを救えていない!
われわれの血税で仕事しているのだから、
ちゃんと働いてほしいと憤りを感じました。



希望を感じたのは、
佐賀県武雄市の小松政市長。



自らが親の離婚で経済的に困窮した高校時代を経験し、
子どもの教育格差に強い問題意識を持たれている。
行政の縦割りを打破すべく、
子どもの笑顔コーディネーターを作り、
困窮状態にある子どもに伴走していく体制を作られています。



また、全国約1700の市町村長のうち
173人の首長ネットワークも作り
全国に子どもの支援の輪を広げようとされています。



いろいろ実態を学べた有意義なシンポジウムでした。



ただ、実態を知るほど
社会の無関心や分断に強い問題意識が出てきました。



とともに、

人材育成を生業としている経営者の僕に何ができるのか。



過去に、里親を経験したり、
研修業界を巻き込むイベントを実施したり、
現在も直接支援に奔走されているキッズドアさんに
上司力研修を提供したり、などは続けているものの、
忸怩たる思いを募らせています。



子どもは社会の宝物。

生まれ育った環境で、教育の機会を奪われ、
人生の可能性が失われる子どもをなくしたい。



皆さんも、それぞれの立場でできるアクション、
考えて動きませんか?。



すべては、日本の上司を元気にするために。


前川孝雄のはたらく論
https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-12883468945.html


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