■『タテ社会の人間関係』変われない日本型組織の頑強さを痛切に憂う
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・明治以来、特に戦後飛躍的に、日本人の生活形態、
-衣食住に現れるように-は変わってきている。
来日する外国人を驚嘆させるほど
西欧的な様式をぐんぐん取り入れて。
目に見える文化という点では、これほどに
変わってきているのに、
日常の人々の付き合いとか、
人と人のやりとりの仕方においては、
基本的な面ではほとんど変わっていない
・「ソーシャル・ストラクチュア」の持続性・固執性の
度合いは、その社会の歴史が古いほど、
またその社会の人口が大量で密度が高いほど
強いものである
・記者であるとか、エンジニアである
ということよりも、まず、
A社、B社の者ということである
・「ウチ」「ヨソ」の意識が強く、
この感覚が尖鋭化してくると、
まるで「ウチ」の者以外は人間ではなくなってしまうと
思われるほどの極端な人間関係のコントラストが、
同じ社会にみられるようになる。
知らない人だったら、つきとばして席を獲得した
その同じ人が、親しい知人(特に職場で自分より上の)
に対しては、自分がどんなに疲れていても席を譲る
といった滑稽な姿がみられるのである
・「田舎っぺ」
自分たちの世界以外のことをあまり知らない、
あるいは、他の世界の存在をあまり知らず、
それになれていない
・「水盃」のもつ悲壮感
・私たちは序列の意識なしには
席に着くこともできない
(日本間のしつらえは、特に決定的な作用を果たしている)
し、しゃべることもできない
(敬語のデリケートな使用、発信の順序・量などに
必然的に反映される)
・招客のすぐ横が上座であり、入り口の方が下座で、
発信の順序・量・態度といったものが、
驚くほどその座順を反映している
・日本社会の「単一性」こそ、本書で展開した、
人と人、集団と集団、の関係設定のあり方を
決定する場合に、重要な基盤となっている
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現代日本の会社・組織考察の本といっても
違和感ないほどですが、
驚くことなかれ、初版は1967年。
54年も前の出版です。
10年以上、400社・団体以上で
ダイバーシティマネジメント推進を支援してきた
FeelWorksを営む僕としては、
東大名誉教授だった著者・中根千枝さんの
先見の明に感服するというより、
頑強で変われない日本型組織の難しさを痛感したしだいです。
このままでは、
進む世界の後塵を拝し続けるのみならず、
若者や子どもたちに希望を託せないと強く憂います。
組織を束ねる管理職や経営者などリーダーの皆さん、
前例を投げ捨て、より善い未来を創るために
変わりましょう! 変えましょう!
すべては、日本の上司を元気にするために。
※備忘録は
「前川孝雄のはたらく論」
https://ameblo.jp/feelworks-maekawa/entry-12649835991.html
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