
西原亮著(2024)『コンサル時代に教わった 仕事ができる人の当たり前』ダイヤモンド社
社会人としての基本がしっかり書かれてある
TikTokで毎回コンサルでの経験に基づいた話題を取り上げて解説を加えている著者に好感を持って、つい書店で手にしてざっと拝見したあと購入しました。
TikTokの内容をそのまま本にしたものかと思っておりましたが、章立てもしっかりしていて、文章も内容もわかりやすく、一気に読破してしまいました。
わたしも年齢は50代の後半ですが、コンサルの経験はまだ数年ですので、ある意味コンサルに成りたてに近い状態ですので、著者のようにコンサル経験から達観して物事を語ることができる人の仕事に対する向き合い方がわかることは、自分の仕事への関わり方を含め大変ためになることだと理解します。
人間というのは意外と「当たり前」が出来ないものですので、本書でそのへんのコツが展開されているのは素晴らしいと感じました。
例えば、客観的事実と自分自身の主観を分けて伝えることの重要性や、言葉を定義すること、すなわち齟齬をなくすための必要なお作法であることもサラッと書かれてあります。また5つの「ない」を守ることも重要な観点です(p.74)し、仕事を「階段」にしてわたすこと(p.104)も重要です。
本書では、ズーニンの法則も記載されていて、最初の一歩というか最初の4分間についても触れられています。人間やっぱり最初の取っ掛かりに躊躇することがあって、例え新人でもベテランでも一旦躊躇すると、なかなか前に進めない経験をするもので、その解決策の1つとしてこの法則をあげている点は、やっぱり皆さん同じような経験をしているんだなと思った次第。
さらに会議についても無駄な会議になんとなく出ないことや、参加者ごとの目的を伝えることって、中小でも大手でもあまりやっていないことではないかと思ったり、誰が、何を、いつまでにを決めるためにある会議が、その目的ではないところに終わることもあったりで、今一度しっかりと目的を示すべきだと感じた次第。
また本に関しても仮説で読むという上司からの教訓。確かにコンサルは「仮説」そして「検証」の繰り返しが非常に重要なことは、コンサル業界に入って実感出来ましたし、結果的にそれが一番目的・結果を得やすい考え方のツールとして重要で、これを使いこなさなければ十分なコンサルができないことをコンサル業界の人は真っ先に理解するのではないかと思った。
とても読みやすい本であるため、特に若手の入社してすぐのコンサルにはお勧めしたい本だと思う。