渡辺雄二著(2017)『食品買うなら、コレが一番!』株式会社日本文芸社
選んで食べる時代になったことを痛感させられる
Facebookで知人から、本著作者の新刊を話題にした投稿があり、似たような食べ物の添加物を指摘する本を出版されていることを確認して、Kindle Unlimitedにも同じ系統の本が並んでいたので、まずはKindle Unlimitedを利用して読んでみた次第です。
本書は巻頭一番にカラーで安全そうな食品に関して掲載している点で、まだまだ安全と言える食材があることの安心感を得られる。というのは、この手の多くの本は、食品の危険性だけを取り上げて、結果的に市販の食材で安心して食べられるものは殆ど無いのではないかという読者の落胆を誘い、結局危険なものから回避できないことが逆に植え付けられて、結果的にどうでもよいという理解になってしまい、食品の危険性に無頓着になってしまう危険性がある。この点を最初のカラー印刷部分で否定し、安全なものも探せばあるんだということを理解させる上でも、本としての構成として良いのではないかと感じた。
わたしも前前職では毎週徹宵夜勤の勤務があり、夜食としてカップラーメンやコンビニのおにぎりを食べていたし、菓子パン類も結構摂取していて、今考えると徹宵夜勤という身体のリズムも影響がある状態のなかで、食べている食品もあまりよろしくないものを食べていたわけで、結構身体に負担をかけていたのかも知れない。
結果的に本書が多くの良くない添加物によって癌になる点を指摘しているが、わたしは既に2年前に肺腺癌となり、右肺上葉切除手術をし、その後の点滴による抗がん剤治療を経て、現在は分子標的薬タグリッソを服用することで、何とか癌細胞の増殖を防いでいる状態にある。
既に癌患者ではあるものの、それでも不用意に身体に負担をかけたくないので、食材には気をつけだした次第であるが、まあ気づくのが遅かったのかも知れない。
本書を読むと、加工肉に入っている亜硝酸Na、合成着色料等の危険性、飲料の甘み成分に利用されているアセスルファムKやスクラロース等の言葉が随所に登場する。それだけ多くの食品に添加されている証でもあるのだろう。これらの名前と同時に赤色の色素などの問題も本書を読んだ後には意識され覚えてしまう。
また、この本で初めて知ったのはカラメル色素の危険性で、これまでカラメルは砂糖を煮ると色が黒くなるので、個人的には安全だと認識していたのですが、カラメルとカラメル色素は似て非なるものというのに少々驚いたことと、コーヒーゼリーなどの多くのゼリー食品がゼラチンで固めているわけではなく、増粘多糖類によって代用されているらしいこと。丁度最近コーヒーゼリーにはまりつつあるので、知らず知らず身体に良くない食材を嗜んでいたと反省しきりである。
既に癌である身にとっては遅いかも知れないが、それでも命を絶やさないためには食材にも十分配慮しないといけないことを学んだ気がする。本著者の最新刊がKindle Unlimitedで読める頃になったら、また読んでみようと思う。その頃までわたしが生きていればの話だけれど。
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