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ストレッサーとは?-日常のちいさな刺激に気づき、セルフケアを実践しよう

なんだか集中できない時、1日中何もできない時、やらなきゃいけないことをできなかった時、学校のテストで良い点が取れなかった時、寝坊してしまった時、仕事でうまくいかなかった時など。

このように自分がうまくできないとき、過去のわたしは「自分の努力不足だ」「自分がきちんとしていないからだ」と考えるタイプでした。

でも、自分のコンディションって、気候などの自然現象や、ちょっとした環境・習慣の変化、人間関係、ホルモンバランス、音や匂い、目に見えるものなど、いろんな要因からきているものなんだなと知った時、自分を責めることが少なくなったように思います。(ストイックをゆるめることができた🌱)

それだけでなく、「今日の天気はくもりで気圧も低い。だから、あまり予定を詰めず、身体が喜ぶことをしてあげよう。」などと、自分をやさしく労る選択ができたり、思い切って何もしない日をつくることも大切なんだなと思ったりできるようになりました。

日常生活の中でさまざまな「刺激」「出来事」「変化」にさらされながら生きているからこそ、自分をケアしてあげたいですね。今日は「ストレッサー」について、一緒に学んでいきましょう。

⚡️ストレッサーとは?

ストレッサーとは、ストレスの原因となる外部からの刺激のことです。

わたしたちの日常生活の中にあふれている、さまざまな「刺激」「出来事」「変化」。物理的、化学的、生物的、心理的社会的など色々ありますが、わたしたちの心や身体は、この「ストレッサー」に影響を受けていると言われています。

🌩️ストレッサーの具体例

ストレッサーにはどんなものがあるのか、例を見ていきましょう。

1. 物理的なストレッサー

  • 雨が降っている

  • 気温が高い

2. 家庭に関するストレッサー

  • パートナーが仕事の愚痴ばかり言う

  • 自分ばかり家事を担っている

  • 言うことを聞いてくれない子ども

3. 仕事・学業に関するストレッサー

  • いじわるな上司

  • 休みが少ない

  • 先生が校則にうるさい

4. 人間関係に関するストレッサー

  • 友達からLINEの返信がない

  • お隣さんとの付き合い

  • 職場で心ない言葉を言われた

5. お金・生活面でのストレッサー

  • 給料が少ない

  • 部屋が汚い

  • 洗い物が溜まっている


🤲「気づくこと自体」がセルフケアの一環

みなさんも経験があるかもしれませんが、ストレスを溜め込んでしまうと、心身への不調をきたすことがあります(=ストレス反応)。

そのため、ストレスが限界に達して、大きく体調を崩してしまう前に、日常的にセルフケアを行うことが大切です。

実は、「ストレッサーに気づくこと自体」が、ストレス心理学において重要なセルフケアの一環・ストレスマネジメントの第一歩とされています。

「これも自分に影響を与えている」と、自分に影響しているストレッサーにまず気づくことで初めて、適切な対処ができ、ストレスの影響を最小限に抑えることができるようになります。


🌴小さなストレッサーにも気づこう

ストレスというと、大きな出来事を思い浮かべるかもしれません。例えば、「職場でいじめられた」「家族が病気になった」などが典型的なストレス要因です。

でも、日常にはもっと些細な「ストレッサー」が多く存在します。
例えば、

  • 仕事が忙しくて、ずっと気になっている部屋の掃除が後回しになっている

  • セーターにできた毛玉

  • 生活費のことを考えて、お菓子を買うのを我慢する

こうした小さなストレッサーは、意識しないと気づきにくいものです。でも、無意識のうちに積み重なり、わたしたちの心身に影響していることがあります。


✍️ストレッサーを外在化しよう

ストレッサーに気づいたら、ぜひ「外在化」することを試してみましょう。

外在化とは、ストレッサーを自分の内側に留めるのではなく、言葉にしたり、書き出したりすることで、客観的に整理する方法です。
例えば、

  • 「今の姿勢、ちょっとつらかったかも」→ 柔らかいクッションを使って楽な姿勢を探す。

  • 「仕事の量が多くてつらい」→ タスクをリスト化し、優先順位をつける。

  • 「最近、気持ちが沈みがちな気がする」→運動やマッサージでリフレッシュ。

  • 「職場の人の言葉に傷ついている」→誰かに話を聞いてもらう、ポジティブな自己対話を試みる、趣味の時間を増やす

外在化することで、ストレッサーを具体的に把握し、適切な対処を考えることができます。研究でも、ジャーナリング(書き出すこと)がストレス軽減に有効であると示されています(Pennebaker, 1997)。



わたしは、社会人になりたての頃、営業の外回りをして、夜遅くに帰宅し、倒れ込むように眠る日々を過ごしていました。「社会人ってこういうものだよね!」「熱があるわけじゃないし大丈夫!」と自分に言い聞かせ、ポジティブを装いながら休むことなく仕事を続けていました。

でも、その結果、ある日突然、職場に行くために家を出ることさえできなくなってしまいました。自分でも驚くほど、体と心が限界を迎えていたんです。振り返ってみれば、いつ寝たのかも覚えていないほどの入眠状態が続いていたこと自体が、心身の悲鳴だったのかもしれません。(ストレッサーが積み重なり、ストレス反応が出ていたのかもしれません。)

「自分は大丈夫」「周りに迷惑をかけられない」と思い込むことが気づきを遅らせてしまっていたのかもな、と思ったりもします。

もし、その時、自分の状態に気づき、「休む」選択をしていたらーたとえば、休みの日に予定を入れないようにしたり、無理に会社の飲み会に参加しない選択をしたり、リラックスできる時間を意識的に確保したり。そんなふうに、心身を休める方法をとれていたら、自分をもっと大切にできたのではないかと思います。

だからこそ、みなさんにも、「自分はまだ大丈夫」と思う段階であっても、自分の小さな変化により丁寧に気づいてあげてほしいなと、心から思います。

🌷まとめ

ストレッサーに気づくことは、セルフケアの第一歩です。

  1. ストレッサーは日常のあらゆる場面に存在する

  2. 小さなストレッサーに気づくことも大切

  3. 外在化により対処の発見につなげる

みなさんも日常のストレッサーに意識を向けることから
よかったらぜひ始めてみてください。


▼どうぞのへやとは?
2020年に誕生。感情を大切にする対話の場を届けてきました。2024年4月にリニューアルし「自分をケアする習い事」を開始。心理学など学術的根拠をもとに、メンタルヘルスを保つためのセルフケアについて考える場を提供しています。

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