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【今週の週末ワインごはん】#46 栗とジビエの赤ワイン煮込み、ロシア風きのことキャベツの手ごねパイ、ロシア風茄子サラダと野菜のボルシチ
前週に続いて栗の料理。今回はジビエと合わせてこっくりと煮込む。
昨年の栗の時期に煮込み料理をつくりたいと思い、レシピを探していたところ、こちらの動画に行き当たった。
何より「ゆっくり料理をしたい時に作って欲しい!」というテーマが良い。
ヨーロッパ料理には「時間でしか解決できない(美味しくできない)」という考え方が今も広く普及しているように感じる。時間をかけることを大切にする考え方は私も好きだ。どちらかというと苦手でストレスを感じる分野のことは効率的にぱっと済ませてしまいたいけれど、好きな料理や調べもの、考えごとにかける時間はたっぷり欲しい。
殊に料理に関しては、忙しく働いていた頃は時間以上に精神的な余裕がなく、料理について考えること、調べることが難しかった。それがストレスでもあったため、数年前に勤めを辞めて真っ先に変えた生活習慣が「料理に時間をかける」ことだった。これには献立を考えたり、レシピや食材、食文化について調べたりする時間も含まれる。
そんな訳で、昨年も直売所で買った袋入り生栗を下処理し、このために初めてジュニパーベリーも買った。独特な香りが煮込み料理にとても合う。
豚と栗も相性の良い組み合わせだが、栗はジビエ全般に合う食材。今年は手持ちの馬肉と合わせ、ポレンタのような感覚で蒸したかぼちゃを添えてみた。ごぼうはたまたま半端な切れ端があるので入れてみたところ、馬肉その他食材の旨味を存分に吸って実に美味しくなる。入れずにつくってももちろん美味しい。重めの赤ワインと合わせてゆっくり味わいたいどっしりとした料理だ。
◆栗とジビエ(馬肉)、ごぼうの煮込み
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①馬肉150gは食べやすい大きさにカットし、小麦粉を軽くはたく。煮込み用の鍋または深さのあるフライパンに油またはバターを敷いて各面を焼き付け、いったん取り出す。残った油で大きめにそぎ切りにしたごぼう10㎝程度(入れなくてもよい)を焼き付ける。
②ソフリットをつくる。私はセロリが苦手なので玉ねぎ、にんじん、大根またはキャベツでソフリットをつくっているけれど、苦手でない方はセロリを使ってください。これらを同量程度ずつカットして(フードプロセッサでOK)油を敷いたフライパンに入れ、水分を飛ばすために塩ひとつまみを加えてやや強めの火でしっかりと炒める。
③ ②のフライパンにカットトマト100g程度(入れ過ぎないこと)と赤ワイン100~150㏄を加え、焦げ付いた部分もこそげるようにして①の肉を取り出した鍋に加え、煮込みのベースとする。
④ ③の鍋に肉を戻し入れ、ローリエ1枚、ローズマリー1枝、ジュニパーベリー5粒ほど、はちみつ大さじ1を加えて30分ほど煮込む。
⑤ ④に皮をむいた茹で栗を加えて15分ほど煮込み、塩と微量の醤油で味を調えて完成。できてしばらく置いた方が味がなじむ。蒸したかぼちゃと共に皿に盛る。
★馬肉にはしっかりした味付けが合うので、足りない場合は醤油に加えてウスターソースやケチャップ等、強めの味の調味料で補うのもおすすめです。
★栗は完全にむいた状態だと煮崩れるため、渋皮をやや残した状態で煮込んでいます。お好みで。なお、渋皮がついた状態だと水分を吸うため、適宜水またはスープで補ってください。
◆きのことキャベツ、銀杏のクレビヤーカ(ロシア風パイ)
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ロシアに限らず、小麦粉を練ってのばした皮にフィリングを包んで焼くパイはヨーロッパに広く分布している。ロシアらしいのはきのこと、更に乳製品を多用すること。故にこのパイも、炒めたキャベツときのこをサワークリームで和えてフィリングにする。サワークリームのこっくりとした濃厚さとほんのり効いてくる酸味がとても美味しい。きのこはしめじを使ったが、マッシュルームやひらたけでも美味しくできる。
パイ皮は基本的に「粉に水を加えて練る」だけ。ベースは薄力粉~中力粉、これに全粒粉でもラム麦粉でも好きな粉をいくらか混ぜると風味が増して良い。今回のような素朴な具の場合は少し粉を混ぜるのが私は好き。今回は国産薄力粉と強力粉、全粒粉のミックス。もちっと感に少し香ばしさが加わり、美味しい生地ができる。
先日銀杏を買ったので、キャベツにもきのこにも合うしアクセントにと少々加えてみた。なくても勿論良いが、ほくほくとして美味しい。
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①パイ皮をつくる。
小麦粉130g(今回は薄力粉100g、全粒粉と強力粉各15g)に塩と砂糖各ひとつまみを加え、ぬるま湯を少しずつ(最初は50㏄ぐらい。入れ過ぎると粉を足す必要があるので少しずつ)加えながらゴムベラでひとまとまりになるぐらいに練っていく。粉っぽさがなくなり、まとまるくらいになったらラップで包み、冷蔵庫で1時間程度ねかせておく。
②その間に具の準備。
キャベツ大2枚、カットなら1/8~1/6程度はざく切りにして蒸すか炒めるかしてしんなりさせ、しめじ1/2パックも粗くほぐして軽くレンチンするか炒めてキャベツと混ぜ、塩こしょうでごく軽めに味付け。粗熱が取れたらサワークリーム大さじ2程度(ヨーグルトで代用可)と混ぜ、フィリングとする。
③ 広い台に打ち粉をし、①の生地をだいたい2等分して細長い生地を2枚つくり、②のフィリングを上下で挟むようにして包み、端を指でねじって留めて行く。よりしっかりつやを出して留めたい場合は溶き卵を使っても。
④ 180℃に予熱したオーブンで40~45分焼いて完成。
◆野菜のボルシチ
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久しぶりにボルシチをつくったけれど、ザワークラウトを切らしていて普通のキャベツを使ったためなんとなく物足りない味に。サワークリームが足りず、添えられなかったのも敗因かも…。
パイに使ったサワークリームは今回ありあわせの市販品だが、ロシア料理に使う場合はプレーンヨーグルトと生クリームを同量ずつ混ぜ、室温で半日~1日程度置いて軽く発酵させたものを使うととても美味しい。
やはり手抜きは良くないですね、という例です。
ボルシチは普段、過去エントリのこちらの作り方をしている。今回はザワークラウトの代わりに普通のキャベツを、ひよこ豆の代わりに青えんどう豆を使用。
そろそろ秋冬の葉野菜をいろいろ買って発酵させたいな…。ちょっぴり物足りないボルシチを食べつつそう感じる今日この頃。
横浜はようやく金木犀の香りが漂い始めたのと同時にブタクサ花粉も力を得、数日前から鼻水が止まらず。落ち着いてPC仕事もできないので、できれば薬に頼りたくはないが、ここ数日は鼻炎薬頼み。よく効くのはありがたいけれど、眠気とだるさが来るんですよね・・・。
皆様もどうぞお気を付けください。