十郎梅の梅干し完成とその後(十郎梅その4~6、追記あり)
※本記事は旧ブログ(Ameba Ownd)からの引っ越し記事です。(もともとの更新日付:2023年6月26日,7月10日,7月20日)
豊橋の梅と共に、十郎梅の一部も天日干ししていた。
美味しい梅酢にひたひたに漬けていた十郎梅1)に漬けた実からの梅酢も出て、容器からこぼれそうになっていたからだ。最も梅酢少なめの3)はワインセラーに入れてあるのでもう少し漬けておく。
上が梅酢100%の十郎梅1)、その下が梅酢と塩で漬けた十郎梅2)の干し終わり。天日干し用に新たに角網を2枚買った。
網の上だと色の違いがわかりづらいが、ファスナー袋に移した状態で並べるともう少し見やすいと思う。梅酢で漬けた1)(下)がやはり色が濃い。そして干し終えてもなお十郎梅は美人ちゃん。ぽったりとしていかにも美味しそう。
この状態でひと月ほど寝かせてから食べようと思っている。味見は多分その前にするけど。(以上、6月26日分)
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その後、トラブル発生。
天日干しを終え、常温で寝かせていた十郎梅1)と2)にカビが発生した。
数日前から急激に暑くなり、35℃を超える日が続いて室温も上がった。夜でもエアコンを入れないと寝付けないほど気温と湿度が高い。
そんな中、早めに天日干しを終えた梅干しが気になり確認してみると、やはり微妙~にカビが見られる箇所がある。
幸い広がってはいないので該当箇所のみ取り除き、ホワイトリカーで消毒して冷蔵庫へ。これで様子を見、更にカビるようなら再度梅酢に戻すしかないかなと思う。
今回カビを確認したのはこの2種類。
◆梅酢のみで漬けた梅(十郎梅その1)
梅酢の塩分は20%だが、干し終えた後梅酢に戻さずファスナー袋に入れた。漬けている間に梅から出た梅酢で塩分濃度が薄まり、結果的に低塩状態になってカビやすくなったのかも知れない。
◆梅酢+塩の合計塩分8%で漬けた梅(十郎梅その2)
まあこちらはもともと低塩分ゆえ仕方がない。
とはいえ、上の「梅酢のみ」の方にやや多くカビが見られた。
梅酢で漬けた方は漬け期間を長くして十分塩がしみ込むのを待つべきなのか、或いは最初から冷蔵庫で漬けるべきか。
味は美味しいので、この漬け方は来年以降も試してみたい。
それと、暑くなってから改めて5月末~6月上旬に漬けた塩分8%前後の梅を食べるとなんだか物足りなく感じる。暑さのせいもあるだろうし、以前より梅干しをよく食べる生活になった結果かも知れない。
様々な品種・地方の梅干しを買って食べてみて、やはりある程度の塩分は必要だと今は思う。
その上で知りたいのは「どの梅(品種や状態)に対して塩何%が適当か」。梅は品種により特性が異なる。皮が薄く実がジューシーな品種(南高梅や十郎梅など)と中粒で肉厚な品種(紅映梅や谷沢梅、越の梅など)、更には杏に近い品種(豊後梅、八助梅、おうみ梅など)では、それぞれ適した塩分が違うのではないか。そんな気がする。
最近は梅を漬ける際、同品種の市販の梅干し(美味しかったもの)の塩分に倣って漬けている。谷沢梅は14%、八助・おうみは15%。
来年は南高梅も2~3キロ漬けたいと思っているが、その際には梅ボーイズさんに倣って18%で漬けてみようかな。
(以上、7月10日の記事)==================================================
一部は既に干し終えたが、塩分が低いためワインセラーに移した十郎梅3)を先週天日干しした。
何も考えずセオリー通り三日三晩干したら、乾物みたいにしわしわになってしまった。重量を計ると177gしかない。これはまずい。生梅が500g超だったのだから明らかに干し過ぎだ(私実績では生梅⇒干し終わりでだいたい元の50~60%)。この重量では蜜も出そうになく、塩分(全体で8%)から言ってもカビる恐れがあるので一旦梅酢に戻し入れ、程よく水分を吸わせてから再度干すことに。
天候都合もあって約1週間梅酢に漬けたが、見た目がふっくらするのに5日ほどかかった。乾かし過ぎてごめんよ十郎梅…。
土用入りした今日、半日ほど干して表面が両面とも乾いたので早々に引き上げ、計量すると225g。先に干し過ぎた時より大分水分を含んでいるのでとりあえず完成とし、他の十郎梅干しと同様ひと月ほど寝かせて味を比べてみたい。
天日干しも放っておくと干し過ぎることがあるのね・・・。また一つ学んだ。
(以上、7月20日の記事)
<2024年4月現在の追記>
この3種類のうち先にカビた2種類は、完成後に冷蔵庫で保管しても時々白い塊が発生した。感じから言ってカビではなく産膜酵母かも。特に梅酢だけで漬けた十郎梅1)に多く発生したので、この分は早期に食べ切った。
一方、梅酢に戻し入れ、二度干しした十郎梅3)は常温保存でもトラブルなく熟成が進んでいる。
食べてみての味の違いは、1)が最もジューシーでフレッシュ、3)が最も梅干しらしい梅干しに感じる。2)はその中間。3)は梅酢に戻し入れて二度干ししたため、梅の味がより凝縮されたせいもあるのだろう。
以降十郎梅の梅干しをつくるなら、カビにくくフレッシュさも残りそうな塩分12%程度が適当かなと思うが、入手した梅の状態にもよるだろう。
いずれにせよ、この十郎梅は初めてそれなりの量を扱ったので、様々な現象と向き合えて勉強になった。多めに送ってくださった小田原の農家さんに改めて感謝。ありがとうございました。
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