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しっかり本気の大人味、ラムレーズン好きにおすすめしたい梅月堂(鹿児島)の「ラムドラ」
今週は東京宝塚劇場に月組公演を観に行った。
私は宝塚はチケットが取れれば全組観るが、月組が最も好きである。宝塚を最初に観たのも、これまでに最も多く観たのも月組で、常にひとり観劇だし所謂ヅカ友もいないけれど、月組を観に行く時にはなんとなくホーム感を感じてリラックスできる。
現トップコンビも大好きだ。同じ人間とは思えぬ超人的な長さのスラリと美しい脚に舞台化粧が映える涼やかなお顔立ち、長いキャリアでどんな役でも彼女らしく自在にこなす鳳月杏さんと、元男役とは思えぬほど至って控えめなお人柄に見えるのに、ひとたび舞台で踊りだすと誰もが目を奪われる華やかなダンサー、トップ娘役になって一段と美しく、輝きが増した天紫珠李さん。月組らしい落ち着いたコンビである。
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今回の演目もなんというかまあ、宝塚にはよくあるのだが、現実には有り得ない設定及び世界観。演出家の昔ながらの西部劇がオレは好きなんだ!!!という趣味がひたすらに爆発している一作で、これを宝塚で成立させてしまうのがすごいと思うがある意味というかその分楽しめる。
宝塚がすごいのは、各組60〜80人の生徒にできるだけ多くの役柄や見せ場を設けていること。どこを見ても美しい世界を、余計なことを考えずにただただ堪能するのが正しい。その中に自らの推しがいるなら尚のこと、私も各組に観劇時にこっそりオペラで探す推しスターが何人かずついる。
さて、noteでは食以外の趣味、観劇内容や感想等についてはなるべく書かないつもりなので(故に高頻度で観戦しているBリーグについても同様)、今回取り上げたいのは先般兵庫の宝塚大劇場で購入したこのお菓子。
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おそらくパッケージが紫色=すみれ色(宝塚のイメージカラー)なので採用されたのであろう、鹿児島は梅月堂さんの「ラムドラ」。私は同店もこの商品も大劇場で初めて知った。初めて見るお菓子だし、美味しそうだしラムレーズンは大好きなのでとりあえず二つ買って帰ったところ、先に食べた夫が「あれ食べてみた?すごい本気のラムレーズンで美味しかったよ。皮もしっとりしていて」とやや興奮気味にコメント。
夫はどら焼きには割とうるさい。彼なりのこだわりがあって、一般的な評価軸とは必ずしも一致しないが中でも最も気にするのは皮。食感には殊の外うるさいのである。その夫が「ラムドラ」の皮を褒めている。…ということは、かなり振り切った皮、および一品であることが予想される。確かに大劇場の売り場にも「アルコールの苦手な方はご注意ください」的目立つ注意喚起がいくつもあった。それ故目に留まったというのも正直ある。
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洋酒使用で賞味期限も長かったため、油断してぎりぎりになってしまったが、いざ開封。
「梅月堂」さんなので表面には梅の焼印。可愛らしい。
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パッケージの記載は以下の通り。小ぶりなので1個あたり184kcalとやや控えめなのが嬉しい。アルコールの標準値は1%。
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割ってみると、皮は幾分薄めに見えるがしっとりと重さを感じる。皮にも洋酒が染み込ませてあるのか、或いは熟成中に餡の水分が吸収されたのか、とてもしっとりとして中の餡とよく馴染み、パサっとしたところが全くない。
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食べてみると、おお〜、と思わず声の出る本気のラムレーズン、と言おうか酒感である。パンチがある。でも奇を衒った感じではなく、あくまで完成された一品でとても美味しい。
和菓子と洋菓子のちょうど中間あたりに位置する印象を受けるのは、餡がよくできているから。この存在感のおかげで和菓子と認識できる。そうでなければとてもよくできたラムレーズン入りの洋菓子。もちろん皮も美味しい。皮はどら焼きの皮と言うよりやや洋風に寄せた感じがする。でもこのボリュームのある餡にぴったりだ。餡とラムレーズンとの合わせ方も上手。全体的によくまとまって、私は大変好きな味。食べ終わる前に「これまたリピートしたいな、東京の劇場でも買えるかしら」と思った。
よく見ると鹿児島の地酒も使われているようなので、ずしんと来る感じのどっしりとした酒感は、もしかしたらラムではなく地酒によるものだろうか。さすが鹿児島。もう何年も行っていないけれど、かつて鹿児島に工場のある会社にいた頃繁く出張していたので、行く度現地の人々の酒の強さに驚嘆させられたのを覚えている。性別も年齢も関係なく皆際限なく焼酎または日本酒を飲む。飲み慣れている。私も秋田県人なので弱くはないが、強さの質が違うと言おうか、やっぱり南の人達だなと思った、そんなことを久しぶりに思い出した。
ともかく、大変美味しかったので今週東京の宝塚劇場へ行く際「もしかしたら買えるかな」と淡く期待したが、残念ながら東京宝塚劇場では販売されていなかった。梅「月」堂さんなのだから月組公演に合わせて置いてくれても良いのに…とも思ったが仕方がない。本拠地大劇場と東京とでは広さも違うし売店の数も違う。お菓子を買うなら断然大劇場なのである。
――が。
私は思い出した。東京宝塚劇場のすぐ近く、有楽町駅から劇場へ向かう道の途中(地下鉄日比谷駅すぐ)には鹿児島県のアンテナショップ「かごしま遊楽館」があるのだ。以前もここで餡なしのかるかん(上述の前職でお世話になった方に教えていただいた。餡入りよりも私は好き)を買ったことがあり、お菓子にも強いと認識していた。入って1階の菓子売り場をのぞくと、あった!目立つところに置いておりました。やった!!
という訳で、東京近郊にお住まいの方は有楽町で、そうでなくともオンラインで取り寄せられるようなので、食べたくなったら鹿児島まで行かずとも買えることが判明。嬉しい限りである。
なお、梅月堂さんの「ラムドラ」のページを読むと、やはり時間を置いてから食べることが推奨されている。その辺りからも洋酒或いはラムレーズン好きな大人の方におすすめしたい逸品です。