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【今週の週末ワインごはん】#44 初秋のあっさりイタリアン、へべす胡椒のカルパッチョと魚のワインソテー×さつまいもの甘麹和え、梅酢をたっぷり染み込ませた焼き長芋とゴーヤのサラダ

少し前から試してみたいイタリア料理があった。
魚の腹にローズマリーを詰めてにんにくとオイルでソテーし、刻みドライトマトと黒オリーブ、白ワインを加えて香りを移しつつソースにもする、調理法を聞いただけで白ワインが飲みたくなる魚料理。「魚のワインソテー」という何の変哲もない料理名のために長く見逃していた、手持ちの料理本に掲載されているひと品である。

メインがあっさりしているので、同じくあっさりな和の甘味と塩気を合わせたくなり、つくってみたのがこの週のごはん。ちょっと作り過ぎたのはご愛嬌…。

◆太刀魚とめかじきのワインソテー

めかじきが合うのはもちろん、太刀魚も割とおすすめ

上述の一品。冷凍庫に半端な切り身があり、なんとかローズマリーを詰められそうな太刀魚と、味付けが合いそうなめかじきを使ってみた。
魚(太刀魚にはローズマリーを枝ごと詰めた)はそれぞれ水気を拭き取ってごく軽く小麦粉をはたき、強めの中火で両面に焼き目をつけるようにソテー。油には先につぶしたにんにくを入れ、香りを移しておく。

ここに種を抜いて刻んだ黒オリーブ、ドライトマトがなかったので半割〜四つ割にしたプチトマトを加え、白ワイン(酸味のあるタイプ)を50ccほど注いでフランベし、蓋をして魚の中まで火が通る程度に蒸し焼き。
ドライトマトを使う場合はトマトも黒オリーブも細かく刻んだ方が味が出て美味しいと思う。今回はトマトが生のため敢えて大きめにし、歯触りを活かした。あれば仕上げにイタリアンパセリを加えるとより美味しいと思う。この日はかぼすを添えた。

魚は鯛やすずき等をまるごと使ってふっくら焼き上げると、この料理の良さがより活かせると思う。要領がわかったので今度はまるごとの魚で試してみたい。

◆へべす胡椒のカルパッチョ

かぼすとへべすを添えました

へべすの果汁で白身魚を軽くしめるととても美味しい。へべすやかぼすの産地でよく見られる手法で、それを使ったお寿司も美味しいけれど、この日は最近仕込んだへべす胡椒でドレッシングをつくり、カルパッチョに。
野菜が多過ぎてお刺身サラダみたいになってしまったが、美味しい。もちろん柚子胡椒でも美味しくできる。

刺身用の白身の魚(鯛など。今回はかんぱち)を食べやすい薄さに切ってへべす(かぼすやシークワーサー等でも)の果汁を絞り、しばらく置く。
その間に酢・砂糖・植物油(米油やオリーブオイル等。今回はグレープシードオイル)・微量の醤油・へべす胡椒を混ぜたドレッシングを用意し、サラダ野菜と魚を盛り合わせてドレッシングをかけて完成。

以下で使った甘麹と梅酢もワイン食に合わせてみたかったもの。工夫は必要だが、相性自体は悪くないと思っている。

◆甘麹(甘酒)とさつまいも、うずらの卵(まだ試作段階)

さつまいも+ゆかりは揚げさつまいもだとより美味しそう

さつまいもはワイン食の時によく使う。りんごやプルーンと合わせてアグロドルチェ風に仕上げることが最も多いが、ピーナツバターで和える時も、きな粉を使う時もある。
それと同列で思い付いたのが甘酒(甘麹)で和えること。この場合、他の調味料と違って水分があるので吸わせるためにクコの実を、また甘味に偏り過ぎているので塩気か酸味を加えるべく、試しに自作のゆかりを少々。うずらの卵も塩気とボリュームを出すため。これはありだと思う。

うーん、合わないことはないけれど、もうちょっと美味しくつくれるよね、というのがこの日の自分的感想。さつまいも+茹で卵+甘酒、+最適解は何か??という辺りでまだ迷っている。カリカリしたナッツかも知れないし、ツナやチキン、生ハムやサラミ等の塩気かも知れない。りんごのある時期なら単純にりんご+さつまいも+甘酒で良かったのかも。
この辺は食べる量や周りの品にもよるのでもうちょっと検討。もしかして生姜汁を入れれば落ち着いたのかなあ…。

◆梅酢を吸わせた焼き長芋とガーリックゴーヤのサラダ

元々別の料理をつくるつもりで、途中で気が変わってアレンジした結果、たいへん美味しくできた。ポイントは、ちょっと面倒ではあるものの、長芋とゴーヤを別々に調理すること。

長芋は短冊切りにしてフライパンで各面焼き目がつくようソテーし、仕上げに白梅酢をたっぷり吸わせる。
ゴーヤは薄切りにし、にんにくのみじん切りと共に軽く炒める。
これらとつぶした梅干し1〜2個分の梅肉を和えて完成。
これがまあ、想像以上にすごく美味しい!ワインにも合うしビールやその他のお酒にも合う便利な一品。この日夫が最も喜んだのがこれ。おすすめです。

あとは作り慣れた二品。ちょっとのつもりがつい多く…。

◆茄子のアンチョビケイパーパスタ

拍子木切りの茄子をにんにく、アンチョビ、ケイパー、赤唐辛子とじくじく炒めてショートパスタと合わせる一品。癖になるおつまみパスタです。

◆グリンピースの塩煮

グリンピースは本来春の豆ではあるけれど、この甘さが食べたくなって冷凍もので。
玉ねぎと味出し用の刻み生ハムを炒めたところにグリンピースを加えて軽く煮、塩こしょうで味を整えるだけ。とろりと煮えたグリンピースはそれ自体で美味しく、生ハムも要らなかったかも。

ワインがすすむ盛り合わせ

さすがに食べ切れず、何品かは少しずつ残ったものの、作りたいものを作れて満足。さつまいも+甘麹はこの後も改良を加えつつ何度か登場するかも。あまり和風寄りにしたくないな、という思いで葛藤中です。

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