客観性の落とし穴・村上靖彦(精神分析学博士)著 を読んでの文 2
※(本題)
△本書中で、故 宮野真生子 氏(元 福岡大学 文学部准教授・哲学者)(九鬼周造の研究者)が言う ところでは ・私が偶然を問い 語ろうとするのは、生きていること、生きようとする力 が始まりであると。
※ 私見では、その通りと思われますし、そして 生きるということは、汎神論中でそうなっている。喜怒哀楽の物語を紡ぐ為、永遠の 虚しさ・悲しみを遠ざけるために。(形而上)
・そして、宮野真生子 先生は、私は 生きるために、言葉を紡ぐと。(ガンの闘病中、様々な思考の上で)
※ これは 私の解釈では、自分が納得できる 生き方をしろ、と同義です。
(キルケゴール実存主義的、但し 他人を犠牲にしなければ よしですが)
△著者 村上氏は、生きる ということは、存在するという 偶然性に根っこを持つと。
そして (著者談)、故 宮野氏は、誰かに語る(自分にも)という行為において、自分自身の生という偶然に、意味を与えることが できたはずだと。
※ 素晴らしい 考えだと思います、そして 物語は 人にとっても、世界にとっても、重要だと考えます。(小説・映画も)
△本書中には、統計学に対しての、興味深い意見と内容あるものが 書かれています。
・おおまかには、人の経験と、感情・感覚的(クオリア)ものが 大切との内容です。
△著者 村上氏は、客体化(人をもの化)と数値化(データ・数式)だけが、真理の場ではないと、訴えています。
そして、客体化と数値化のみで、偶然性やダイナミズムが失われることを、危惧されています。
※ 私見では、正論と思いますし、偶然性がなければ、なんの面白味もない、活力と創造性もない 世界になってしまい、よからぬことと考えます。
そして 別の面からの考えで、ダイナミズムには 主体的にが いります。
将来の AI 全面依存は、主体性が損なわれる 危険性があると思われます、ので注意が必要です。(まだ 先の話らしいですが)(今でも似た意味で、TV・エンタメに脳みそ溶かされいる人もいますが)
・あと、毒親が子供に 一から百まで偉そうに命令するも、子の主体性が 全くなくなり 問題です。(一般家庭より 度が過ぎる)
△著者は、人間の調査では、経験の内側に視点をとる、思考法を推奨されています。
※ 私的には、この方法は デザイン思考と 似ていると思われます。(インタビューで、言葉の特徴・ささいな一言 等に注目とか)良い内容と思います。
・著者は、現象学的といっています。
△本書では、語りの重要性、一人一人の分析が 意味がある、ということが示されています。
(文学にも通じる ことであると。そして、一般的な 思い込みの、思考の暴力を 避けらると言われています)
※ 大正論です。
△著者 村上氏は、本書で 個別と偶然を擁護した(認めた)とき、人は 序列の縛りから解放されると。(自由 平等 友愛 的へ)
※ 私見で、前記のことは、自分の経験以外を認めたとき、他者に理解を示そうと努力したときと 思われます。
これは 超客観力であり 、スピノザのいう第三種認識でもあります。
・因みに このことは、TV エンタメ、拝金主義、自身の仕事 のみ に洗脳されている人には、遠いことがら でもあります。
△本書中には、映画「さとに来たら ええやん」でのことが 紹介されています。
・映画中の例として、知的障害あり 家は貧困家庭の主人公が、全校集会での スピーチのことで。(支えてくれる仲間に感謝と、バカにされる悔しさもありと、そして 将来の夢を語る 内容)
※ 私的に、この箇所を読んで 思ったことは、仲間というのは 本当に大事ですし、そして 人は、論理などわからずとも 感じることができる、そして 相手のことを本気で 思っているなら、通じるということです。(大人の利害とかではないもの)
そして、人の行為は 感情(気持ち)からであると。
△本書には、ドイツの思想家・ヴァルター ベンジャミンの言葉が紹介されています。
・普遍的ものは、平均的なものではない、理念(ヴィジョン・理想)こそが普遍的ものなのだ。
※ その通りだと思います。
△本書中 著者は、経験の個別性がもつ真理は、他の誰にとっても 真理であるのでは ないかと、感じていると。
※ 私見で、現実的に考えて、確かに 同じ様な境遇・経験・遺伝子があれば、当てはまることは あると思われます。しかし、現実では そのようなことは ある程度しかないので、ケースバイケースということに なります。
(当事者ごとに 歴史がある。当事者ごとに真理がある です。もちろん、共通するもの・わかり合えるものも 人には多くあります)
・ そして 違っていても、何かの合意形成はいります。(よい社会のために)
また 違っていても、黙認することも あります。(理性的 人間は)
△著者は、個別の経験を尊重するは、あらゆる人権を尊重するに 繋がると主張されています。
※ このことは、正しく 重要なことと思います。しかし、前記のことを 全て実行しようとすると、莫大な資金と時間がいり 難しい面があります。けれど、人として 理想は忘れてはいけないので、(理想を忘れた人間は ただの喋る猿)現実に合わせた、やり方が望まれます。
・あと 関連しては、現実を無視して 理想ばかりは、新興宗教と同じ類い・妄想老人ナルシスト・あとで、全体が悪くなる、何かの虐殺にも繋がる、そして 法に触れない 殺人のやり口もする(集団ストーカー) 等、警戒がいります。
△本書中 著者は、ケアのコミュニティが 密かに広がっていると。そして、国家によるサポートが必要・義務であると 強く主張されています。
※ 私見では、確かにそうだとは思われますが、(ここでは現実的 考えがいる)福祉全体主義で 国家がなくなれば、つまり 国の産業 潰れれば・国が借金まみれで(特に外国から、あと 国債格付け落とされるで)財政破綻したら、サポートするもなにも なくなってしまう。(高利貸しのIMFから借りることになる・経済合理性だけを 押し付けられる)
※ こういった 財政のことを知らずが、左派は経済音痴と言われる 所以なのでしょう。
△この書には、ケア労働を 正当に評価することがいると。あと、非正規労働
等の低賃金を 是正することがいると、訴えられています。
※ このことは、経済学者 ミノーシュ シャヒク氏 等、多くの方がいわれています。(税の抜け穴塞いで、または 既得権益を解体して、得た資金を補助・助成へ回すが 理想ですが・世界各国で)
※ あと この書には、福祉関係の意見が いろいろと 記されています。
(政治 左派的 意見)
※以上が、客観性の落とし穴 を読んでの、感想と考えの文です。
・世の中、理想を語ることも 必要です。
そして、現実に合わせ 、少しでも良い方向へ行けばと 願っています。
(スカラー功利主義 必要)
※(終)
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