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24話 ペペロンチーノを君と

カカさんの実家の帰り道。
ココちゃんは卒園式の準備で練習中の歌を歌いながら寝てしまった。

大きな庭で走り回って遊んだから、疲れたんだろうね。

4月から本園に移る事が決まって、夫婦でホッ。
ニコちゃんとかおんなじクラスの仲良しのお友達も本園に決まったみたいだ。

帰りの車でカカさんに「何聴きたい?」って聞いたら「トトさんのプレイリスト。」って言うから、オレがまとめてるSpotifyを掛けながら帰った。このプレイリストにはオレの好きな曲もカカさんの好きな曲も入ってる。カカさんは割とロックが好きなので、軽快なナンバーも数多く、ドライブに合う。
途中の渋滞も気にならないくらい楽しいドライブで家に到着した。
速攻でココちゃんとお風呂に入って、そのままココちゃんをふとんに寝かせた。オレもその後疲れてソファーで寝てたみたい。夢の中で、お腹がすいて目が覚めた。。

「21時半?!」
まだまだまだまだ楽しめる時間だっ!

急にスイッチが入って、週末用に取っておいた白ワインに手を伸ばす。キューズモールのカルディで買ってた、飲むのを楽しみにしてたスペインのシャルドネ。
柑橘系のフルーティーな香りがオイル系パスタによく合います、ってポップに書いてたのが気になって購入したやつ。

何品かささっと作った後、急にスイッチが入ってワインに合うペペロンチーノを食べたくなった。と同時にカカさんにペペロンチーノを食べさせたくなった。

オレはパスタを作るのが好きだ。大抵のストレスはパスタを作るだけで吹き飛んでしまう。こんなに楽しい晩は尚更作りたくなる。

当然、ペペロンチーノ作りにもこだわりがある。
ペペロンチーノはとてもシンプルな料理だ。だからこそ、難しい。
使う食材は、オリーブオイル、にんにく、唐辛子、イタリアンパセリ。みんなご存知の通り、これだけ。

この4つしか使わないのに、イタリアンパセリを軽視する人がとても多い。これを適当に入れたり、乾燥パセリで済ませたり、もしくは入れなかったりして、味を整えるためにコンソメを使う人もいるけどオレから言わせると邪道だ。

イタリアンパセリから出る野菜の出汁、というかある種のえぐみと香りがペペロンチーノに深みと美味しさをもたらせる。
だから、代わりに菜の花とかもすごく合う。

で、今日はよもぎ。この和製ハーブの代表格をペペロンチーノに入れるよ。

刻んだにんにくをオリーブオイルに入れて、オイルに香りを付ける。その後によもぎを投入。オリーブオイルと熱がよもぎの緑を鮮やかにしてくれる。唐辛子は種を含めて2本。焦げないように丁寧に火を入れる。
パスタの茹で汁が残り2分あたりになったところで、茹で汁を入れてフライパンの上で揺らせて乳化。最後に水気をよく切ったパスタ麺をソースに絡ませて完成。仕上げにオリーブオイルを上からかけるよ。

完成!あっつあつのうちに食べよう!

「美味しい!」
カカさんが大満足の笑顔。自信あったけど、この笑顔のために作ったからやっぱりうれしい。
ココちゃんにも食べさせたいな。刺激強すぎるか。

まだワインは残ってるよ。もう少し、この週末の夜を楽しもうか。


ハーブ、アロマオイル、野菜。カカさんらしい春の感じ方が満載のお話はこちらから!

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