社葬はケチ臭くやるぞ!
父である会長の社葬をやろうと思い、
うちの総務部長と一緒に、
とあるホテルに相談に行った。
ここは、
以前から忘年会や新年会、
設立40周年記念式典などを、
やらせてもらったところで、
担当者さんも顔なじみであった。
お別れの会についての説明を受けた。
一番高いので1000万円もするものもあった。
これは、3つある大広間全てを使い、
お返しから、立食形式のバイキング、
さらには、故人の略歴のボードなど、
それはそれは豪華絢爛なものだった。
簡単にやろうと考えていた私は、
はあ〜と呆気に取られていた。
まあ、担当者さんも営業です。
すぐにこの空気を読んだのか、
いやいや、これはかなり立派で、
なかなかこの辺りじゃやらないです。
と言ってくれた。
ホッとした私からお願いしたことは、
このプランが松として、
松竹梅と3種類のプランを、
出してもらうことだった。
帰り総務部長とCOCOSでお茶をした。
やっぱりある程度立派にしないと、
世間体とか気にしないと行けないかな…
と2人で話をしていたが、
こんなに金かけるなら、
社員のボーナスを増やした方が良くないかな?
なんて話になった。
私の父はいつもどこかで、
社員の手取りがどうなるのか?
社員がどうしたら稼げるのか?
と口癖のように話をしていた。
その父が自分の葬儀を豪華にすることを、
望んでいるのだろうか?
そんなことを思うと考えもはっきりしてきた。
できるだけ簡素にやろう!
それが会長の意志だよ。
きっとそうだ。
そう言うと、
会長なら金なんかかけるなって、
言いそうですね。
と総務部長が笑顔をこちらに向けていた。