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高天原はどこにあったのか?古事記が実話を元に書かれたとしたら…
天孫降臨はどこからか
前回は天孫降臨のお話。
ニニギノミコトが天下り、宮を構えた地に建つ白人神社について書きました。
今回は、ニニギノミコトがどこから天下って来たのか。
古事記によると、高天原から天孫降臨されたとあります。
では、その高天原はいったいどこにあるのか?
そんなお話を書いてみます。
元祖高天原と二代目高天原
阿波説によると、高天原は元祖高天原と2代目高天原に分かれます。
元祖高天原は、徳島県美馬市木屋平貢(みつき)。
徳島県最古の住宅が重要文化財に指定されている三木家住宅が建つ辺り。
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二代目高天原は、上一之宮大粟神社が建つ神山町を中心としたエリアと言われております。
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皇室祭祀にとって、最も重要な高天原は元祖高天原。
イザナギとイザナミの国生みが上手く進まなかった時、2柱の神がお伺いに登ったのも元祖高天原。
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ニニギノミコトが天孫降臨されたスタートの地も、元祖高天原なのだと思います。元祖高天原とされる美馬市木屋平から、白人神社がある地まで。
穴吹川を下れば最短ルートです。
途中に現れ、道案内をされた猿田彦大神とどの辺りで出会ったのか。
そんなことを考えながら、天孫降臨ルートを走るのはワクワクしかありません。家内に言わすと変人なのですが、私からすると、この浪漫が分からない方が変人。そう思うのですが。(笑)
高天原を守り続ける三木家
元祖高天原との伝承がある美馬市木屋平貢(みつき)には、
忌部氏直系の子孫である三木家が現在もその地に存在し、古からの聖地を守り続けておられます。
重要文化財として三木家住宅は指定されておりますが、その価値は建物の古さではなく、天皇家の発祥から延々と、どこにも移動せずに国家の継続を裏で担い続けていること。
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大嘗祭とは
どういうことか。
皆様は大嘗祭という言葉を耳にされたことがあると思います。
昭和天皇が崩御され、平成天皇が即位される時。
近年では、平成天皇が譲位され令和天皇が即位された時。
テレビ報道は全ての局が大嘗祭の様子を中継していましたね。
その様子は、世界へ発信され、日本国の天皇が新しく即位されたことを伝えました。各国の要人の皆様もお祝いに駆けつけていましたね。
それほどまでの国家行事。
いつから始まったのでしょうか。
忌部研究の権威である林博章先生の著書によると、
初代天皇である神武天皇のころには既に大嘗祭は行われてたとあります。
厳密には、途中途絶えた記録もありますが、基本として天皇即位の大嘗祭は新天皇が即位される際に、欠かすことができない重要な神事。
ニニギノミコトが天孫降臨された使命。
高天原から斎庭の穂を持たれて降臨されたことから分かるとおり、
稲の実り多き豊葦原之瑞穂国(とよあしはらのみずほのくに)を作ること。
現代も続く皇室の祈りであり使命なのです。
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新嘗祭と大嘗祭の違い
毎年、11月23日に行われるのが新嘗祭。
戦後から勤労感謝の日となりましたが、元々は新嘗祭の日です。
この日天皇は、宮中の神々と歴代天皇霊をお迎えし、お接待をする。
豊穣と国家の安寧を祈り、各地から献上された食物を神々と共に食する儀式。
大嘗祭とは、新天皇即位後初に行われる新嘗祭。
歴代天皇霊 大王霊を新天皇に移す儀式が行われます。
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その神事に必要不可欠なものが麁服(あらたえ)。
大麻で織られた布です。
古代より、神の霊の依り代として大麻で織られた布は重要な存在でした。
邪気を払う神聖な布としての意味を持ち、伊勢のお札も神宮大麻と書かれているほど。大麻取締法ができる前までは伊勢のお札も麻が使われていたのでしょう。
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麁服(あらたえ)
話戻って麁服(あらたえ)。
どこで栽培されても良い。どこで織られても良い。
というわけには参りません。
今も昔も、元祖高天原とされる美馬市木屋平で収穫され、かつ、忌部によって織られたものでなくてはならないのです。
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しかもこの麁服だけは、他の由加物(献上品)と違い、誰の手も介さずに、御殿人(みあらかんど)と呼ばれる麁服の制作を統括する人が直接、大嘗宮へ調進しなければならないのです。
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そしてそれが許されるのは忌部氏の直系の末裔のみ。
忌部でなくてはならぬのです。
すごくないですか。
ぶっちゃけ、この事実だけで、高天原は阿波にあって、アマテラスはじめ、皇室のルーツも阿波から始まった。そう思うのですが・・・。
でも、それを語ってはダメなのでしょうね~。語ってますが・・・。
大王霊と共に祈られる天皇陛下
新天皇が即位される際、麁服を依り代に大王霊が降ろされます。
大王霊が降ろされた麁服の上に新天皇がお休みになり、
麁服を依り代とした大王霊が新天皇へ移られる神事。
新天皇の御身体に大王霊がお入りになるのです。
この儀式により、天皇としての神威、霊力を継承する。
大嘗祭とは、古より新天皇が名実ともに天皇になるための最重要神事なのです。
そして昔は毎年の新嘗祭で、新たに大王霊を呼び入れる儀式が行われていたそうです。
もうすぐ11月23日。勤労感謝も大切ですが、その日は新嘗祭。
天皇陛下はきつい神事をこなされております。
国民のため、世界の民のための祈り。
同時刻、ご一緒に国家安寧と世界平和を祈ってみてはいかがでしょうか。
三木家と山崎忌部神社の役割
最後に、忌部氏直系として、この神聖な聖地を守り続けてくださっている方がいる事を知っていてください。
三木家の方の宿命というか、誰も変わりが効かないお役目。
国民のほとんどが知らないことだと思います。
今も昔も、天皇陛下が即位される大嘗祭の陰で、
汗を流して来た方が居たこと。神武天皇の時代からですよ。
本当に感謝しかないですよね。
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大麻取締法ができたので、麻の種を所有することができなくなり、
大嘗祭のための種は他の地から調達されることになりました。
しかし、栽培されるのは元祖高天原の地。
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収穫した大麻を糸を、反物に仕上げる工程は山崎忌部神社で行われています。
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ここまで元祖高天原にこだわり続ける理由。
ここでなければならないからなのでしょうね。
本日も最後までお読みいただきありがとうございます。
徳島の秘密、面白いですよね。
何度も遊びに来てくださいね。
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注)三木家資料館は土日のみ開いてます。平日は見学できませんよ。無料