トーキョー・スイートフォンデュ
「ファカセ!ファカセ!」
助手が大荷物を持って、研究室に飛び込んで来た。
「ファカセの、言ってた、ことが、フォントだったんですよ」
「志摩くん、落ち着きたまえ」
「見つかったんです、新島で」
助手は息を整えたあと、机の上に汚いカバンを置き、ファイルを取り出した。
「現在の掘削場の写真です」
そこには地面に掘られた広い穴と、むき出しの地層が映っていた。周りの作業員は腰に手を当て、それを見ている。
「え? この茶色いの?」
「はい!ジュラ紀の地層の中に、硬いチョコレートの層があっ