![見出し画像](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/141231184/rectangle_large_type_2_9887e6dc73a494b630ba8093109569fb.jpeg?width=1200)
北斎が描いた涼やかな滝の流れ。諸国瀧廻りイヤアクセサリー #すみだ北斎美術館コラボ⑥
北斎が描き分けた水の流れを耳もとに。2つのデザインコンセプトで表現された滝モチーフのイヤアクセサリー。
こんにちは、ミュージアム部の内村です。今回は、すみだ北斎美術館コラボ企画第2弾で作ったグッズ、「諸国瀧廻りイヤアクセサリー」のご紹介とともに、モチーフとなった作品の「諸国瀧廻り」についてお話ししたいと思います。
葛飾北斎「諸国瀧廻り」とは?
「諸国瀧廻り」は北斎が日本全国の滝の名所を描いた錦絵シリーズです。北斎の大ヒットシリーズだった「冨嶽三十六景」に続き、天保4年(1833年)ごろ、江戸の地本問屋「永寿堂」から発行されました。
![](https://assets.st-note.com/img/1715655471405-t3CWqaWzK2.jpg?width=1200)
シリーズは全8図からなり、描かれている滝は豪快に流れる大瀑布から、岩肌を流れる岩清水のようなものまで、多様な水のかたちをとらえて表現されています。
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」でも独特の波や水しぶきのデザインに驚かされましたが、この「諸国瀧廻り」においても、北斎らしさは存分に発揮されており、8種の滝それぞれの特徴を楽しむことができます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716281339039-RZ26Yfn6Km.jpg?width=1200)
「諸国瀧廻り」をよく見てみると、どの滝にも人物が描かれていますが、これには江戸の旅行ブームが背景にありました。
江戸時代後期になると歩道整備が進み、暮らしにも余裕ができたことで各地の名所を訪れる人びとが増えていきました。そのため「諸国瀧廻り」で描かれた滝には、観光地として滝を楽しむ人びとの姿が描かれています。
![](https://assets.st-note.com/img/1715157083475-h65TQ3O9sK.jpg?width=1200)
「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」を見てみると、滝の側では重箱のようなものを前に語らっている男性が描かれています。このように自然豊かな風景の中に、江戸時代の人びとの暮らしを垣間見ることができるのも「諸国瀧廻り」の楽しさです。当時の人も、滝の流れる涼やかな空間に心癒やされていたのかもしれません。
滝の流れを概念的にデザインに落とし込んだ
イヤアクセサリーの誕生
そのような北斎の描いた涼やかな8種の滝を、涼やかに耳もとにまとうことができたなら……そんな想いで「諸国瀧廻り」で登場する関東・中部の滝、関西・中部の滝を2つのデザインコンセプトに分けて、涼しげな印象のイヤアクセサリーを作りました。
諸国瀧廻りイヤアクセサリー〈関東・中部の瀧〉
関東・中部地方の滝は、いずれもタッセルパーツを使ってデザインしました。北斎が表現した2色の水の流れをお楽しみいただけます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183019271-wuIKMzznzI.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716183036710-iyTgAYYcSw.jpg?width=1200)
1:相州大山ろうべんの瀧
![](https://assets.st-note.com/img/1716281420121-9ZKGSrT8ov.jpg?width=1200)
相州大山ろうべんの瀧には、相模・大山が霊山であり江戸近郊である事から、多くの参詣者が訪れました。大山講と呼ばれる団体を組み、奉納する木太刀を持って登頂しました。本図は大山寺の開山の名がついた良弁滝で水行を行う人びとの様子を描いています。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183524942-mDWarcjRPf.jpg?width=1200)
イヤアクセサリーにする際にこだわったのは水表現です。2色のタッセルを使い、高所から流れ落ちる滝をイメージしています。チェーンパーツの先にレイアウトしているガラスパーツは水しぶきに見立てています。
2:下野黒髪山きりふりの滝
![](https://assets.st-note.com/img/1715146685173-8Yeo4wvDEX.jpg?width=1200)
霧降の滝は、日光三名瀑の一つ。現在でもよく似た景色を見る事ができます。日光東照宮への参詣の際、多くの旅人がこの場で疲れを癒したのだそう。北斎はこの滝をひときわ大きく捉え、全図の中でも迫力満点の画面に仕立てています。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183081526-Uks9iNszFk.jpg?width=1200)
このデザインでは枝分かれして流れる滝を、3つの短いタッセルを使って華やかに表現しています。チェーンの先にはドロップ型のガラスパーツをあしらい、ワンポイントにしました。
3:東都葵ヶ岡の滝
![](https://assets.st-note.com/img/1716281494231-ktmlTcR5VY.jpg?width=1200)
葵ヶ岡は現在の赤坂溜池の東端辺りを示しています。堰から水が落ちてゆく様を描いたもので、実際は滝とは呼べず、江戸の身近なものとして採り上げたと考えられます。滝の水を点描で表現したのは北斎独特の表現です。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183139124-KMFFu93Eiw.jpg?width=1200)
現在は存在しないこの滝の特徴は、ため池の堰と、そこからの流れ。ため池の特徴的な形状をそのままシルバーパーツに落とし込み、3つのタッセルが揺れるイヤアクセサリーにしました。
4:木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧
![](https://assets.st-note.com/img/1716281564450-42K1ntbjfu.jpg?width=1200)
阿弥陀ヶ滝は岐阜県北端に位置する名瀑。本図は実際の光景とは違い、北斎流に練り上げられたものです。抽象的に処理された上流の流れと、滝壺まで一気に落下する水との異なる表情を大胆な構図で描き上げています。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183167208-1CBivsVRZ3.jpg?width=1200)
特徴的に丸く描かれている滝口と、波の揺らめきをエポパーツで表現しました。そこから流れ落ちる滝はシルバーキャップを中心に下に広がるデザインとなっています。
ミュージアム部×すみだ北斎美術館
諸国瀧廻りイヤアクセサリー〈関東・中部の瀧〉の会
月1組 ¥2,500 (+10% ¥2,750)
※1組だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。
諸国瀧廻りイヤアクセサリー〈関西・中部の瀧〉
関西・中部地方の滝は、複数のチェーンパーツを使ってデザインしています。耳もとで輝きながら揺れるパーツをお楽しみください。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183209368-VUS88AZsmE.jpg?width=1200)
![](https://assets.st-note.com/img/1716183225779-KQ0zfNcj9Q.jpg?width=1200)
1:和州吉野義経馬洗滝
![](https://assets.st-note.com/img/1715166107569-DTt8XytKUT.jpg?width=1200)
義経が滝で馬を洗ったという伝説から、北斎が興味を持って取りあげたと考えられる滝。滝の名にちなんで馬を洗う2人の男性が描かれていて、斜面を段々に流れる滝はさまざまな水の動きを表現しています。和州は現在の奈良県(大和)を指します。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183241577-WmihZIhygk.jpg?width=1200)
高所より蛇行しながら流れ落ちる特徴的な滝の姿を、らせん状のシルバーパーツとチェーンを使って概念的に表現しています。耳もとで揺れるたび、チェーンに取り付けられたクリスタルパーツがキラキラと輝きます。
2:美濃ノ国養老の滝
![](https://assets.st-note.com/img/1716281604140-7ps4ieXa7a.jpg?width=1200)
養老の滝は岐阜県養老町にある名瀑。豊かな水量が特徴で30メートル真下の滝壺へ落下し、四方へ霧の如く散ってゆくさまを描いています。臨場感溢れる画面は本揃物の中でも群を抜く作品といえます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183258765-7hCZHnRQHF.jpg?width=1200)
迫力のある水量で流れ落ちる滝を5列のチェーンで表現しました。山間の緑をイメージしたアセテートパーツをあしらい、ワンポイントにしています。
3:木曽海道小野ノ瀑布
![](https://assets.st-note.com/img/1715167040573-OzaGb2CEOb.jpg?width=1200)
中山道(木曽街道)木曽にある小野の滝は現在も豊富な水量をみせる名瀑。滝を左に寄せ、奥行きが出たことで名状し難い雰囲気が漂います。
落下する水、うねる水、ゆるやかに流れる水を描き分ける北斎の観察力の確かさがうかがえます。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183276835-3jjoPQ6Nie.jpg?width=1200)
高所より一気に落下する小野ノ瀑布の姿をチェーンパーツとクリスタルパーツで涼し気に表現しました。
4:東海道坂ノ下清滝くわんおん
![](https://assets.st-note.com/img/1716281733334-qaJmIJDXW7.jpg?width=1200)
この清滝は、かつての東海道坂下宿にある滝。滝の石窟が傍らにあり清滝観音、岩屋観音とも呼ばれていました。多くの人びとが参詣に訪れ、周囲は茶屋等で賑わったといいます。滝といっても岩清水が岩肌 を流れ落ちる程度だったのだそう。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183291763-HAI6Anefr2.jpg?width=1200)
岩肌を緩やかに流れ落ちる水の流れを、オリジナルのシルバーパーツで表現しました。
![](https://assets.st-note.com/img/1716183309210-m9ygB2iqVV.jpg?width=1200)
諸国瀧廻りイヤアクセサリーは、ピアスとイヤリング、お好きなタイプをお選びいただけます。北斎が描いた全国各地の滝の名所を耳もとにまとって、お楽しみください。
ミュージアム部×すみだ北斎美術館
諸国瀧廻りイヤアクセサリー〈関西・中部の瀧〉の会
月1組 ¥2,500 (+10% ¥2,750)
※1組だけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。
すみだ北斎美術館(東京)でも発売!
![](https://assets.st-note.com/img/1715167521812-5Ynrkx5fBH.jpg?width=1200)
今回のコラボ企画グッズ第2弾は、すみだ北斎美術館のミュージアムショップ及びオンラインショップでも販売予定です。浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)が生まれ、生涯のほとんどを過ごしたゆかりの地・墨田区亀沢にあるミュージアムで、北斎作品とともにグッズをお楽しみください。
すみだ北斎美術館
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号
開館時間: 午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)
※最新の情報は公式HPでご確認ください。
すみだ北斎美術館×ミュージアム部の
コラボ商品はこちらから!
ミュージアム部グッズをまとめて見るならこちら!
ミュージアム部SNSでは
グッズ情報や部員注目のアート情報を発信中!
![](https://assets.st-note.com/img/1715167521448-vo73CIdFA9.png?width=1200)
#スキしてみて
#歴史
#つくってみた
#江戸時代
#浮世絵
#葛飾北斎
#滝
#フェリシモ
#ミュージアムグッズ
#フェリシモミュージアム部