北斎が描いた涼やかな滝の流れ。諸国瀧廻りイヤアクセサリー #すみだ北斎美術館コラボ⑥
北斎が描き分けた水の流れを耳もとに。2つのデザインコンセプトで表現された滝モチーフのイヤアクセサリー。
こんにちは、ミュージアム部の内村です。今回は、すみだ北斎美術館コラボ企画第2弾で作ったグッズ、「諸国瀧廻りイヤアクセサリー」のご紹介とともに、モチーフとなった作品の「諸国瀧廻り」についてお話ししたいと思います。
葛飾北斎「諸国瀧廻り」とは?
「諸国瀧廻り」は北斎が日本全国の滝の名所を描いた錦絵シリーズです。北斎の大ヒットシリーズだった「冨嶽三十六景」に続き、天保4年(1833年)ごろ、江戸の地本問屋「永寿堂」から発行されました。
シリーズは全8図からなり、描かれている滝は豪快に流れる大瀑布から、岩肌を流れる岩清水のようなものまで、多様な水のかたちをとらえて表現されています。
「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」でも独特の波や水しぶきのデザインに驚かされましたが、この「諸国瀧廻り」においても、北斎らしさは存分に発揮されており、8種の滝それぞれの特徴を楽しむことができます。
「諸国瀧廻り」をよく見てみると、どの滝にも人物が描かれていますが、これには江戸の旅行ブームが背景にありました。
江戸時代後期になると歩道整備が進み、暮らしにも余裕ができたことで各地の名所を訪れる人びとが増えていきました。そのため「諸国瀧廻り」で描かれた滝には、観光地として滝を楽しむ人びとの姿が描かれています。
「木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧」を見てみると、滝の側では重箱のようなものを前に語らっている男性が描かれています。このように自然豊かな風景の中に、江戸時代の人びとの暮らしを垣間見ることができるのも「諸国瀧廻り」の楽しさです。当時の人も、滝の流れる涼やかな空間に心癒やされていたのかもしれません。
滝の流れを概念的にデザインに落とし込んだ
イヤアクセサリーの誕生
そのような北斎の描いた涼やかな8種の滝を、涼やかに耳もとにまとうことができたなら……そんな想いで「諸国瀧廻り」で登場する関東・中部の滝、関西・中部の滝を2つのデザインコンセプトに分けて、涼しげな印象のイヤアクセサリーを作りました。
諸国瀧廻りイヤアクセサリー〈関東・中部の瀧〉
関東・中部地方の滝は、いずれもタッセルパーツを使ってデザインしました。北斎が表現した2色の水の流れをお楽しみいただけます。
1:相州大山ろうべんの瀧
イヤアクセサリーにする際にこだわったのは水表現です。2色のタッセルを使い、高所から流れ落ちる滝をイメージしています。チェーンパーツの先にレイアウトしているガラスパーツは水しぶきに見立てています。
2:下野黒髪山きりふりの滝
このデザインでは枝分かれして流れる滝を、3つの短いタッセルを使って華やかに表現しています。チェーンの先にはドロップ型のガラスパーツをあしらい、ワンポイントにしました。
3:東都葵ヶ岡の滝
現在は存在しないこの滝の特徴は、ため池の堰と、そこからの流れ。ため池の特徴的な形状をそのままシルバーパーツに落とし込み、3つのタッセルが揺れるイヤアクセサリーにしました。
4:木曽路ノ奥阿弥陀ヶ瀧
特徴的に丸く描かれている滝口と、波の揺らめきをエポパーツで表現しました。そこから流れ落ちる滝はシルバーキャップを中心に下に広がるデザインとなっています。
諸国瀧廻りイヤアクセサリー〈関西・中部の瀧〉
関西・中部地方の滝は、複数のチェーンパーツを使ってデザインしています。耳もとで輝きながら揺れるパーツをお楽しみください。
1:和州吉野義経馬洗滝
高所より蛇行しながら流れ落ちる特徴的な滝の姿を、らせん状のシルバーパーツとチェーンを使って概念的に表現しています。耳もとで揺れるたび、チェーンに取り付けられたクリスタルパーツがキラキラと輝きます。
2:美濃ノ国養老の滝
迫力のある水量で流れ落ちる滝を5列のチェーンで表現しました。山間の緑をイメージしたアセテートパーツをあしらい、ワンポイントにしています。
3:木曽海道小野ノ瀑布
高所より一気に落下する小野ノ瀑布の姿をチェーンパーツとクリスタルパーツで涼し気に表現しました。
4:東海道坂ノ下清滝くわんおん
岩肌を緩やかに流れ落ちる水の流れを、オリジナルのシルバーパーツで表現しました。
諸国瀧廻りイヤアクセサリーは、ピアスとイヤリング、お好きなタイプをお選びいただけます。北斎が描いた全国各地の滝の名所を耳もとにまとって、お楽しみください。
すみだ北斎美術館(東京)でも発売!
今回のコラボ企画グッズ第2弾は、すみだ北斎美術館のミュージアムショップ及びオンラインショップでも販売予定です。浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)が生まれ、生涯のほとんどを過ごしたゆかりの地・墨田区亀沢にあるミュージアムで、北斎作品とともにグッズをお楽しみください。
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