『夢十夜』の百年を想う、幻想が織りなす色調麗しいバングルウォッチ
夏目漱石が綴った不思議な物語をモチーフにした、夜を映した色合いの腕時計。再会を約束した大切な人を待つ際のお供にも。
みなさま、こんにちは！ 歴史と読書が好きな、ミュージアム部・プランナーのささのはです。
みなさまは夏目漱石が書いた『夢十夜』という作品を読んだことはありますか？ そのタイトルからも窺えるとおり、夢をテーマにした短い小説十篇からなる幻想小説で、
こんな夢を見た。
という印象的な書き出しを聞けば、ピンとくる方もいらっしゃるかもしれません。何より『夢十夜』は一部の現代文の教科書に掲載されていることもあり、学生時代の雑談で「十篇のうちどれが一番好き！？」と盛り上がった方もいらっしゃるのではないでしょうか？
私の参加した雑談参加者たちの中で、一番人気だったのは『第一夜』！
死を目前に控えた女性と、彼女を看取った男性（主人公）が交わした約束をめぐる物語です。
～『夢十夜』第一夜のあらすじ～
「死んだら、埋めて下さい。大きな真珠貝で穴を掘って。そうして天から落ちて来る星の破片を墓標に置いて下さい。そうして墓の傍に待っていて下さい。また逢いに来ますから」
自分の死後の後始末を主人公に託した女性は、いつ逢いに来るのかと聞かれて次のように答えます。
女は静かな調子を一段張り上げて、
「百年待っていて下さい」と思い切った声で云った。
「百年、私の墓の傍に坐って待っていて下さい。きっと逢いに来ますから」
彼女の願いを受けた主人公は「待っている」とだけ答えて彼女を看取りました。それから彼は約束通りに女性を墓に埋めてやって、大きな赤い日が出たり沈んだりするのを眺めながら、気が遠くなるような時間をひとり墓前で過ごすことに。
しかし、いくら待っても女性は現れず……。自分はだまされたのではなかろうか？ と猜疑心を抱いた彼の前に、一輪の白い百合の花が現れたのです。
墓標として置いた星の破片の下から生えてきたそれは主人公の胸のあたりまで茎を伸ばし、やがてふっくらと蕾を開いて彼の唇に花弁をふれさせます。
そして主人公は、百合から顔を離した拍子に遠い空にまたたく暁の星を見つけ、約束の百年が来たことに気がついたのでした。
百合＝百に合う。だから女性は百合の花に姿を変えて、百年目に主人公に逢いに来たのでしょうか。さすが日本を代表する文豪・夏目漱石、言葉遊びのセンスがずば抜けております！！
主人公が女性を待ち続けた百年と、その尊い結末。
この美しい物語をなんとかして時にまつわるものに落とし込み、手もとでずっと眺めていたい！
そんな想いから、誰かを待つ時間がちょっとロマンチックになる「バングルウォッチ」を作ってみました。この時計を着けてお出かけしたら、誰も来ていない待ち合わせ場所でソワソワする気持ちがほんのり落ち着き、なんだか百年だって待てそうな気分になること間違いなし＾＾
ミュージアム部
百年待っていたくなる 夏目漱石著『夢十夜』イメージバングルウォッチ
1個 ￥5,200（＋10％ ￥5,720）
時計の文字盤には、作中に登場する印象的なモチーフをちりばめました。
真白な百合が鼻の先で骨に徹えるほど匂った。そこへ遥の上から、ぽたりと露が落ちたので、花は自分の重みでふらふらと動いた。自分は首を前へ出して冷たい露の滴る、白い花弁に接吻した。
まずデザインに大きく配置したのは、露をしたたらせる一輪の「百合の花」。そして死にゆく女が"墓穴を掘るために使ってほしい"と主人公に頼んだ「真珠貝」や、"墓標にしてほしい"と願った「星の破片」もインデックス（数字部分）のモチーフとして取り入れました。
自分が百合から顔を離す拍子に思わず、遠い空を見たら、暁の星がたった一つ瞬いていた。
「百年はもう来ていたんだな」とこの時始めて気がついた。
盤面に採用したシェル風素材は光を受けるとやわらかく輝き、見る人に上品な印象を与えてくれます。約束の時を告げる「暁の星」は、落ち着いたアンバー色のストーンひと粒でさりげなく表現しました。
『夢十夜』の時計は、アクセサリー感覚でさっと着脱できるバングルタイプ。バングル部分には、作品の幻想的な世界観に着想した色合いのアセテートを選びました。
夜空を思わす美しい色調の時計は、着けるだけでコーデのアクセントになります◎
盤面の裏にはミュージアム部のロゴの刻印入り。
作品の世界観にマッチした特製パッケージに入れてお届けします。
大切な人へのプレゼントにもいかがでしょうか？
ふたりの男女がそれぞれ果たした、百年越しの約束。美しい物語のラストシーンを閉じ込めた時計を、ぜひお手もとにお迎えください。
ミュージアム部
百年待っていたくなる 夏目漱石著『夢十夜』イメージバングルウォッチ
1個 ￥5,200（＋10％ ￥5,720）
記事内の作中文章引用元：
・夏目漱石（1908）『夢十夜』青空文庫より
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