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つられて眠くなってしまう!?葛飾北斎が描いた愛らしい「ふくろう」のポーチ #すみだ北斎美術館コラボ ①
ひと目見て魅了されてしまった「北斎のふくろう」をポーチとして立体化する話。
こんにちはミュージアム部の部長、内村です。みなさま「葛飾北斎」という人物はご存じでしょうか。
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葛飾北斎(1760-1849)
江戸時代後期に生まれた、日本を代表する天才的なアーティスト。約70年間の画業の中でさまざまな画風に挑戦し、ひとりの絵師が描いたとは思えないほど多彩な作品を遺しています。特に、浮世絵に風景画のジャンルを確立させたことや、読本挿絵の芸術性を飛躍的に高めたことは、北斎の大きな功績のひとつです。
生前から海外にも知られていた北斎の名が、より広範に知られるようになったのは、1867年のパリ万国博覧会がきっかけでした。北斎ら絵師が手掛けた浮世絵は、その大胆な色彩感覚と構図でヨーロッパの芸術家たちに大きな衝撃を与えたといいます。たちまち「ジャポニズム(日本趣味)」が流行し、モネやゴッホなどが代表的な画家の、印象派誕生のきっかけになったといわれています。
北斎は『冨嶽三十六景』などの風景版画・錦絵や『北斎漫画』などを描いた江戸時代を代表する浮世絵師の一人ですが、実は着物の柄や櫛・キセルの図案集なども手掛けていて、現代でいうところのテキスタイルデザイナーやプロダクトデザイナーに近い活動もしていました。
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ミュージアム部はこの北斎の、マルチクリエイターな面にとても興味がわきました。そこで今回は「葛飾北斎」をテーマにしたグッズを企画して、みなさまに多様な北斎の魅力をお伝えしたいと思います!
(コラボグッズの詳細については、記事のいちばん最後をご覧ください!)
すみだ北斎美術館とのコラボレーション
グッズを企画するうえで北斎を知ることはとても大切です。そこで今回は東京都墨田区にある「すみだ北斎美術館」とコラボレーションさせていただき、学びもあり、他にはないユニークな商品企画を目指しました。
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すみだ北斎美術館
葛飾北斎の作品を中心に収蔵・展示するミュージアムです。北斎が生涯のほとんどを過ごした墨田区内に開館しました。北斎及び門人の作品を紹介する展覧会や教育普及事業を通して北斎の生涯や作品を発信しています。
思わず目が留まったふくろうの絵
北斎のグッズを作るうえでさまざまな資料に目を通していたところ、私が思わず手を止めてしまったのがこちらの絵。
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か、かわいすぎる……
羽根を膨らませている鳥って、なんでこんなにかわいいのでしょう。もこもこした姿が最高です!ふくろうといえば、大きな目がチャームポイントだと思うのですが、北斎が描いたふくろうは目をつむっています。これ絶対に居眠りしちゃっていますよね。(そこもかわいい……)
この絵が載っているのは『北斎漫画 草筆之部』。
『北斎漫画』とは門下生のために画技を披露したスケッチを集めたもので、踊りや相撲をとる人物から幽霊妖怪、風景や行事など3,900余りにも及ぶ図が、全15編の木版摺和装本として収められています。
刊行された『北斎漫画』は庶民から武士まで広い層に好評で、江戸時代のベストセラーとなりました。海外では北斎芸術の真髄「ホクサイ・スケッチ」といわれ、19世紀ヨーロッパの画家たちに絶大な影響を与えたのだそうです。
あまりの人気で、別の板元から書名や構成を変えたものが出版されました。頭巾をかぶったふくろうの絵が掲載されている『北斎漫画 草筆之部』もそのひとつです。
なぜふくろうが頭巾をかぶっているのか?
かわいくてたまらない「北斎のふくろう」ですが、どうしても私が気になってしまったのが、頭にかぶっている頭巾です。なぜふくろうがかぶっているのでしょうか。
すみだ北斎美術館で2023年3~5月に開催されていた「北斎バードパーク」という企画展のプレスリリース資料に、この謎が解説されていました。
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浮世絵には、とまり木で休むフクロウや頭巾をかぶったフクロウが登場しますが、これらの描写には、①病を払う象徴としてのフクロウ、②ズク引きという猟法のフクロウの2つの意味があります。とくに、フクロウの1種のミミズクには邪気を払うという伝承があり、薬屋のマスコットや、疱瘡除けのおまもりなど、病を払う象徴と考えられていました。 病を払う象徴としてのフクロウやズク引きのフクロウは、別々のイメージで描かれることもあれば、2つの意味を込めて描かれることもありました。北斎の描くフクロウも、こうしたイメージの流れの中で制作されました。
なるほど……ただかわいいから描いたというわけではなさそうです。北斎ならではの目の付けどころ、というべきでしょうか。当世の風俗を描く浮世絵を手掛けていたからこそ、当時の人びとが興味を持つ要素をデザインに取り入れたのかもしれません。
北斎ふくろうの立体化企画スタート
平面で描かれている「北斎のふくろう」を、どのように解釈して立体化するかを決めるため、まずは、いろんな角度からふくろうを描いて、イメージを膨らませました。
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ディテールはまだざっくりとしていますが、立体化の解釈としては片方の羽根を胸元にかけてうつむいている感じを目指すことにします。
この段階で一度、すみだ北斎美術館の担当者さまに監修チェックしていただきました。「問題なし」と回答をいただけたので、さっそく形状サンプル製作に進みます。
形状サンプルをチェック
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まだのっぺらぼうな状態ですが、立体化することで問題点や印象の違いがよく分かります。くちばしの大きさ・長さの調整や、生地の素材感などを調整していきながら、ポーチ全体にプリントするアートをデザインします。
デザインを反映したサンプル到着
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ポーチ全面にプリントされたことによって、よりわかりやすくなりました。イメージに近くなってきたのですが、妙に気になるな~と眺めていると……
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もとの絵に比べて「くちばし」が細長い事に気が付きました。その他にも足の形状など「すみだ北斎美術館」の担当者さまよりアドバイスをいただき、2回目の修正サンプル製作に進みます。
完成!北斎のふくろうポーチ
そうして出来上がったのがこの「北斎のふくろうポーチ」です。
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この手乗りサイズがとても愛らしい……
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横から見たぽってりフォルムも愛らしい……
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背中のポケットにちょっとした小物を収納することができて愛らしい……
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デスク周りに置いておくと、眠いのを我慢しながらずっと作業を見守っていてくれているようで癒やされちゃいます。
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北斎が描いたふくろうの魅力にふれて、『冨嶽三十六景』以外の多様な作品を楽しむきっかけになったらうれしいです。
すみだ北斎美術館×ミュージアム部
つられて眠くなっちゃう 北斎の居眠りふくろうポーチ
1個 ¥2,800(+10% ¥3,080)
すみだ北斎美術館(東京)でも発売!
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今回のコラボ企画グッズは、すみだ北斎美術館のミュージアムショップ及びオンラインショップでも販売予定です。浮世絵師・葛飾北斎(1760-1849)が生まれ、生涯のほとんどを過ごしたゆかりの地・墨田区亀沢にあるミュージアムで、北斎作品とともにグッズをお楽しみください。
すみだ北斎美術館
〒130-0014 東京都墨田区亀沢2丁目7番2号
開館時間: 午前9時30分~午後5時30分(入館は午後5時まで)
休館日:毎週月曜日(月曜が祝日または振替休日の場合はその翌平日)、年末年始(12月29日~1月1日)
※最新の情報は公式HPでご確認ください。
すみだ北斎美術館×ミュージアム部コラボ商品はこちらにも!
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