ナミダ顔もそっと洗い流して……雪舟の物語から着想を得た天然成分フェイシャルソープ #雪舟の世界③
「涙のねずみ」物語から生まれたフェイシャルソープ。
こんにちは、ミュージアム部の内村です。今回ご紹介するのは「お顔も心もすっきりと雪舟と鼠フェイシャルソープ」です。
このフェイシャルソープは水墨画家・雪舟の「涙のねずみ」物語から着想を得て作りました。「涙のねずみ」のお話はこちらをご覧ください。
自ら流した涙で、本物と見間違えるほどのねずみを描いたというこのエピソードは、雪舟を語るうえで重要な要素のひとつです。そこでこの物語をモチーフにして、泣きたくなる気持ちもそっとやさしく洗い流してくれる……そんな特別なせっけんを作りたいと考えました。
商品を形作るポイントを探す
「物語をモチーフにした」というだけでは、特別なせっけんを作る要素としてはざっくりとしています。そこで、雪舟を調べながら他にも重要なポイントがないか書き出して探ってみました。
いろんな要素がありそうですが、「水墨画」「禅僧・雪舟」「涙のねずみ伝説」は特に重要なポイントだと思い、このあたりを念頭に表現や素材のプランを練ってみました。
ポイント①:「水墨画」らしさの表現
水墨画家である雪舟をモチーフにするせっけんなので、モノクロームなイメージは外せません。黒、灰色、白……そんな色に仕上がる素材を調べてみると「竹炭」「クレイ」「米ぬか」を見つけました。
色は水墨画の墨や和紙のイメージにぴったりですし、成分的にも洗顔せっけんに向いている素材のようなので、この素材を使って作ることに。
ポイント②:「禅僧・雪舟」のイメージ
雪舟という人物を知る際に、禅僧(お坊さん)でもあるということも伝えたいと考えました。僧侶らしさを取り入れるという意味で「植物由来成分」を使えないかと考えていたので、「竹炭」「クレイ」「米ぬか」という素材はマッチしていました。
ポイント③:「涙のねずみ」のあしらい
「涙のねずみ」を象徴するのは何といっても「ねずみ」です。できるだけわかりやすくこの要素を表現したかったので、せっけんの表面にかわいいねずみを型押しすることに。
フェイシャルソープの完成
このようなポイントを詰め込んで、「お顔も心もすっきりと雪舟と鼠フェイシャルソープ」が完成しました。
「米ぬか」
「竹炭」
「クレイ」
いずれのせっけんも植物性成分を使うことで、モノクロームな水墨画を想起できる色と、僧侶でもあった雪舟の精進的な印象も表現できました。
こだわりのコールドプロセス製法
今回のせっけんは「コールドプロセス製法」で作られています。これは油脂と苛性ソーダを混ぜ合わせた際に生じる「反応熱」を利用して作る製法です。熱を加えず低温でじっくり熟成させるので、せっけんに含まれる保湿成分が損なわれにくいのが特長なのだそう。
工程①:油脂調合
製造工程は、まず苛性ソーダを水に溶かして水溶液を作ります。水に溶けて発熱した苛性ソーダの温度を下げていき、適温になったら事前に計量していた油と混ぜ合わせます。
工程②:攪拌
その後10分~15分ほどていねいに攪拌。しっかり混ざったら化学反応が起こって温度が上昇するので、保温箱で2日間かけて温度を下げます。
工程③:断裁
温度が下がったら裁断して成形を行います。
工程④:乾燥・熟成
成形できたら乾燥室へと移し、約1ヵ月かけて乾燥・熟成させて完成です。
ひとつひとつ手作業でていねいに作っている「雪舟と鼠フェイシャルソープ」を作ってくれるのは「満天 星めぐり石鹸工房」のみなさんです。
「満天 星めぐり石鹸工房」は奈良県にある「社会福祉法人 青葉仁会」の施設。「暮らす、働く、自立支援」の3つの柱をテーマに、障がいのある利用者の方の支援を行っています。
「雪舟と鼠フェイシャルソープ」で、涙を流したくなるような気持ちも、そっと洗い流してくださいね。
「雪舟伝説 ―「画聖」の誕生―」開催!
2024年4月13日(土)から京都国立博物館で『特別展 雪舟伝説―「画聖」の誕生―』が開催されます。特別展では雪舟の国宝認定されている6作品だけでなく、雪舟を師と仰ぐ画家たちの、多様な作品作品も楽しむことができます。
お出かけにぴったりな季節に、幽玄の世界に浸る企画展へもぜひ足を運ばれてみてはいかがでしょうか。
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