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世界が愛する物語を飲む「アンデルセン童話イメージティー」

北欧生まれの美しい童話を、今度はティーカップでめしあがれ。時代を超えて愛される物語を五感で感じられるお茶のシリーズ。

みなさま、こんにちは!
歴史と読書が好きなミュージアム部プランナー・ささのはです。

これまでいろいろなイメージティーシリーズを企画してきた私、この度、世界中にファンを持つ名作「アンデルセン童話」をモチーフにしたお茶を作ってみました!

モチーフに選んだのは4つの物語
『すずの兵隊さん』『みにくいアヒルの子』『マッチ売りの少女』『人魚姫』
※画像は調理例です

お茶の詳細をご紹介する前に、まずはこの「イメージティーシリーズ」が生まれた経緯についてご説明します。

みなさまは『銀河鉄道の夜』などで知られる宮沢賢治によって書かれた、この文章をご存じでしょうか?

けれども、わたくしは、これらのちいさなものがたりのいくきれかが、おしまい、あなたのすきとおったほんとうのたべものになることを、どんなにねがうかわかりません。

『注文の多い料理店 序文』より

これは『注文の多い料理店』の序文に登場する一節です。
はじめてこの文章を読んだ時、私は「賢治はおそらく、読書を通じて自分が書いた物語が誰かの人生に影響を与えることを願っていたのではないか?」と感じたのです。

一冊の本をきっかけに何かに新しくチャレンジすることってありますよね

しかし、あくまでも「本に影響を受けた」という体験・感覚自体は目には見えないもの。
物語が私たちの身になる現象を実感できる「すきとおったほんとうのたべもの」が実在したら? 物語のかけらが本物の食べ物として消化されて私の体の一部になるとしたら、とても素敵に違いないのに……。

そんなことを夢見たプランナーが作り上げたのが、各作品に登場する印象的なモチーフや、それぞれを象徴する色から連想したお茶のシリーズ「文学作品イメージティー」
2020年から2023年の春にかけて日本の文豪12名の著作をモチーフにしたイメージティーを、2024年にはイギリスがほこ諮問探偵しもんたんていが大活躍する探偵小説作品群「シャーロック・ホームズシリーズ」のイメージティーを発売しました!

作品世界を実際に体に取り入れることができるお茶のシリーズを、着々とみなさまにお届けしています^^

国内外の作家が手掛けた、時代・国境を越えて愛される物語たち。引き続き、世界中の人々の人生に影響を与えた「すきとおったほんとうのたべもの」を、もっともっと具体化してみたい!!!
次の候補として思い浮かんだのが、H.C.アンデルセンがつづった物語群「アンデルセン童話」。彼が生みだした物語は世界中の言語に訳されて、世代を超えて愛されています。近代では某アニメーション映画の題材にもなっており、読書とは異なる形でその魅力にふれた方も多いかもしれません。

同シリーズはまさしく、世界中の人々の人生に影響を与える「すきとおったほんとうのたべもの」のひとつ!
何より私が大好きなアンデルセン童話の、やさしさと寂しさが詰まった名作を是非とも実際に食べてみたい!! 
そんな想いをもとに、数ある「アンデルセン童話」のうち、4つの物語をイメージしたお茶を作ってみました。

ミュージアム部
アンデルセン童話の世界へ誘う 海外文学作品イメージティーの会

月1セット ¥1,800(+10% ¥1,980)
※note内の写真はすべて調理例です。
※1セットだけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。

各タイトルから着想し組み立てた、こだわりのブレンド。本型パッケージのデザインと併せてご紹介いたします!


〈すずの兵隊さん×照らす炎のようにあかあかとしたお茶〉

 すずの兵隊さんは、ほのおにあかあかと照らされて、おそろしい熱さを感じました。けれども、その熱さは、ほんとうの火のための熱なのか、それとも、心の中に燃えている愛のための熱なのか、はっきりわかりませんでした。

『すずの兵隊さん』より
『すずの兵隊さん』のあらすじ:片ほうの足しか持たないおもちゃのすずの兵隊さんは、踊り子の紙人形に一目ぼれ。片足を高くあげた姿を見て彼女も自分と同じ一本足なのだと勘違いし、親近感から踊り子を見つめる姿を、びっくり箱にひそむ小おにに馬鹿にされるのでした。そして次の朝、小おにの仕業なのか兵隊さんは窓の外へと落ちてしまい、命をおびやかすような不運に次々と見舞われます。運命の巡りあわせで元いた家へとなんとか帰還きかんした彼を、今度は小さな男の子がつかみ……。

~ブレンドのこだわり~

ブレンド:ローズヒップ、ばんざくろの実、ジャスミン花など

『すずの兵隊さん』は主人公の兵隊さん、そして彼が恋した踊り子の紙人形を燃やす炎のように、真っ赤な色をしたブレンドティーです。
南国をイメージしたフルーツや花を混ぜこんだお茶は、一途いちずに愛しい人を見つめ続けた兵隊さんのまなざしを連想させる情熱的な味わい。また、彼に続いて炎に飛び込んだ踊り子をイメージして「私はあなたについていく」という花言葉を持つジャスミンの花の香りも付与ふよしました。
命のないおもちゃたちが人知れず紡いだ恋物語に思いをせるための、唯一無二ゆいいつむにのブレンドです。

~本型パッケージのデザインについて~

フレーム調のデザインは4種共通
幼少期に作者が好んだ“人形の衣服づくりに使う裁縫道具”や“靴職人である父親に読んでもらった本”、また“靴づくりの道具”などを、アンデルセンが得意とした切り絵を思わせるテイストにまとめています

夜ふけはおもちゃたちの時間! 自由に遊んぶおもちゃたちには目もくれず、お互いをじっと見つめあう兵隊さんと踊り子を表紙に描きました。
十二時をうつ時計には、物語を引っかき回すいやらしい小おにの影が忍び寄ります。

裏表紙に描いたのは、ストーブから見つかったすずのハートと、まっ黒こげになった金のモール。炎の中で一緒にとろけて燃え尽きた、兵隊さんと踊り子のかけらです。

《物語をもっと楽しむためのおすすめアレンジ》

 あくる朝、女中がストーブの灰をかきだすと、兵隊さんは、小さなハート形の、すずのかたまりになっていました。踊り子のほうは、金モールのかざりだけがのこっていましたが、それも、まっ黒こげになっていました。

『すずの兵隊さん』より

イメージティーの上に灰と化したまきに見立てたマシュマロを敷きつめ、粉砂糖を全体に振りかけて。ハート形に切ったリンゴと食用金箔をそっと乗せたら完成です。
とある日の朝にストーブからかきだされた、ふたりの物語の痕跡こんせきを感じさせる一杯を飲みほして。


〈マッチ売りの少女×マッチの火が見せた夢のようにあたたかいお茶〉

 と、そのとき、またもや、マッチの火が消えてしまいました。たくさんのクリスマスの光は、高く高くのぼっていきました。そしてとうとう、明るいお星さまになりました。その中の一つが、空に長い長い光のを引いて、落ちていきました。
「ああ、だれかが死んだんだわ」と、少女は言いました。

『マッチ売りの少女』より
『マッチ売りの少女』のあらすじ:こごえる寒さのおおみそかの夜のこと。主人公はマッチを売ろうと街をさまよいますが、誰も足を止めようとしません。寒さに耐えきれず、なんとかしてだんを取ろうと売り物に火を灯した少女。するとマッチをするたび、目の前にあたたかなストーブやおいしそうな焼きガチョウ、素敵なクリスマスツリーが現れるのです! 火が尽きるとかき消えてしまう幸福な光景をなんとか繋ぎとめようと、残ったマッチをすべてすった彼女は、目の前に現れた今は亡き大好きなおばあさんの腕へと飛び込んで……。

~ブレンドのこだわり~

ブレンド:ジンジャー、ペパーミント、アルファルファなど

『マッチ売りの少女』は主人公がさまよい歩いた凍てつく冬の夜を思わせる、すーっと香るミントがポイントのブレンドティーです。
つらく厳しい現実世界をその清涼感ある後味で表現しています。一方で、少女が灯したマッチが見せる幻覚のあたたかさも感じられるブレンドを作りたくて、ホットドリンクにぴったりなスパイス・ジンジャーを混ぜこみました。一杯の中にもコントラストが利いた、唯一無二のブレンドです。

~本型パッケージのデザインについて~

表紙にはマッチが見せた、どんなお金持ちの家にあるものより立派で素敵なクリスマスツリーを描いています。枝に飾られたたくさんのろうそくは、やがて天に昇って星に変わり、一筋の流れ星となって誰かが死んだことを少女に教えますが……。

裏表紙にはあたらしい年のお日さまに照らされきらめく雪と、その上にのこされた、ほとんど燃え尽きたマッチを描写しました。

《物語をもっと楽しむためのおすすめアレンジ》

 この子は暖まろうとしたんだね、と、人々は言いました。けれども、少女がどんなに美しいものを見たかということも、また、どんな光につつまれて、おばあさんといっしょに、うれしい新年をむかえに、天国へのぼっていったかということも、だれひとり知っている人はありませんでした。

『マッチ売りの少女』より

イメージティーの上にホイップクリームをしぼり、雪のようにきらめくザラメをぱらぱらと振りかけて。マッチに見立てたシナモンスティックを添えて、周囲にシナモンパウダーを散らしたら、まるで降り積もった白い雪がマッチの灰にすすけたよう……。


〈みにくいアヒルの子×あたらしい春のかおりにみちみちたお茶〉

「さあ、ぼくを殺してください」と、かわいそうなアヒルの子は、言いながら、頭を水の上にたれて、殺されるのを待ちました。――ところが、すみきった水のおもてには、いったい、何が見えたでしょうか? そこには、自分の姿がうつっていました。けれども、それはみにくくて、みんなにいやがられた、かっこうのわるい、あの灰色の鳥の姿ではありません。それは、美しい一羽のハクチョウではありませんか。

『みにくいアヒルの子』より
『みにくいアヒルの子』のあらすじ:夏の日、とあるアヒルのお母さんのもとに生まれたひな。彼はその見た目から「みにくい」とののしられ、家族を含むすべてから拒絶されてしまいます。耐えきれずついに家を飛び出したひなは、ただ一羽で広い世の中を見て回りますが、季節が変わっても居場所は見つけられずさびしさはさらにつのるばかり。苦しく悲しい冬が明けてすてきな春がやってきた時、やっと彼は自分が何者であったのかを知るのでした。

~ブレンドのこだわり~

ブレンド:アップル、カモミール、ストロベリーなど

『みにくいアヒルの子』は誰からもうとまれた主人公が孤独に過ごした冬の終わりを告げる、春のお日さまを思わす色合いのハーブティーです。
カモミールやコーンフラワーなど、春の訪れを感じさせる色とりどりの花を混ぜこんだ、見た目にもハッピーなブレンド。ベリーやアップルがきいたほんのり甘酸っぱいお茶は希望に満ちたあたたかい味わいで、ひとくち飲むだけで暗くふさぎ込んだ心がほどけるよう。
かつて“みにくいアヒルの子”だった主人公を新たな世界へと導く、唯一無二のブレンドです。

~本型パッケージのデザインについて~

枝についたつぼみが美しく花開き、ヒバリが歌をうたうすてきな春の日。沼のアシにじっと隠れる主人公の目前に現れた、かがやくようにまっ白なからだでかろやかに泳ぐ三羽のハクチョウを、表紙のモチーフに据えました。

裏表紙には、おかあさんアヒルを先頭に、兄弟たちと一緒に広い世の中を見に向かう“みにくいアヒルの子”を描写しています。狭い卵の中とは異なるという世間には、一体何が待っているのでしょうか。

《物語をもっと楽しむためのおすすめアレンジ》

――やがて、いつのまにか、お日さまが、暖かくかがやきはじめました。そのころ、アヒルの子は、まだやっぱり、沼のアシのあいだに、じっとしていました。もう、ヒバリが歌をうたいはじめました。――いよいよ、すてきな春になったのです。

『みにくいアヒルの子』より

やわらかく光を落とすお日さまに見立てた輪切りオレンジに砂糖をまぶして少しの時間なじませ、上からイメージティーを注いで。
たゆたうオレンジの上に春めく色合いのエディブルフラワーを飾り付け、最後にローズマリーを差し込んだら、新たな門出かどでを祝う春の日にぴったりの一杯が完成します。


〈人魚姫×海のあわを照らす夜あけの色のお茶〉

 お姫さまには、よくわかっているのです。今夜かぎりで、王子の顔も見られません。この王子のために、お姫さまは家族をすて、家をすてたのです。美しい声もあきらめたのです。くる日もくる日も、かぎりない苦しみをがまんしてきたのです。それなのに、王子のほうでは、そんなことは夢にも知らないのです。王子とおなじ空気をすうのも、深い海をながめるのも、星のきらめく夜空をあおぐのも、今夜かぎりとなりました。考えることのない、夢見ることのない、はてしなくつづくやみの夜だけが、お姫さまを待っているのでした。

『人魚の姫』より
『人魚姫』のあらすじ:人魚の王様の末娘である、ちょっと変わり者のお姫さま。十五歳になって海上に浮かびあがることを生まれて初めて許されたその日、彼女はあれくるう海に投げ出された地上の王子を助け、彼に恋をしたのでした。王子を手に入れるために人間の世界に加わることを決意した彼女は、魔法使いに頼んで自らの美しい声と引き換えに人間の足を得ることに。悲願かなったお姫さまは、晴れて王子さまに寄り添い暮らしますが、彼らの前にひとりの女性が現れて……。

~ブレンドのこだわり~

ブレンド:バタフライピー、マローブルー、ラベンダーなど

『人魚姫』は、主人公が魔法使いと交わした約束の時の到来を告げる、運命の日の夜空を思わせる青いハーブティーです。
“あのかたと、死ぬことのない魂をあたしのものにしたい”。そんな願いの対価として、誰よりも美しい声を失った人魚姫をイメージし、オペラ歌手など声を大切にする人に好まれるハーブ・マローブルーと、「沈黙ちんもく」という花言葉を持つラベンダーをブレンド。
姉たちにもらったナイフを王子の心臓に突き立てることもできず、つめたい海のあわと消えたお姫さまの悲恋をあらわした、唯一無二のブレンドです。

~本型パッケージのデザインについて~

表紙には、幸せに包まれた王子さまと花嫁、そして死を目前にした人魚のお姫さまを乗せた船が静かに海を進む様子を描きました。色を変えはじめた空が、最期さいごの時が刻一刻こくいっこくと迫ってきていると暗示しています。

裏表紙には、お姫さまが自ら投げ捨てた、命が助かる唯一の手段・ナイフを描写。人間の足を与えてくれた秘薬ひやく入りの硝子瓶がらすびんは、海に沈むナイフとは正反対、あの日のお姫さまのように海上へと向かうようです。

《物語をもっと楽しむためのおすすめアレンジ》

 しかし、その瞬間しゅんかん、お姫さまは、それを遠くの波間に投げすてました。すると、ナイフの落ちたところが、まっかに光って、まるで血のしたたりが、水の中からふき出たように見えました。お姫さまは、なかばかすんできた目を開いて、もう一度王子を見つめました。と、船から身をおどらせて、海の中へ飛びこみました。自分のからだがとけて、あわになっていくのがわかりました。

『人魚の姫』より

冷やしたイメージティーをソーダ水で割って、夜明けを思わす薄紫色に。はちみつを底に垂らしたグラスにティーソーダを注ぎ、レモン果汁をスポイトで加えたら、ばら色の朝焼けが色鮮やかに出現。
しゅわしゅわと立ち上るあわが、明け方の海に消えた姫の姿をしのばせます。


イメージティーを収めたパッケージは、文庫本とほぼ同じサイズ!
まるで本物の書籍のように、本棚に並べて楽しめます。

洋書に準じた左開きタイプの本型ボックスが、海外文学好きさんの心をくすぐります

1箱に17個、ティーバッグが入っています。手軽にさっと飲めて、いつでも物語の魅力にひたれます。

お茶を飲みきったら、パッケージに小物を収納できます。アクセサリーを入れたり文房具をしまったり、お好みの形でアフターユースをお楽しみください。

※箱に直接食品を入れるのはおやめください

「アンデルセン童話」に着想したイメージティーをれたら、幻想的な物語世界により深く没入ぼつにゅうできることでしょう。
幼いころに読み聞かせてもらった優しい思い出や、大人になってから読み返して初めて気がついた魅力……。読書を愛する人はきっと持っているアンデルセン童話への想いごと飲み干すような、特別なティータイムをお楽しみください。

ミュージアム部
アンデルセン童話の世界へ誘う 海外文学作品イメージティーの会

月1セット ¥1,800(+10% ¥1,980)
※note内の写真はすべて調理例です。
※1セットだけ(1ヵ月だけ)の購入も可能です。
※詳しくは「初めての方へ・お買い物ガイド」をご確認ください。

記事内の作中文章引用元:
①H.C.アンデルセン著・矢崎源九郎訳(1967)『すずの兵隊さん』青空文庫より
②H.C.アンデルセン著・矢崎源九郎訳(1967)『マッチ売りの少女』
③H.C.アンデルセン著・矢崎源九郎訳(1967)『みにくいアヒルの子』青空文庫より
④H.C.アンデルセン著・矢崎源九郎訳(1967)『人魚の姫』青空文庫より

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