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ことばの作品集

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みどりにひかる本になることばの倉庫
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#朗読

神さまのかくれんぼ

ぼくの人生がかわろうとしている。 高ぶるこの気持をどういったらいい? つぼみに向かって棒を…

あなたはわたしの愛に乗る

うれしいとき、ちいちゃんはほっぺをふくらますくせがあります。 はじめて会った時もそうでし…

遠い歌を

めぐみ深い太陽の翼も届かない谷底でした。 そこに、紅しじみよりも小さな花がひとりぽっちで…

母のもとへ

カタル カタル… ずっとまえから きこえる 声 どこか さびしげな 声 カタル、おはよう …

きらきら ぱらぱら ~いのちあるかぎり~

雨あがりの森に光がかえってきました。 木の葉という木の葉はぬれそぼち、しらじらあけの朝日…

めそめそ柿 ~あるがままの自分に気づく絵本~

朗読劇と絵本がひとつになった まっかな柿と青いひよどりの小さな物語 あるがままの自分でいら…

イチイガシの木 ~百年のめぐりあい~

――アキカン―― オレはアキカン。 工場のチームリーダーからつけられた、なさけないあだ名だ。 昼休みとは別に、十五分の休憩がある。 「おい、アキカン」 リーダーがオレを呼ぶのは、そのときだ。 「聞えねえふり、してんじゃねえぞ」 チームの仲間はいっせいにうつむいたり、あくびしたりする。オレはリーダーにあごで呼ばれ、つきしたがう。 倉庫の裏にある防犯カメラの死角。 そこでいきなり、ひざで腹を蹴りあげられる。うずくまった背中を踏みつけにされる。 「立てよ」 といっても、顔はビンタだ

雪、月、花のとき ~永遠の今~

外は雪ね。 あれから三か月。 ずっと返信しなくてごめんなさい。 あの夜のこと、月子はもう、…

ひとひらの魂

里山のふもとに大きな木がすっくと立って、影を落としています。 晩秋の木は、ほんの二三日ま…