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ことばの作品集

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みどりにひかる本になることばの倉庫
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#魂

さよなら郵便局  ~オネエゆうメイトの影あらば光~

味覚障害を克服しました。 といっても、かれこれ十二年も前の話で、もちろんコロナとは関係な…

花のふたご

生きながら死んでいるのか、死にながら生きているのか、わたしはときどき、わからなくなる。 …

俺はまばゆい庭を見た

俺の父は教師だった。 春樹という、いくらか頭の弱かったらしいかつての教え子から、鉛筆書き…

むーやんとたんぽぽの綿毛

なんにもない空の下で、むーやんはすっかり地球が好きになりました。 どちらを向いても花が笑…

星をひろう

鏡に黒いビニールをはりました。 荒れはてた部屋をうつす鏡に、これはお前の心の中さと、冷た…

あなたはわたしの愛に乗る

うれしいとき、ちいちゃんはほっぺをふくらますくせがあります。 はじめて会った時もそうでし…

みかんのみんな

夜ふけの台所はふしぎの国。 ひるまはむっつり屋の野菜や果物が、ひそひそ、ざわざわ。 心を澄ますと、みかんが語りかけてくれました。   ぼくらはね、ごらんのとおり、ふぞろいなの。 大きいのや小さいのや、あちこち傷ついて泣いたのや、いろいろなの。 食べてみて! 中身も、あまかったりすっぱかったり、そうかと思えば種ばかりでぱさぱさだったり、みーんなちがうんだから。 でもね、ぼくらは、ひとつの木にみのった仲間なの。 だんだん畑のみかんの木。 見おろす海はガラスのか

ひとひらの魂

里山のふもとに大きな木がすっくと立って、影を落としています。 晩秋の木は、ほんの二三日ま…