数量限定先着順の困窮者支援?
昨日に引き続き、おこめクーポン事業の話。
令和4年度の非課税世帯と家計急変世帯に実施提供されるクーポン事業だ。
生活保護世帯である我が家にも、さっそく届いた。
わたしは自炊がメインの食生活を送っているので、米をもらえるのはとてもありがたい。
申込受付期間は2023年3月24日~2023年5月31日まで。
画像にあるコースラインナップから第3希望まで選び、リーフレットに同封の返信用ハガキか、4月1日より受付開始される専用ウェブサイトから申し込みをするそうだ。
さっそくリーフレットを確認していると、気になる記述を発見した。
数量限定、先着順?
物価高に影響を受けやすい低所得世帯への支援事業なのに??
気になったので、リーフレット記載の問い合わせ窓口に電話してみた。
クーポンは3月24日から順次発送されているらしいので、早ければ25日くらいに返信ハガキを投函できる。
応募が早ければ早いほど、希望は通りやすい。
ハガキを出すのが遅くなると、欲しいものが残っているか分からない。
物価高で困っている低所得世帯への支援事業なのに?
平日は忙しいから届いた手紙を開けるのはとりあえず週末、ということをしていたら出遅れて、希望のものが残っていなかったということもあり得るということだろうか?
素早く行動できた者は欲しいものをゲットできて、素早く行動できなかった者は欲しいものがゲットできないかもしれない。
希望する支援をゲットできるかどうかは、参加者(支援されるひと達)の素早い行動にかかっている。
物価高で困っている低所得世帯への支援事業なのに???
なんというか、年末年始の福袋みたいだ。
「2023年お米福袋! みんな急げ! 数量限定先着順だ!」
こんなこと、このクーポンが実施される前からずっと言われていることだが、なぜ現金給付ではないのだろう?
現金なら、ことはずっと簡単じゃないか。所定の口座に振り込めばいい。
当然、現金給付だったら数量限定先着順なんてことにはならない。
行政の支援が「数量限定先着順」という年末商戦じみた不親切な事態に陥っているのは、米だの野菜だのという現物を支給することにしたせいだろう。
そもそも、支援というものは簡単で分かりやすく、受け取る側が平等に取り扱えるものであるべきだ。行政の実施する支援ならなおさら。
お金があれば、米だろうが野菜だろうが肉だろうが、必要なものを必要に応じて購入する。わたしは自分の生活なら25キロの米を消費できる目途が立つが、そんな量をとても消費できないという世帯だってあるだろう。
だったらクーポンを利用するなと言われそうだが、自炊する世帯にばかり有利で便利な“行政の支援事業”がおかしいのだ。
困窮している世帯を支援するのが目的であるならば、その誰もが等しく使いやすい形で支援するのは当然のことではないか。
そして困窮に対してもっとも有効かつ即効性があり、誰もが平等に扱えるのは米ではない。現金だ。
一体全体、どうして現金ではなく米なのだ。
わたしは生活保護生活者で、実際物価高には困っているし、自炊をするので米がもらえるならもらう。
食べて生きていくのが最優先だから、利用できるものは利用する。
そして同時に、それがおかしいと思えばおかしいと言う。
だっておかしいじゃないか。
都としては、米を買わずにすんで浮いた金で別の食糧や日用品を買ったり、光熱費を払えばいいと想定しているのかもしれないが、そんなまだるっこしいことをしないで直接現金を給付すればいい。
そしてその給付は、特定の低所得世帯だけではなく、物価高の影響を受けているすべての都民に実施すべきだ。
みんな喜んで米や肉や野菜を買うだろう。光熱費を払い、日用品を買い足し、余裕があるひとは欲しかった本や衣類や家電を買うだろう。旅行にだって行くだろう。
困窮への支援が「現物支給が先」である必要なんかないじゃないか。
支援が現金であれば、現物支給を行き渡らせるために「数量限定先着順」にする必要なんかなくなるじゃないか。
つくづく、もどかしいことだ。
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